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歌謡曲/60年代 ブログトップ

『緋牡丹博徒/藤 純子』 [歌謡曲/60年代]

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ご一統さん、御控えなすって。
お晩で御座います。
手前、生国は遠州に御座います。
遠州と申しましても些か広う御座いますが、此処は個人情報の保護って奴で端折らせて頂きやす。

橋の傍に建つ酒屋の二男に生まれ、姓名は都市色と発します。
遠州を遥か西へ遠く離れ、何の因果か現在は泉州に流れ着きました。
趣味は映画観賞、音楽鑑賞。
趣味が高じてレコードを集めておりますが、
四十を過ぎても未熟な駆け出し者でござんす。
以後、万事万端、宜しくお頼み申します。

今宵、しがないブログを久方ぶりに更新いたしやす。


なーんて。

行きつけのミニシアター、シネ・ヌーヴォで特集『生誕100年 映画監督・加藤 泰の仕事』を観てきました。
50~60年代、東映を中心として時代劇や任侠モノのプログラムピクチャー作品で数々の名作を撮った名匠。
今回上映された26本のうち、10本ほど観ました。
仕事が無ければもっと沢山観られたのですがどれも面白かったです。
監督の作品を初めて観たのは、90年代の終わり頃、東京は京橋のフィルムセンターでの恒例企画、『逝ける映画人を偲んで』という記念上映会でした。
その頃にお亡くなりになった中村錦之介さん、渥美 清さんを追悼してお二人の出演作の『沓掛時次郎 遊侠一匹』を観ました。
その作品の映像美、抒情的な演出の素晴らしさに息を飲みました。
フィルムセンターの大きなスクリーンで観られた感動。
その後、池袋の文芸坐で『幕末残酷物語』を観たり。
この作品でも主演を務めてる大川橋蔵さんは僕の母もファンなので『風の武士』『炎の城』もビデオで観たり。
今回の特集では上記の時代劇よりも、スケジュールの都合で結果的に任侠モノを多く観ることが出来ました。

その中で60年代末期の人気シリーズ『緋牡丹博徒』全8作の中から、監督が担当した3本『花札勝負』(1969)、『お竜参上』(1970)そして『お命戴きます』(1971)を観賞。
熊本の侠客・矢野組二代目組長・矢野竜子、通称《緋牡丹のお竜》による日本各地での修行の旅を描いた物語。主演は藤 純子、現在の富司 純子さん。
任侠道のしきたり、しがらみの中で愛と正義を貫こうとする女一匹の凛々しさ、美しさが半端ありません。
着物姿の艶やかさ、結った髪の清らかさ、大スクリーンに映える美貌。当時20代前半の瑞々しさが感じられます。そして殺陣の立ち回りのカッコよさ。
賭場の場面で花札を張るときの貫録。完璧です。
熊本弁もグッときます。
勿論、場面場面で監督お得意のローアングルでの迫力の映像、シャープなカット割り、シンクロ録音の効果が遺憾なく発揮されています。
味わい深く個性的なキャストの達者な演技(沢 淑子、汐路 章 等)、リアルで緊迫感のある物語の中、随所に挟まれるユーモア(若山富三郎 等)、お竜を助太刀する人気俳優(高倉 健、菅原文太、鶴田浩二)との勧善懲悪に則った展開。
なにより加藤 泰監督の一般庶民への愛情、体制への怒りが一貫しています。
大衆娯楽の髄を極めたプログラムピクチャーの鑑。

前書きが長くなりましたが、そんな訳で今回取り上げるシングルは『緋牡丹博徒』シリーズの主題歌。
唄うは勿論、藤 純子。
劇中に何度も流れてきます。
因みに“緋牡丹”はお竜の背中に掘られた刺青の模様なのですが、加藤 泰監督の三作では着物の片方を肌けさせてそれを披露するシーンは御座いません。


主題歌を手掛けるのは劇伴の巨匠・渡辺岳夫氏。
作曲だけでなく作詞も担当しています。

 ♪ 娘盛りを 渡世に賭けて 張った体に 緋牡丹燃える
  女の 女の 女の意気地
  旅の夜空に 恋も散る



初めて聴いたのに聴き馴染みのある演歌の定型に即したマイナーメロディ。
まるでどの作品に出ても、健さんは男気溢れる健さんみたいに揺るぎない安定感。
藤さんの歌唱は少々安定感に欠けますが堂々としています。
それもご愛嬌。
女は愛嬌。

B面は『たった一度の恋』。
ひとりGSと言えなくもない、マイナー調のリズム歌謡。
コチラも作曲は岳夫先生。
作詞は豊野弥八郎氏。
A面B面とも編曲は薊 けいじ氏。
藤さんの歌唱力の不安定感がさらに激しくなっており、聴いていて緊張感が絶えません。

