『土曜の午後のロックン・ロール/弾 ともや』 [邦楽ロック/70年代]
ヘイ!
土曜だぜ!
土用じゃないぜ!
週末の袋小路ブログ、《土曜日のシングルたちへ》だぜ!
今回は、弾 ともやさんの『土曜の午後のロックン・ロール』さね。
ジャケットの“クリスタル星からやってきた16才のロックンローラー!”
というキャッチフレーズがいきなり熱いぜ!
このシングルが発売された1974年当時のデヴィッド・ボウイやTレックスあたりから直撃を受けた我が国のレコード会社がロック志望のティーンエイジャー(大阪市港区生まれ)に影響を受けたまんまに無茶ぶりな設定を与えました。
透明のボディのギターをスケルトンなアンプへ、ダイレクトにジャックイン!
そのアンプから流れるロックンロールがコレ!
井上忠夫先生による作曲、
チャック・ベリー直系のロックンロールにアレンジャー馬飼野俊一氏の過剰にグリッターなアレンジがさらにケレン味を添えます。
井上先生と言うとグラム歌謡がお得意ですが、この曲はそれほど強いグラムっぽさは感じられません。
軽快なドラミングに続いて、いかにもなフレーズのギターソロとホーンセクションの絡みでの一気呵成な盛り上がりから一転ブレイク、
間を置いて、
ギター一本で静かに歌いだす弾さんの仕切り直しで始まる本編の演奏。
実にドラマチック。
そして気鋭の作詞家、阿久 悠先生の綴る週末のカップルの青春模様。
土曜日に何かが起こるのは“夜”ばかりじゃないぜ!
半ドンの午後にだってハプニングなんだぜ。
免許を持ってないので電車で出かけるところが、何ともおぼこいくてくすぐったい。
ラストの ♪ みじかい土曜日 のリフレインが切実に響きます。
若い血潮が滾ります。
若々しい弾さんの歌声が弾みます。
ちょっと爽やかな不良っぽい歌声がイイですね。
因みに好きなアーティストは《ロッド・スチュアート》。
新緑が眩しいこの季節にお似合いな青春歌謡です。
B面は『涙のバースデイ』。
三連のロッカバラード。
A面と同じ布陣による楽曲。
イントロのタメの効いたドラミングがとっても好き好き!
A面と同じ人が叩いていると思われますが、誰なんでしょう。
巧いですね。好きです。
きっと君は来ない
一人きりの誕生日。
必ず今夜なら言えそうな気がしたって言う感じの愛の告白ラブソング。
何だか他人ごとぢゃないぞ。
エルヴィスの『I need you I want you I love you』 を髣髴させる切ないメロディ。
弾さんの Ah! Ah! Ah! Ah! の声が半分セクシー。
間奏の語りの演技が半分青い。
フィリップス(日本フォノグラム)から発売されたこのレコード、
当時としてはとても洋楽っぽいセンスだったと思います。
そこがフィリップスらしいというか。
フランスギャルやウォーカーブラザーズを日本盤でリリースしていました。
弾 ともやさんはこの次のシングル『青春の日のマリー』も出しますが鳴かず飛ばず。
1976年にローズマリーというバンドに参加、
これもイマイチで、
その後、生沢祐一名義で活動再開、
主にビーイング系の仕事で様々なユニットやプロジェクトでヴォーカリストやソングライターとして現在も精力的に活動中です。ちょい悪オヤジな風貌が若き頃の面影を残しています。
凄いですね。
40年以上も音楽活動を続けているのが才能の証だと思います。
この音楽の力、弾さんさんは本当にクリスタル星から来た人なのかもしれません。
う~ん、ミラクル!
では、はばないすさたで~!!!
ロックンロール!
『土曜の午後のロックン・ロール』《FS-1793》〈作詞:阿久 悠/作曲:井上忠夫/編曲:馬飼野俊一〉(03’13’’)【1974】
タグ:土曜日のシングルたちへ。
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