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『夢でいいから/中島まゆこ』 [歌謡曲/70年代]

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どうも、どうも。
都市色とハッピー&ブルーです。
どっちかというとブルーが多めです。

毎回、『夢で逢えたら』を取り上げてるとさすがに
飽きてしまいそうなので、
タイトルに“”という言葉が付くシングルを取り上げてみましょう。

まずは中島まゆこさんという歌手による『夢でいいから』。
1971年にCBSソニーの傘下のレーベル《EPIC》からデヴューしました。
ここでの《EPIC》は80年代を席巻した《EPIC SONY》とは異なります。
『夢でいいから』はデヴューシングルです。
この曲は元々、いしだあゆみさんの『太陽は泣いている』のB面曲でした、
そのカバーバージョンです。
作詞:林 春生、作曲・編曲:筒美京平による楽曲。
せめて夢の中だけでも、思い出のあの方に逢いたい・・・、という想いを込めた林 春夫氏の歌詞。
これはまさに『夢で逢えたら』に通底するメッセージですね。
そしてその歌詞の《切なる想い》をメロディに巧みに変換してしまう筒美先生の繊細で甘美な旋律の素晴らしさ。
B面にしておくには勿体ない!
そんな訳で中島まゆこさんの歌唱でA面に昇格!


いしだあゆみさんのバージョンはまさに夢の中で唄っているような、
アンニュイで儚げな歌唱と、筒美先生の
ソフトなサウンドが相まって幻想的な調べでした。

打って変わって、
中島まゆこさんのバージョンはより歌謡ポップス然とした仕上がり。
彼女の艶っぽい歌唱。
いしだあゆみさんよりも歌が上手く、表現力が豊かです。
かといって、いしだあゆみさんのバージョンが悪い訳ではないのです。ちっとも。
筒美先生のアレンジはポップというか、リズムも弾んでいます。
アコギのアルペジオからトランペットのモダンな響き。
中島さんの歌唱を活かしたソフトロック歌謡。

お二人の歌唱に合わせた筒美先生の技ありなアレンジが功を奏します。

B面は『見知らぬ国へ』。
こちらも林&筒美コンビの楽曲。
マイナー調の歌謡ポップス。
『太陽は泣いている』に少し似ている感じがします。
この曲もどこか夢の中を彷徨っているような不思議な歌詞です。
ミステリアスなメロディにバロック調のフレーズが巧みに絡み合ってドラマティックなサウンドが展開される辺り、さすが筒美先生って感じです。
忙しなく風雲急を告げる、感じのストリングの響きも効果的。

今回のシングルを含め、
中島まゆこさんはEPICレーベルにて3枚のシングルを残しています。
もう一枚シングルを残しているようですが、はっきりとしていません。

彼女のコトを知ったのは、
ソニーのオーダメイドファクトリーの《アイドル・ミラクルバイブルシリーズ》でした。
『’69~71 Girls』と題して、中島まゆこさんと、もう1人、北野ルミさんのお二人の音源をまとめたCDで知りました。
今回のコンピで初めて音源化された楽曲もあり、なかなかレアなコンピレーション。
2013年にリリースされました。
中島さんについて言及しますと
やはり筒美京平先生が手掛けている5曲が素晴らしいです。
そして特筆すべきはアニメ『モンシェリー COCO』のテーマソング。
これは川口 真氏が作曲していますが、こちらもなかなか良いです。

豊かな歌唱力をお持ちの歌手なだけに短命な活動が残念でした。
このコンピをきっかけに再評価されると良いですね。
ソニーの音楽サイトでまだ入手可能のはずです。

『夢でいいから』《EPDG 81002》〈作詞:林 春生/作曲・編曲:筒美京平〉(03’20’’)【1971】


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『そして、神戸/内山田 洋とクールファイブ』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
ボンヤリしていると、時間がどんどん過ぎて行って焦っちゃいます。
ブログも更新しそびれちゃいます。

