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『Figure of Eight/Paul McCartney』 [BEATLES]

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押忍(オッス)!
コンバンハ。
ポール・マッカートニーデス!

という訳で、
桑田さんの次はポールさん。
日英のポップスター繋がり。
パッチン、パッチン。

8月の最後を飾るのは『Figure of Eight』。
今年の春先にこの曲を収録しているアルバム『FLOWERS IN THE DIRT』のデラックス盤が発売されました。
近年ポールが推し進めている過去のディスコグラフィのアーカイブ・シリーズの一環。

1989年の6月にリリースされた通算8枚目のソロアルバム(ウィングス名義は除く)。
僕がリアルタイムで初めて買ったポールのオリジナルアルバムでもあります。
1987年にビートルズの公式のアルバムが一挙にCD化されました。
それを機にビートルズを続々と聴き始め、さらにポールのソロ時代も聴こうと当時出た彼のベストアルバム『All The Best』にも手を伸ばしました。
当時、『夜のヒットスタジオ』にも衛星中継で出演してましたね。
『Once upon a long ago』を歌ってました。
ベスト盤で70~80年代の軌跡をおおまかに辿った後での『FLOWERS IN THE DIRT』。
これまでの代表曲に見劣りしない楽曲たち。
期待にそぐわぬ、いや、期待以上の素晴らしいアルバムでした。

80年代中盤はあまり華やかな活動が見られませんでしたが、前作の『Press to Play』以来3年ぶりの新作は豪華なミュージシャンが参加しています。
トレバ―・ホーン、ニッキ―・ホプキンス、エルヴィス・コステロ、デヴィッド・ギルモア、デヴィッド・フォスター、ジョージ・マーティン、ミッチェル・フルーム、クレア・フィッシャー等々。
そしてこのアルバムのでの特筆すべきことはすでに名前を挙げたエルヴィス・コステロとの共作。
前作でも10ccのエリック・スチュアートと共作していますが、コステロとのコラボは丁々発止だったようです。
その結果お互いのアルバム作りに良い結果をもたらしました。
今回のデラックス・エディションにはふたりで作った曲のデモ音源が収録されています。
そしてもうひとつ、このシングルのジャケットに映っているポールやリンダ以下の面々。
クリス・ウィッテン、ヘイミッシュ・スチュアート、スティーヴ・リプソン等々。
レコーディングのセッションに参加した主なメンバーたち。
ヘイミッシュは元アベレージ・ホワイトバンドのギタリストでした。
豪華なゲスト陣も参加していますが、基本的に固定化したミュージシャンとのパーマネントなセッションで作り上げられたレコーディングはまるでウィングス時代を髣髴させます。いや、ウィングス以上かも。ウィングスはバンド名義ではありましたが実際のメンバーはポールとリンダとデニー・レインのみで固定化していたとは言えません。

ビートルズ時代を思わせるような楽曲と、ウィングス時代に負けないバンド体制で作られたアルバム、まさにポールの理想がこのアルバムで再び結実したのではないでしょうか。
このアルバムリリースを機にウィングスの70年代以来の世界規模でのコンサートツアーが再開します。このアルバムでのレコーディングメンバーを率いて。
ポールの新しい黄金時代の幕開けを感じた16歳の僕でした。

と、前置きはさておき。
今回紹介するのは『Figure of Eight』。《8の字型》、転じて無限“ ∞ ”を意味する言葉でもあります。
まるで果ての無い円環の中に迷い込んだ様に恋に落ちた男の心境を女性に訴えかけるシリー・ラブソング。ポールの単独のオリジナル曲。
少しテンポを落とした重厚なビートがカッコいいロックナンバー。
ギターのリフも渋いです。
ポールのキャッチ―なメロディも光ります。
曲の終わりのブレイクで爆発するパンチのあるシャウトも聴きどころです。
実はアルバムに入っている演奏のテイクとは異なり、
演奏時間も長いです。
アルバムでは3分半ですがシングルは5分以上。




みんなと演奏するのがホントに好きなんだなぁ、生粋のバンドマンなのだというのが画面から伝わって来ます。
1990年に開催されたワールドツアーではオープニングで演奏されました。
アルバムはトレバ―・ホーンとの共同プロデュースですが、シングルバージョンはクリス・ヒューズとの共同プロデュース。

B面は『OU EST LE SOLEIL?』。
邦題は『太陽はどこへ?』。
こちらもアルバムの収録曲でラストナンバーでした。
トレバ―・ホーンとスティーヴ・リプソンとの共同プロデュース。
シンプルなフレーズを繰り返すテクノなダンスナンバーでトレバ―・ホーンの嗜好が前面に出た感じ。
そういえば、最近トレバ―・ホーンが日本のアイドルの楽曲を手掛けたりアニメの音楽を手掛けたり、意外な所からその名前を耳にしました。

今回取り上げた『Figure of Eight』のシングルは7インチ盤ですが、
それ以外にも12インチ、そしてCD版など沢山あるようです。持ってませんが。

デラックス盤で久しぶりにこのアルバムを聴きましたが、やっぱり素晴らしいアルバムでした。
このアルバムが出たときはポールは47歳。
まだまだ上り坂。
今の僕より少しだけ年上ですが、その旺盛な創作意欲に恐れ入ります。
バリバリ伝説です。
ちょっと何言ってるか判んない。

見習わなくては。

愚麗都!!

押忍!!