「お竜、危ない!」

藤さんは『緋牡丹博徒 お命戴きます』公開後に歌舞伎俳優の尾上菊五郎さんと婚約発表、同時に芸能界の引退を発表。
緋牡丹博徒シリーズは8作目で完結し、1972年に『関東緋桜一家 』で引退します。
女優『藤 純子』名義としては最後になりました。

現在女優として活躍されている長女の寺島しのぶさんは藤 純子さんにやはり似ていますね。


話は加藤泰の映画に戻って、

時代劇や任侠モノ以外では、江戸川乱歩原作の『陰獣』もサイコーでした。
乱歩ワールドを見事に映像化してました。
ノワールな犯罪映画の『みな殺しの霊歌』も実に問題作でした。山田洋次氏が脚本に参加していて、お二人の世界が独特にミックスされていました。
遺作となる幕末モノの『炎のごとく』も監督のパワーに溢れた内容でした。


こぎゃん訳で、加藤 泰監督の作品ば沢山観て、頭ン中が感動の渦でグルグル回っとるとです。
と、唐突に熊本弁で終わる。


『緋牡丹博徒』《SV-1042 》〈作詞・作曲:渡辺岳夫/編曲:薊 けいじ〉(03’52’’)【?】



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『元禄名槍譜 俵星玄蕃/三波春夫』 [歌謡曲/60年代]

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こんばんは。
前回の元春の記事もそうですが、
シネコンで、コンサート映像を上映する機会が増えていますね。
別に今に限ったことではないですが、シネコンの高い音響設備と現代の映像技術が効果的に利用されていますね。
コンサートのみならず、演劇・オペラ・ミュージカルなどの舞台芸術もシネコンで上映されています。

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『全国縦断 追っかけのブルース/クレイジーキャッツ』 [歌謡曲/60年代]

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こんばんは。
寒いね。
今年もあとひと月になってしまいました。
時間の流れは速いですね。

さて、今回は先日お亡くなりになられたクレイジーキャッツのピアニストそして俳優の桜井センリさんを偲んで。
全国縦断追っかけのブルース 』です。

僕もクレイジーキャッツは大好きでした。
音楽も映画も。
大学時代は大井町武蔵野館や浅草東宝とかで特集を何度も観に行ったり。
今回のシングルは1970年にリリースされ、バンドとしては比較的後期の作品ですが、個人的にも、クレイジーキャッツで大好きなシングルの一枚。

この物語は、過ぎ去った愛を求めて、南から北へと果てしない旅に出た七人の男の旅の遍歴の記録である

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『愛のさざなみ/島倉千代子』 [歌謡曲/60年代]

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オハヨウゴザイマス。
そんでもって、「愛のさざなみ」です。
カーネーションによるカヴァーのオリジナルも取りあげない訳にはいきますまい!

島倉千代子さんの歌手生活15周年記念シングル。
浜口庫之助氏によるロマンティックな珠玉のラヴソング。

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『月夜にボサノバ/中尾ミエ』 [歌謡曲/60年代]

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こんばんは。
今宵は美しい月が見えます。
清かな夜風に吹かれ、雲ひとつない闇夜に浮かぶ秋の名月。
ああ、世界は美しい。

拙ブログではこの時期になるとときどき「月」に関するシングルを取りあげたりします。
といっても久しぶりになりますが、このシングルを。
中尾ミエさんの「月夜にボサノバ」。

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『粋なうわさ/ヒデとロザンナ』 [歌謡曲/60年代]

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こんにちは。
今回も筒美京平さんの作品を。
ヒデとロザンナの「枠な粋なうわさ」です。
出門 英さんと、イタリア人女性のロザンナさんによる夫婦デュオ。
1969年のシングル。
作詞はお馴染み,橋本 淳さん。

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『西銀座五番街/西郷輝彦』 [歌謡曲/60年代]

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こんばんは。
前回の記事に引き続いて、エレキ歌謡にいってみましょう。
エレキで暗い世相と寒さを吹き飛ばせ!
無理。

欧米のエレキギターを主体としたインストゥルメンタルを強引に、歌謡曲のフォーマットに取り込んだ「エレキ歌謡」。

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『恋する瞳(L'amore ha i tuoi occhi)/伊東ゆかり』 [歌謡曲/60年代]

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こんばんは。
今月は春をテーマにシングルを紹介していますが、
カンツォーネの美しい歌を取り上げてみたいと思います。

唄うのは伊東ゆかりさん。
和製ポップス歌手の草分け。

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『太陽は泣いている/いしだあゆみ』 [歌謡曲/60年代]

こんばんは。
ジャーン(意味無し)!
前回のひろさんのシングルのジャケの答えです。
それは、いしだあゆみさんの名曲『太陽は泣いている』《LL-10058-J》です。

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