ライヴをネタに記事を更新するのは、一旦置いといて。

ロック漫筆家・安田謙一氏の最新著作『神戸、書いてどうなるのか』を先月に買いました。
安田さんの出身地であり、現在も住んでいる神戸という町にまつわる108の思いつき。
初の書き下ろしエッセイ集を読んでどうなるのか、の巻。



ピントがボケる音』(2003)、『なんとかと なんとかがいた なんとかズ』(2012)の2作は音楽、映画や本を主としたポップカルチャーに関する評論集だったのですが、三冊目の著作の今回は生まれ育った町をテーマに取り上げていて、そこが今までと大きく異なります。
例えるなら、『~シンドバッド』、『気分しだいで~』とアップテンポな曲が続いた後の3枚目のシングルがしっとりとしたバラードの『エリー』って感じでしょうかって、サザンのことですよ。

音楽や映画にそれほど興味の無い方でも、親しめる内容という事で、より広く世間に安田さんの世界をアピール出来るのではないでしょうか。
最近、街歩きや散歩をテーマにしたテレビ番組もありますし。
伝え聞いたところでは、早くも重版が決まったそうで。
おめでとうございます!
これまでの二つの著書も面白いですが、今回もまた別の切り口で大いに楽しませてもらいました。

今年の夏、とある映画館のレイトショーで安田さんと奥様に偶然出会ったときに安田さんから書き下ろしの本(内容については明かせないが)を執筆中ということを教えてくださいました。
今年は残念ながらラジオの放送が無かったのですが、この本の準備に全力投球だったのですね。

安田さんの文章の世界が好きです。
なんだかのんびりとした時間の流れを感じるのです。
気負いがない。
飄々とした風体のご本人そのものの。
背は高いが、腰は低いきさくなお方。
生まれ育った町の話なので余計に自然体な感じがするのでしょうか。
軽妙な文体で独特の視点で切り取られる神戸。
スニーカーをつっかけ普段着で、住み慣れた街を闊歩する文章。

神戸というと、ハイカラで洒落た港町をイメージするのですが、
生活者として内側から見た安田さんが綴る神戸はもっと複雑な感情が滲んでいます。
好き、嫌いを通り越した感情は誰しも故郷を持つ人それぞれに持つものです。
住む環境はその人の人格に多かれ少なかれ影響を与えます。
舶来の物と、古いモノが絶妙にブレンドされた街、神戸の60年代、70年代、80年代、90年代、そして21世紀。
安田さんのポップカルチャーへの広過ぎるほどの守備範囲は雑多な神戸の街で育まれたからだと思いました。様々なジャンルの音楽や映画を分け隔てなく楽しまれる大らかさ。
そして人格の形成に影響を与えたであろう神戸、激動の時代と共に移りゆくその街並みへの想い。

時の移ろいの中で消えてしまった思い出の店、場所を軽妙な文章で記憶に刻みこんで。
過ぎ去りし時代を惜しみつつ、今の生活をどっこい謳歌されている安田さん。
様々な角度から神戸での生活を楽しんでおられるのが判ります。

♪大好きな街だから~離れられ~ない~

まさしく帯に書かれている、“ガイドブックには載らない”ディープな神戸の世界を味わうことが出来るでしょう。

コラムなのでどこから読んでも良いのは過去の二冊と同じですが、
様々なテーマの下、
見開きの2ページ毎に一本分のコラムが掲載されており。
108本、同じリズムで一冊が貫かれているのが清々しい。
2ページの、それほど長くない文章ながら話が絶妙に展開されています。

思いつくままに、これまでの著作のように、気まぐれに捲ったページから読み進めていきます。

大阪へ越してきて、京都、神戸、奈良へときどき出かけるようになりました。
どの土地も訪れる程、奥の深い文化の局面に出会えます。
歴史を紐解けば、かつては関西が文化や政治の中心であった訳で、大変面白いです。

数年前の或る年の暮れ、大変光栄なことに安田さんのお宅にお邪魔させて頂きました。
ご自宅のあるマンションの近所の、本にも掲載されている『口笛文庫』という古本屋さんへも案内してくださいました。そこで一冊マンガを買いました。
近所にこんな古書店があったらいいなぁ、というPOPで理想的な楽しいお店でした。