『Figure of Eight』《2036037》〈Written by Paul McCartney〉(05’16’’)【1989】


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  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2017/04/19
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  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
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『遠い街角(The wanderin' street)/桑田佳祐』 [桑田佳祐]

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こんばんは、
今回も引き続いてプロモシングル盤特集。
NOT FOR SALE》にも関わらず手に入れてる奴。

ご紹介するのはこの方、桑田佳祐さん。

くちづさんでるのは、彼です。

現在絶賛ソロ活動中の桑田さん。
先週にニューアルバム『がらくた』が出ました。
残念ながらまだ買ってないです。
近いうちに絶対買います。
そんな桑田さんも、
1987年の10月6日に出た『悲しい気持ち(just a man in love)』からあとひと月ちょっとで、めでたくソロ活動30周年(ちなみに『悲しい気持ち』をブログの記事にしたのは10年前の8月28日。拙ブログタイトルの『03’54’’』はこの曲の演奏時間である3分54秒に由来しています。)。
30年前の今頃は桑田さんの初のソロシングルを心待ちにしていた中学二年生でした。
早いモノです。
『悲しい~』、続いて翌年の1988年の春に『いつか何処かで』をリリース後に満を持して同年の7月9日に発表されたのが初のソロアルバム『Keisuke kuwata』でありました。
サザンの久々のシングル『みんなのうた』リリースから約二週間後のコト。
これまでのサザンやKuwata Bandとは異なる、音が聴こえました。
バンドの顔、フロントマンでありメインソングライターであり、ヴォーカリストである桑田さん。
当時32歳。
これまでキャリアと一線を画し、バンド活動と差別化を図るべく当時の名うてのプログラマーと新進気鋭のアレンジャーを起用してプロフェッショナルに完璧主義に徹して作り上げたアルバム。
音楽が好きになり始めた15歳の少年には衝撃的でした。
桑田さんが一人のリスナーとして国内外の様々な大衆音楽から受けた多大なる影響を咀嚼して再構築した12曲。
ポール・マッカートニーやスティーヴィー・ワンダーやバート・バカラック、キャロル・キングなどの色褪せることのない豊かなポップ・ミュージック成分が桑田さんのこのアルバムには強く感じられます。
これまでこのアルバムをもう何度聴き返したでしょう。
脳内で再生できるほど。
桑田さんの過去のソロアルバムはどれも好きですが、やはり思い入れではファーストが一番ですね。


という訳で、今回ご紹介するのはアルバム『Keisuke kuwata』からのプロモーションシングル『遠い街角(The wanderin' street)』。
恐らく、このプロモ盤はアルバムリリース後の1988年の秋ごろ、10月か11月頃に出たものと推測します。
何故なら当時この曲が富士フィルムのCМに起用されていたから。



昔ポスターも持っていました。
写真屋さんにお願いして貰ったことがあります。
コピーは『シャッターチャンスが多い人生っていいよね』だったかな。

バート・バカラックの『Close to you』を髣髴させるような鍵盤の響き。
アルバムの終盤を飾るノスタルジックなバラード曲。
『若い広場』に集っていたあの頃へ。
甘美な青春時代を思い出しつつ、もう頃には戻れない苦さ。
サザンの『Ya Ya』に通じるものがあります。
胸を焦がす桑田さん必殺の美メロが炸裂しますが、サザンでのムードとはやはり何となく違うのですね。
ちょっと畏まった感じ。二枚目感が強い。
音作りの名シェフ、小林武史さんと藤井丈史さんの《Wたけし》のスマートなアレンジも冴えまくります。
そしてゲストとしてコーラスに竹内まりやさんが参加しています。
桑田さんは青学だし、まりやさんは慶応だし、キャンパスで青春を謳歌した者同士のリアルなフィーリングが歌に籠っていると思います。まりやさんの生粋のオールディーズなノスタルジック成分が甘酸っぱく楽曲をさらに切なくしています。
そしてご両人とも大学時代から軽音サークルで活動していて、あれよあれとレコードデヴューしてしまった者同士。
アコースティックギターはKuwata Bandの河内淳一さんが弾いてます。
歌詞の中にあるように、これからの秋に聴くのがピッタリな曲です。

B面は『ハートに無礼美人(Get out of my Chevvy)』。
ブラスが嵐のように吹き荒れるジャジ―でワイルドでノワールなサウンド。
桑田さんの日本語の四文字熟語と英語のチャンポン技が効いています。
曲の間奏で♪ Heavy Heavy Heavy と唄うトコロがありますが、これはビートルズの『I want you』から着想を得ているそうです。

確かこの二曲は当時『夜のヒットスタジオ』にて桑田さんが歌っているところを観たことがあります。
また観てみたいなぁ。

来年の2018年はこのファーストソロアルバムのリリース30周年。
出来ることならデラックスエディションを出して欲しいなぁ。
本作のデジタルリマスターにボーナスディスクとして、1988年の夏、サザンの三年ぶりの全国ツアー『大復活祭』のライヴでの桑田さんのソロのライヴパートだけを抜粋した映像をソフト化して欲しなぁ。
ソロライヴパートは豪華ミュージシャンがバックで演奏していた筈。
小林武史さんも鍵盤を弾いてたし、樋沢達彦さんがベースでドラムは古田たかしさんでした。
当時ライブでのモニターで映像にしているので今も残っているなら観てみたいです。

桑田さんは達郎さんほど過去のカタログのアーカイブ化には熱心じゃないのであんまり期待は出来ないけど。
それより早く『がらくた』を買って聴かなくちゃ。

何より未だに日本のポップスの最前線で健全にやんちゃを繰り返している桑田さんには感謝なのです。


『遠い街角(The wanderin' street)』《SEP-27》〈作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:小林武史、藤井丈史、桑田佳祐〉(04’03‘’)【1988】



KEISUKE KUWATA

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2001/06/25
  • メディア: CD



TOP OF THE POPS

TOP OF THE POPS

  • アーティスト: 桑田佳祐,KUWATA BAND,SUPER CHIMPANZEE,丸山明宏,サザンオールスターズ応援団,小林武史,小倉博和,片山敦夫,島健
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2002/11/27
  • メディア: CD



がらくた (初回生産限定盤A)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: CD



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『最後はヌード/青山陽一(アナログ盤)』 [邦楽ロック/90年代]

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おハローございます。

昼間は暑いですが、夜間は少し涼しくなってきましたね。
一年で一番好きな夏の終わりが始まります。

前回前々回に続いて、プロモのアナログ盤を紹介する、のコーナー!

今回は青山陽一さんの『最後はヌード』。
この曲も前回同様過去にブログで取り上げてます。
調べたら、2007年の8月29日でした。これもほぼ10年前。
2度も取り上げたくなるくらいに大好き。
先述の通り、非売品のレコードで当時の青山陽一さんのメジャーでのファーストシングル『最後はヌード』とファーストアルバム『So far , so close』とを買って、それに付いている応募券をはがきに貼って送ると抽選で当たる商品なのでした。
僕は応募締め切り後にそれらを手に入れて、応募し損ねました。
後で知って地団太を踏んでツイストするくらいに後悔しました。
永い間ずっと探していたのですが、今年の春先に大阪のディスクユニオンで幸運にも手に入れました。
中古のシングル盤の売り場で。
盤質はあんまり良くないですが、入手できたことの喜びに胸がいっぱい。
こういう偶然手に入れる快感が味わいたくて、中古盤屋でサクサクするのです。
滅多にありませんが。

「まぁー世の中ね、興奮する事ってたくさんありますけど、一番興奮するのはずっと探してたレコードを見つけたときだね。」
「間違いないね!」

そんな訳で、アナログシングルの『最後はヌード』。
興奮してきたなぁ。
ジャケットはCD版と色が異なってます。
そして収録曲も変更があります。
CDはマキシシングル仕様で3曲入りでしたがアナログは4曲、コンパクト盤(EP)仕様。

A面一曲目は勿論『最後はヌード』。
青山さんの代表曲と言っても良い作品、彼の非凡なソングライティングの真骨頂。
ユニークなのはメロディのみならず、歌詞もちょっと地味に変。
読んで行くと、結婚していて配偶者を殺して保険金を手に入れた男に死んだ妻が化けて出てきた話?
なのかなと推測。保険金殺人の話っぽいですが、違うかなぁ。
勿論歌詞にはあからさまに《保険金》とか《妻》とか《殺し》とか出てこないですが。

ふ~む。

https://youtu.be/cU38S09lM2k

A面2曲目は『ベッドが走る』。
これもアルバム『so far , so close』に収められてます。
これも捻くれたコード進行とブルージーな演奏の妙にハマります。
内容は地下鉄で居眠りしてしまう人たちのお話、だと思われます。
この曲も好きです。
確か『喫茶ロック Now』のコンピにも収録されてたのではないでしょうか。

B面の1曲目はライヴ音源から。
まずは『million miles long hair』。
長髪にもほどがある。
アルバム『one or six』に収録されている曲。
1999年の2月11日にNHK 505スタジオでのライヴの模様を収録、同局のFMラジオ番組『ライブビート』でも放送されています。
幻想的でロマンチシズムに溢れる曲です。
この曲も良いですよね。
バックで演奏するBluemountainsも素晴らしい。
上記の3曲は2015年に出た青山さんのアンソロジー盤『Quarter Century Of Odrelism 』にも収められています。

2曲目はストーンズの『Jumping Jack Flash』のカバー。
青山さんのギターと青木孝明さんのベース、伊藤隆博さんのフェンダーローズそして打ち込みのリズム。ストーンズのオリジナルはアップテンポのロックンロールですが、フォービートのブルーズにアレンジされてます。

奇しくも昨日、8月26日はバースデイでした。
おめでとうございます。
同時に直枝政広さん、曽我部恵一さんのバースデイでもあり三つ巴でめでたいです。
天才的なソングライターが生まれた日。
てなわけで、
54歳になってますますブルース道に邁進されてる青山さん。
今年こそはニューアルバムを期待します。
また大阪でもライヴを希望します。

『最後はヌード(single version)』《PSEP-1348》〈作詞・作曲・編曲:青山陽一〉(04'38'')【1999】


Quarter Century Of Odrelism (1990-2015)

Quarter Century Of Odrelism (1990-2015)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2015/05/20
  • メディア: CD



SO FAR,SO CLOSE

SO FAR,SO CLOSE

  • アーティスト: 青山陽一
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 1999/01/21
  • メディア: CD



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『easy rider/深田恭子』 [邦楽女性アイドル/90年代]

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どーも、どーも、こんばんは。
『03’54’’』の時間の時間の時間です。

暑いですね。

ところで、今日は何の日?