他にも、この本に載っているお店ではグリル一平、丸玉食堂へ行きました。ウマウマウーでした。
それから様々な中古盤屋さん。
そして、安田さんがときどき参加されるイベントの開催地としてもお馴染み、旧グッゲンハイム邸。
塩風薫る塩屋の町にある瀟洒な洋館。

神戸は海と山に挟まれた、異国情緒溢れる街。

本の終盤ではこれまで語れることの無かった安田さんの生い立ちが街の変遷と共に語られます。
エッセイの一本一本に安田さんの生活やら青春が染み込んでいるからか、
短編集のごとき味わいです。
70年代の匂いが詰まったイイ話がいっぱい。
そこでは勿論、阪神淡路大震災(1995)の事も触れられています。

最近、神戸へ行ってなかったなぁ。
また行きたいな。
今日行こう。


という訳で、ご紹介しましょう。
内山田 洋とクールファイブの1972年のシングル『そして、神戸』。
以前から記事にしたかった大好きな曲ですが、まさに好機です。
言わずもがな、本の題名はこの曲の歌詞から着想を得ていますね。
安田さんらしい頓智が効いてます。
見事。
本の中でもこの曲についての文章が書かれています。
ほんと、この曲は凄いですね。
浜 圭介氏のブルージーでやさぐれたメロディ。
振られた女の恨みつらみを爆発させた千家和也氏の作詞。
煌びやかな神戸の景色とは無縁の絶望的な世界が堂々と展開されます。
ケレン味の効いたダイナミックな森岡賢一郎氏のアレンジ。
ハードに耳へ迫ってくるファズギターのオブリガードが唸ります。
そして前川 清のエグい歌唱。
当時20代半ば、パワフルな歌唱力を遺憾なく発揮して、聴く者をねじ伏せます。

ドラマティックな歌と演奏で物語に酔いしれること請け合いです。
完璧です。



失恋から束の間でも、ウソでも癒してくれる男を求めて・・・
自暴自棄な気持ちを代弁する前川氏のクドい熱唱が夜の港町に放射され、
クールファイブの個性あふれる男たちのムーディなコーラスに包まれて、
スケールの大きな大団円を感じさせるコーダが見事としか言いようがありません。
これでもかと言わんばかりに分厚いホーンセクションがシリアスに響き渡り、ドラムが乱れ打つ。
カッコいいですよね。
この終わり方、とっても好きです。
最後に、港に佇む女を神戸の街の夜景を背景に空撮から捉えているような。

ハードでアブノーマルなムード歌謡の底力を思い知らされる名曲ですね。
これでも演奏時間は三分満たないのが意外です。
凝縮された濃厚なクールファイブ・ワールド。

B面は『君を恋うる唄』。
一転して明るいムード歌謡。
『中の島ブルース』に通じる、美しい夕焼けのような魅惑のミディアムバラード。

最後に、『神戸、書いてどうなる』の表のカバーをめくると、表紙には今回のシングルと何か関係のあるイラストが映っているのですが、それは買ってからのお楽しみ、ということでひとつ!
おススメです。
書を持って、町へ(神戸)レディゴー。

またお家へお誘いくださいませ。


『そして、神戸』《JRT-125》〈作詞:千家和也/作曲:浜 圭介/編曲:森岡賢一郎〉(02’55’’)【1972】


神戸、書いてどうなるのか

神戸、書いてどうなるのか

  • 作者: 安田 謙一
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2015/11/26
  • メディア: 単行本



なんとかと なんとかがいた なんとかズ

なんとかと なんとかがいた なんとかズ

  • 作者: 安田 謙一
  • 出版社/メーカー: PRESSPOP INC
  • 発売日: 2012/12/12
  • メディア: 単行本



ピントがボケる音―OUT OF FOCUS,OUT OF SOUND

ピントがボケる音―OUT OF FOCUS,OUT OF SOUND

  • 作者: 安田 謙一
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本



ロックンロールストーブリーグ〜ステレオ! 〜これがロック漫筆 VOL.1〜(CDジャーナルムック)