 ♪ きょおは なんのひ フッフ~

わっかんないだろうなぁ。

ハイ、今日、2017年8月25日は、ブログ『03’54''』が開設されて10年目なのです。

忘れもしない、10年前!(欽ちゃん風に)
2007年の8月25日の夕方、三重県の山奥のアパートの一室でブログの第一回目を更新したのでした。

と、まぁ、何とどうでもいいコトなんでしょう。
おっさんのブログデヴューなんて。
何のありがたみもありゃしない。
実に些末。
アメーバブログの芸能記事くらいに些末。

どーもすみません。

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絵もない
花もない
歌もない(ことはない、いや、ある)
飾る言葉も洒落もない
そんな居酒屋みたいな場末のブログ。

だからどうした。

まぁ、とにかく十でとうとう10年目ですコノヤロー。
これまでに1020回の記事が更新されてきました。
一年だと平均102回。
三四日に一回くらい更新している訳ですコノヤロー。

振り返りますと、
この十年で音楽メディアをめぐる状況は大きく変わりました。
シングルにさまざまな付加価値をつけて、何種類も発売する手法は2007年前後位から広まった気がします。
AKBを始めとするアイドル系に多かったですね。あの頃僕も沢山買ったなぁ。青かったなぁ。
やがてCDの売り上げも低迷。
そして徐々にレコードブームも過熱し始めました。
アナログでシングルを出すミュージシャンやアイドルが増えました。
10年前には想像もしませんでした。
あの頃なら安く手に入ったレコードも段々プレミアが付いて買えなくなって来ました。
特に和モノやアニメソングは高くなりましたね。
高騰する前に手に入れといて良かったとホッとしています。
日本には一つしかなかったレコードのカッティング工場でしたがソニーが再びレコードの自社製造に乗り出して製造工場を設立したり、まさに時代は変わる。
10年ひと昔。

まぁ、御託はともかく。
三重からさらに西へ流れ、流れ着いて大阪でまだブログを続けている有様。
時代遅れな奴でござんす。

こんなしょーもないブログにお付き合い下さる方には只感謝です。


さて、
このブログで最初に取り上げたのが深田恭子さんの『イージーライダー』でした。
今でも大好きです。

哀しいかな、これまで取り上げてきたシングルの中にはあの頃には好きだったのに今では魅力を感じられなくなってしまった曲も少なくありません。
でも『イージーライダー』は違います。
今聴いても、そのたびに新鮮な感動が湧いてきます。
この季節に聴くとさらに心に涼風が巻き起こります。
返す返す名曲。
熱い胸さわぎです。
という訳で、『イージーライダー』再び。
初心忘るべからず。

今回ご紹介するのは、シングルの12インチアナログ盤です。
これはプロモーション限定に制作された非売品。
前回の小林武史さんのシングルもプロモ盤でした。

12インチという事で縦横30センチの大きなジャケットです。
ジャケットもCDとは異なる写真が使われています。
こちらのジャケットもキャワイイです。
裏面にCDと同じ写真が写っています。


内容は同じで、
A面にオリジナルバージョンとそのカラオケ。
B面にはDJ SOMAによるリミックスとそのカラオケ。

特筆すべきは、その音質です。
レコードの音のチカラがグンバツに轟きます。
最高です。

クラブで大音響で流れたら幸福だろうなぁといつも思います。

このシングルが出たときの深田さんは17歳。

あれから幾年月が流れました。

年齢のことを言うなんて野暮ですが、今でも変わらない可愛らしさを保っているのには驚きです。
近年はグラビアにも積極的で、十代の頃には控えめだった水着姿での露出も惜しみなく。
魅惑・シェイプアップな悩ましい肢体で写真集もバカ売れ。
実に素晴らしいですね。
ドラマに映画にCМ、そして舞台に大活躍。
攻めてますよね。
ワイルドで行こう、だぞっ。
Born to be Wild !!



『イージーライダー』での歌詞の女の子のように、思い切って前に踏み出すような衝動的な魅力を感じずにはいられません。
そんな深田さんだからこそのこの曲なのでしょう。
この歌詞を作ったのは黒須チヒロさん、後から考えたら東京女子流の『鼓動の秘密』などを手掛けてますよね。どうりで。ガッテン!

そういえば、二年前に深田さんが出演したミュージカルを観に行きました。
『100万回生きたねこ』です。
ミュージカルですから当然歌があります。
彼女の歌唱を聴くためにシアターBRAVA!へ行きました。
可愛かったし、歌も良かったし、カーテンコールでの挨拶もしっかりしていて、
ますます魅了されてしまいました。

深田さんにはまた片手間でもいいので歌って欲しいです。
その愛らしい声で。

それまでまたブログを更新して行きましょう。

それではご一緒に、

Yes, We Are Singles !!


『easy rider』《LSP-1018》〈作詞:黒須チヒロ/作曲・編曲:深沼元昭/ストリングス編曲:Jun Asahi〉(04’56’’)【1999】


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『Water Colour/小林武史』 [邦楽ロック/80年代]

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こんばんは、8月に紹介している夏のシングル。
8番目は小林武史さん。

小林武史さんというと、ミスチルを始めとして、マイリトルラバー、salyu、桑田佳祐、などなどのプロデューサー/アレンジャーとして大変有名ですが、80年代終盤に短い期間ですがソロシンガーとして活動していたことを知っている人はそれほど多くは無いと思います。
ミディから二枚のアルバムと二枚のシングルを残しています。
何を隠そう僕はその時代の彼の音楽のファンであります。
なんというかMIDIの最期の貴公子というのか。
なんのこっちゃ。

僕は桑田さんの1987~1988年のソロ活動でアレンジャー/共同プロデューサーとして参加したことを通じて知りました。桑田さんのあの時のシングルやアルバムの洗練されたサウンドには驚きました。
その後、サザンや大貫妙子さんのアルバムにもアレンジャー/プロデューサーとして名を連ねます。
その頃に小林さん自身もソロ活動を開始されて、興味を持って聴き始めました。
ファーストアルバム『Duality』は期待通りに素晴らしいアルバムでした。

マイリトルラバーや、小泉さんの『あなたに会えてよかった』でお分かりの通り、小林さんのメロディメイカーとしての才能は半端ありません。
そしてシンガーとしての魅力。
学者の様なルックスに相応しいクールで聡明な歌声。
シリアスで透明感のある繊細なメロディにピッタリなヴォイス。
緻密で風通しの良いアレンジ。
うたものとして十分に聴き応えありです。

今回ご紹介するのは1989年にリリースされたシングル『Water Colour』。
セカンドアルバム『Testa Rossa』からの先行シングル。
シングルとしては最初の作品。
これはプロモーション用のアナログシングル盤。
市販されているのはCDシングルのみです。
当時買ったCDシングルを持っていたのですが、どこかへ行ってしまいました。
という訳でジャケットはいかにもプロモ盤って感じの味気ないデザイン。
涼しげなミントグリーンが色に使われているところだけはグッドです。

A面は『Water Colour』。
この曲はジャケットにも書かれていますが、当時富士フィルムのコマーシャルソングにも使用されました。井森美幸さんが出ていました。
水彩画のように淡く優しいシンセの音色がゆらめき、小気味良いミディアムテンポの打ち込みのリズムが淡々と刻まれます。
心地よく涼しい部屋の窓を通して、燦々と輝く夏の風景を眺めている感じ。
清涼感のあるメロディに乗って、過ぎゆく暑い夏をクールな歌声で惜しむ。

B面は『夏の午後』。
これは90年代、俳優の大浦龍宇一さんが歌手としてシングルをリリースしたときのこの曲をカバーしていました。
晩夏に捧げる美しいバラード。
8月の日差しの強い真夏の午後の気怠く退廃的なムードが如実に立ち上って来ます。
じっとりと汗ばむような映像が心にフラッシュバックしそうに。
静謐さを湛えたアレンジの響き、逃げ水を追い求める様なせつなさ、儚さが歌にメロディに滲んでいます。
佐橋佳幸さんの12弦ギターの演奏も素晴らしい。




こちらは珍しいライヴ映像。
インタビューのバックで流れているのが『Water Colour』です。



小林武史さんの二枚のアルバムは現在どちらも廃盤なのが残念です。
後者の方は原 由子さんがその年のベストアルバムに選んでいましたよ。
90年代以降の華々しいプロデューサー活動にばかり耳が向いてしまいますが、
またソロ活動を再開して欲しいと思っているのは僕だけなのでしょうか。
そんなことを思う夏の終わりです。

『Water Colour』《MDR-25》〈作詞・作曲・編曲:小林武史〉(04'50'')【1989】



テスタ・ロッサ

テスタ・ロッサ

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  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 1995/06/21
  • メディア: CD



DUALITY

DUALITY

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 1988/11/21
  • メディア: CD



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『旅とフェリー/婦人倶楽部』 [邦楽ロック10年代]

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お晩です。
今夜の『03’54’’』はこの方たちにご登場願いましょう、婦人組合!

じゃない、失礼、婦人倶楽部の皆さんです。

前回のブリッヂからの流れ。
両者を続けて聴いてもなんの違和感もありません。
24年前の音源と最近の音源なのに。
どちらが古いとか新しいとか関係なく。
どちらもトレンドから一定の距離を置いているからいつでも新鮮。

婦人倶楽部も渋谷系とか言われますし。

昨年出た傑作ファーストアルバム 『フジンカラ―』から約一年、
婦人たちの夏向けの新曲が出来ました。
彼女たちが割烹着で旅に出る理由が唄われているかも。
彼女が割烹着に着替えたら。

♪パーヤッパッパーっと、
颯爽としたスキャットと軽快な演奏が始まります。
ムッシュレモン氏の指揮する華麗なるアンサンブル。
淀みなく耳元を流れていくハイカラでモダンな軽音楽。
心地よいメロディと婦人Bの魅惑の歌声が音楽で旅情へ誘います。

割烹着で買い物に出かける様なフットワークの軽さで旅に出たくなりますね。



二曲目は『お茶うけ物語』。
ブルボンのルマンド賛歌。
程よい高級感と庶民感がミックスされたお
菓子。
飽きのこない風味。
紫色のエレガ~ントな外見。
僕も物心がつかない頃から食べています。
今でもときどきスーパーで買ってます。
それにしてもルマンドアイス、食べてみたいなぁ。
おっと曲紹介がまだでした。
ピッコロの音色が印象的なミディアムテンポの甘美な調べ。

三曲目は『夏は夏野菜』。
食べ物の歌が続きます。
夏だから夏野菜を食べるという習慣が無いのですが、
健康の為に摂取しなくてはいけませんね。
佐渡の野菜は美味しいのかな。
サッポロベジタブルは良く食べるけど。
おっと曲紹介がまだでした。
クラリネットの音色が印象的なワルツテンポのクラシカルな調べ。

四曲目は『旅とフェリー』のカラオケ。

五曲目は『たらい舟に乗って』のムッシュレモン氏によるリミックス。
テクノというかハウスなアレンジ。
この曲はアルバム『フジンカラ―』の一曲目の大変ポップな曲ですね。
とにかくこのアルバムは素晴らしい。
フリッパーズの『カメラトーク』やピチカートの『ボサノバ2001』に匹敵するようなクオリティですね。
アナログで出して欲しかったなぁ。