ロックンロールストーブリーグ〜ステレオ! 〜これがロック漫筆 VOL.1〜(CDジャーナルムック)

  • 作者: 安田謙一
  • 出版社/メーカー: 音楽出版社
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: ムック



すべてのレコジャケはバナナにあこがれる。

すべてのレコジャケはバナナにあこがれる。

  • 作者: 安田 謙一
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 単行本



GOLDEN☆BEST deluxe 内山田洋とクール・ファイブ A面ヒット全曲集

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
  • 発売日: 2010/04/28
  • メディア: CD



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『甘ったれ/森 進一』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
ハイ、今夜も元気にブログを更新しましょう。

『ろくでなし』に続いては、『甘ったれ』。
森 進一さんの1978年のシングルです。
ジャケ写の森さんもなんだか気障というか、ボンボンって感じのお召し物ですね。
表情といい、服装といい、“甘ったれ感”が強いです。
イイですね。

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『花とみつばち/郷 ひろみ』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
岩谷時子さんを偲んで今回はこちらのシングルを。

郷ひろみさんの『花とみつばち』。
これも素晴らしいですね。
大好きです。

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『君をのせて/沢田研二』 [歌謡曲/70年代]

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こんにちは。
まずは“暦の上ではディセンバー”、と取りあえず云っておきましょう。

さて、
去る10月25日、作詞家の岩谷時子さんがお亡くなりになりました。
昭和を代表する作詞家の偉業を讃えて、拙ブログでもささやかながら大好きなシングルを紹介させてください。
僕が物心の付く頃、1970年代にはすでに歌謡界に於いて数多くの作品を残していました。
越路吹雪さん、加山雄三さん、園まりさん、ザ・ピーナッツ、ピンキーとキラーズといった子供の頃から聞き覚えのある昭和歌謡の名曲たち。
お茶の間のテレビから流れていた流行歌。
80年代当時、リアルタイムのヒット曲の良くも悪くも“軽い感じ”とはまた一線を画した、確固たる風格を岩谷作品に感じていました。
だから雲の上の存在という感じがします。
60~70年代の歌謡曲に興味を持ち出した大学時代、いろいろ聴き進めるうちに幼少の頃、テレビでの歌番組に流れていた、大人の歌手が歌っていた曲の素晴らしさを確認している中で岩谷時子作品も多く再発見しました。

という訳で、一番好きな岩谷時子さんの作品を。

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『女になって出直せよ/野口五郎』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
ラグジュアリー歌謡、まだまだ紹介して参りましょう!
〝帰ってきた、俺のラグジュアリー歌謡〟特集。
俺の、というコトでガイドブックでは紹介されていないシングルが続きます。
今回は70年代。
ディスクガイドでは70年代の作品も割合は低いですが紹介されていました。

ハイ、
ゴロンボ警部こと、野口五郎さんです。

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『男はつらいよ/渥美 清』 [歌謡曲/70年代]

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こんにちは。
新年早々に劇場で観た映画が「男はつらいよ」でした。
シリーズ第十五作「寅次郎相合い傘」(1975)。
尼崎は塚口、サンサン劇場の新春特別興行。
お正月映画と云えば寅さん。

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『恋の弱味/郷 ひろみ』 [歌謡曲/70年代]

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こんにちは。
拙ブログも今回が555回目の記事です。
ゴーゴーゴーズ オン!
糸居五郎です。
よく判りませんが。
とにかく、ご覧下さってありがとうございます。

そんな訳で、
「ゴウです!」

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『銀河特急/松崎しげる』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
前回の記事に続きます。

京都へ出かけたのは、他でもありません、
安田謙一さんのイベントへ参加する為でした。

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『お嫁に行くんだね/水原 弘』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
今夜は赴きを変えてウェディングソングを。
水原 弘さんで『お嫁に行くんだね』です。
さぁ、水原さん張り切ってどうぞ!

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