婦人Bさんの唄声も榊原香保里さんに比肩するほど大好きですねぇ。
つまり僕はアニメ声の歌手が大ッ嫌いなんですね。

という訳で、夏~の元気なご挨拶!代わりの婦人倶楽部のシングルなのでした。

『旅とフェリ―』《GPWF-0002》〈作詞・作曲・編曲:ムッシュ・レモン〉(03’37’’)【2017】


旅とフェリー

旅とフェリー

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Grand Pacific Work
  • 発売日: 2017/06/14
  • メディア: CD



フジンカラー

フジンカラー

  • アーティスト: 婦人倶楽部,M.Lemon
  • 出版社/メーカー: Grand Pacific Work
  • 発売日: 2016/07/13
  • メディア: CD



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『PAPER BIKINI YA - YA/BRIDGE』 [渋谷系]

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押忍。
昨日の関西も暑かったですね。
昼間は神戸へ行って元映で『愛のコリーダ』観てきました。
愛のむきだしって感じで藤 竜也、凄かったです。
それから大阪へ戻って夜は谷町9丁目でサンドウィッチマンのライヴを。
サタデーナイトライブって感じで大爆笑でした。
大好きです。

さてさて一方、
関東地方は何だか雨が多くて夏っぽくないようですね。
思い出すのは1993年。
大学一年の頃です。
川崎の高津区に住んでいたあの年の夏も涼しかったです。
冷夏で米不足にまで発展しました。

丁度その頃によく聴いていたのが今回ご紹介します、Bridgeのマキシシングル。
今年再結成ライブをしましたね。
ああぁ、行きたかったな。
当時から大好きで、そして今でも。
特にこのマキシシングル、というかミニアルバム?CDEP?
どうでもいいか。4曲入りシングル。
今でも大好きで、もう何度再生しただろう。
個人的に夏の定番。
ずっとずっと紹介しようとしていて、忘れていました。

見て下さい!
このジャケット中央でチェット・ベイカーを気取っているカジくんを!
カジくんのショートパンツ伝説はすでにブリッヂから始まっているのです!!!
それはそれとして、ジャケットから伺える空も何となく曇ってます。
歌詞が掲載されてるブックレットの写真の空は少しどんよりとしていて、あの1993年の気分を思い出させます。ジャケットのデザインはドラムの黒沢さんです。

ジャケットの空は曇りがちですが、
曲の方はバッチリ夏にピッタリな避暑地ポップスです。

まず一曲目の『watermelon bikini』。
カジくんのペンによる曲。
アルマンド・トロバヨーリ的な欧風ラテン風味のポップス。
海岸沿いの避暑地での恋模様。
冒頭での外国人の陽気な掛け声からなんだかリゾート地に思いを馳せます。
池水さんの弾くハモンドの響きもグッド。
このEPでは特に金管、木管、そしてパーカッションが大活躍。
ホーンアレンジは元リアルフィッシュの矢口博康氏、パーカッションには戸田よしえさんが参加。
吉田 仁さんのプロデュースも滞りなく。
アコースティック系の楽器による風通しの良いサウンドと大友真美さんのキュートなヴォーカル。
カジくんの胸のすくような甘いメロディ。
掴みはオッケー。
この曲ではスイカですが、数年後にはカジくんはマスカットを歌いますね。



二曲目は大橋さんによる『chime』。
叶わない恋への想いを込めた、ちょっとせつない感じの曲です。
シャッフルビートにも胸が高鳴ります。

三曲目は『heavy yawn』。
こちらは作曲は同じく大橋さんですが、作詞は大友さん。
四曲中これのみ英語詞です。
タイトルを訳すと《おおあくび》ですね。
心身ともにフレッシュに活動したい思いを抱きながらも、
眠りすぎたり、ぼんやりとのんびりと怠惰に過ごしてしまう。
休暇をついつい無駄に消費してしまうことってよくあるコト。
気怠るくも心地よい感じの甘いボサノヴァ。

締め括りの四曲目は『SPLASH』。
“Shimmy”こと、またの名を“日本のニックヘイワード”、清水さんの曲です。
ラストはソウル風な甘くほろ苦いバラード調。
ちょっとこんなテイストはこれまでのこのバンドには無かったです。
そして大友さんと清水さんがデュエットをしているというのも珍しい。
これがまた胸を切なく締め付つける様なやるせないメロディで素晴らしい。
清水さんの声は低目で大人なムードが出ています。大友さんも少しクールに歌っていてバランスが絶妙です。
少し悲しいムードでEPは終わります。
素晴らしい、改めて名盤。
昨今のアナログ盤の隆盛に乗じて『PAPER BIKINI YA - YA』をコンパクト盤の7インチで発売してくれないかしらん。出来ればレコードストア・デイの企画ではなく。

話が逸れました。
1993年の春に小山田圭吾さんの主催する“トラットリア”から同じく彼によるプロデュースでメジャーでのファーストアルバム『Spring hill fair』がリリースされました。
インディーズ時代の魅力たっぷりにネオアコースティックな魅力を湛えていました。
全編英語詞で。

そして夏、この四曲入りでは少し趣を変えてネオアコなサウンドに留まらず、サントラ風、ラテン風、
ソウル風とバラエティに富んだ音作りが特徴です。
バラエティに富まそうとすると逆にバンドの軸がぶれてしまう事がありますが、
この作品集ではバンドの魅力がファーストアルバム以上に多彩に良い形で出ていると思います。
Bridgeはソングライターが大友さん、カジくん、大橋さん、そして清水さんと四人いますがどの方もセンスが良くて、四曲ともそれぞれの良さが十二分に出ているのです。
そして一曲を除いて日本語詞での作詞にシフトしています。
その後結果的にラストアルバムとなってしまうセカンドアルバム『Preppy kicks』は『PAPER BIKINI YA - YA』での路線をさらに進化させて傑作に仕上げています。
是非まだ聴いたことのない方は探して聴いてほしいです。
それにしても素敵なバンドですよね。
イイ曲たちを唄う大友真美さんのチャーミングな歌声も永遠です。
ホント、大好きな歌手です。

どちらのアルバムも僕の夏の定番です。
僕にとっての“夏の日の1993”なり。

四月に開催された彼らの久しぶりのリユニオンではこのEPからの曲も披露されたそうで、生で聴けた方が羨ましいですね。
そのときのライヴを記念してメンバーらによって作られた限定のZINEですが、我が妹氏の多大なる協力により入手出来ました。多謝。


バンドの皆さんいつまでもお元気で!
またいつかライブをやって欲しいと切に願う限りです。

このブログを通じて、ブリッヂのバンドとしての再評価が高まることを願って止みません。

『watermelon bikini』《PSCR-5027(trattoria menu 18)》〈作詞・作曲:加地秀基/編曲:Bridge〉(03'17'')【1993】


Paper Bikini, Ya Ya

Paper Bikini, Ya Ya

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポリスター
  • 発売日: 1993/07/25
  • メディア: CD



Preppy Kicks

Preppy Kicks

  • アーティスト: 大橋伸行,加地秀基,清水弘貴,ブリッジ
  • 出版社/メーカー: ポリスター
  • 発売日: 1994/07/01
  • メディア: CD



SPRING HILL FAIR

SPRING HILL FAIR

  • アーティスト: BRIDGE
  • 出版社/メーカー: ポリスター
  • 発売日: 1993/04/15
  • メディア: CD



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『夏の幻影/Minuano』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。
会社の行き帰り、アスファルトの道端に蝉の亡骸をよく見かけます。
命の限りに鳴き尽くして夏の盛りに息絶える。
潔い生き方ですね。
蝉が鳴く音はなんだか不快ではありません。
うるさく感じません。
蝉しぐれ、大好きです。

夏ももう終わりに近づいているのですね。

という訳で今宵も夏の軽音楽を。
今回は珍しく配信の曲です。

前回の記事で、Overdose of Joyというイベントのコトを書きました。
そのときにLampのライヴを観た話もしました。
メンバーの3人とサポートのパーカッション奏者、尾方伯郎さんの計4人で演奏されました。
主にグループのオリジナルソングを新旧混ぜて聴くことが出来たのですが、一曲だけ尾方さんによる楽曲が演奏されました。
その尾方さんが主体となって活動している音楽ユニットが今回のMinuanoです。
尾方さんは主に楽曲制作と演奏・プロデュースを担当しており、歌唱はLampの紅一点、榊原香保里さんです。ライブでもそうでした。
Minuanoはこれまでに二枚のオリジナルアルバムを発表しています。
今回ご紹介するのは5年前に配信で発売されたEPです。
タイトルは『夏の幻影』。
3曲入り。
Lampのライヴで尾方さんの曲が歌われるように、
MinuanoとLampの音楽性は非常に近いです。
MPB、AOR、ソフトロック、SSW系からの影響が強い音楽。
何と言ってもどちらも歌っているのが榊原さんなのが大きいでしょう。

僕は榊原香保里さんの歌唱が大好きです。
魅惑の歌声。
サザンの原 由子さんに昔から声が似ているなぁ、と思っていて。
原坊も声が素敵で。
せつない響きを湛えている声質ですね。
お二方とも素晴らしいヴォーカリスト。

という訳で、『夏の幻影』。
夏の夜に恋人と線香花火に興じているひとときを曲でスケッチ。
花火大会を二人で見ているのではなく、線香花火をしている、というのがイイですね。
賑わいを逃れた、静寂の中で。
恋人との限られた時間を名残惜しむような、儚い火遊び。
闇の中、線香花火のともしびだけが二人の面影を浮かび上がらせる。
叙情的で文学的な歌詞の硬質さが、日本の夏を醸し出します。
憂いとせつなさを帯びた香保里さんの唄声が歌詞に相応しい。
彼女の歌声に寄り添うウーリツアーの翳りのある音色。
間奏で吹かれる香保里さんのフルートの繊細な響き。
線香花火に火がついて、火花が瞬いて、散っていくまでの様がミディアム調の旋律で展開していきます。花火を見つめる二人の緊張感も伴っているようにゆったりと幻想的に。
そして終盤、一瞬の間を置いて、これまでのメロディの展開と異なる曲調が展開します。
アップテンポで華々しいストリングスでメロディが咲き乱れます。
火花が散ってしまったあとの一瞬の静けさのあと、二人の気持ちがざわざわと波立っているような。

劇的な4分弱の恋模様。
緊張の夏、日本の夏、名曲。



打ち上げ花火もイイですけど、線香花火もイイですね。
そういえば、一昨日の夜、シネ・ヌーヴォで蔵原惟繕監督の60年代の映画を観に行く途中、
九条の裏通りで花火をしている家族をお見かけました。久しぶりに見る光景。
手持ち花火がいくつか咲いていました。
夜の暗闇にだんらんの灯が明るかったのです。


二曲目は『蜃気楼
ボサノヴァのリズムに乗って物憂げで浮遊感のあるメロディが流れていきます。
淡々と囁くような香保里さんの唄声がクールでノクロームなムードを醸し出します。

三曲目は『ある春の恋人』。
セカンドアルバム『ある春の恋人』の表題曲。
こちらもゆったりとしたボッサ。
春の穏やかで淋しげで微睡むような雰囲気がなんとも心地よい一曲。
アルバムとミックス違いです。
ストリングスの音がカットされています。

今回の楽曲はi tunesで手に入ります。
榊原香保里さんの甘く気怠いウィスパーヴォイスを堪能できる三曲。
楽曲のクレジットですが、3曲目以外は作詞担当がハッキリしないのですが(香保里さんか尾方さんと思われるが)、作曲編曲は尾方さんでしょう。3曲目の作詞は芝田那美さんという方。
素晴らしい。
彼女は日本一ワンピースのお洋服が似合うしっとりとした黒髪の魅惑な女性。
加古川アラベスクホールでのライヴが思い出されます。
ライヴのあと、物販会場でLampの『ランプ幻想』のアナログ盤を買ったときに少し御三方とお話が出来たのですが、ライヴで披露された尾方さんによる楽曲は新曲なのですが、まだMinuanoとして発表するか未定だそうです。染谷さんの希望でライヴで歌うコトになったとか。
是非、染谷さんのレーベルからMinuanoの新作を出して欲しいと切に願います。
そのときにアナログ盤にも三人のサインも貰いました。
ちなみに我が家には『ランプ幻想』のアナログが計3枚あります。

ガッハッハッハ。

『夏の幻影』《品番不明》(04’15’’)【2012】



ある春の恋人

ある春の恋人

  • アーティスト: 尾方伯郎,榊原香保里
  • 出版社/メーカー: ポリスター
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: CD



Love Logic

Love Logic

  • アーティスト: 尾方伯郎,榊原香保里
  • 出版社/メーカー: Import music service(IND/VC)(M)
  • 発売日: 2009/03/04
  • メディア: CD



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『SUMMER TRAGEDY/FOUR PENS』 [アジア]

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こんばんは、夜遅くお盆休みで の実家から戻って来ました。
毎度毎度実家での野暮用を粛々と済ませるだけの数日間。
ただそれだけのこと。
家族はまぁ元気でした。

さぁさぁ、
今夜もサマーなポップソングを。

音楽が好きですがこの季節に開催されるフェスには基本的に無縁です。
暑いし、人がゴチャゴチャいるし、行列が多いし。
そこまでして遠方まで出かける気はありません。
まぁ、予定が合わないという事もあるのですが。
だったら空いている映画館で涼しく上映を愉しんだ方が精神的に良いです。

とはいえ、今年はひとつだけ音楽フェスに出かけました。
7月8日(土)に兵庫県の加古川市のウェルネスパーク内のアラベスクホールにて、
Overdose of Joy』という名前のイベントです。
これはFastcut recordsという音楽レーベル兼輸入レコード屋さんが開催したもので。
元々は加古川に店舗がありましたが、最近大阪の南堀江に移転しました。
その移転とレーベルの発足10周年を記念して上記のイベントが開催されました。
このタイトルはユージン・レコードの楽曲から由来してるのでしょうか。

さて、
移転前に僕も何度かお店の商品を通販で買ったことがありましたが、
実際に加古川へ行ったのは今回が初めてでした。
加古川って兵庫だし近いんだろうなぁと気軽に考えてチケットを予約しました。
調べたら僕の住む街から結構遠くて。
ちゃんとした加古川の場所も初めて知ったくらいで。
お恥ずかしい。
JRと阪神電車を利用して加古川へ行きました。2、3時間かかりました。
ちょっとした小旅行気分で楽しかったです。
途中、須磨の海が見えたり。
夏を感じました。

加古川ウェルネパークは加古川駅からバスで30分ほどの距離があり、山の中にある複合施設で、
緑に囲まれたのどかな場所にありました。
土曜日に沢山の家族連れで賑わっていました。
アラベスクホールはアコースティックの演奏会向けに建てられた中規模のホールでした。

そのイベントには計5組のミュージシャンが参加しました。
・sheerprint
・pictured resort
・four pens (四枝筆樂團 )
・lamp
・曽我部恵一

特にlampと曽我部さんを同時に観られるというのが魅力で参加しました。
lampは従来のバンド編成と違って、4人編成でしたが良かったです。
新曲も多めで早くアルバムとして聴きたいです。
曽我部さんはlampの次に出てきて、イベントのトリを務めました。
ソロでアコギの弾き語りでしたが、ホールの響きを効果的に利用してその豊かな歌唱力とギターの響きを存分に楽しみました。激情の演奏と優しいアットホームな演奏の両方が味わえました。
見事としか言いようのないパフォーマンスでした。
それ以外の3組はほぼ初めて見るミュージシャンでした。
オープニングで登場したSheerprintはアコースティックとエレクトロニカとプログレをミックスしたような幻想的な歌と演奏でした。珍しいブルーナイルのカバーも印象的でした。
二番目に出てきたPictured Resortは往年のネオアコサウンドを髣髴させるような爽やかさと新鮮さと一抹の翳りを体現したバンド演奏でした。
曽我部さんも絶賛。

そして、三番目に登場したのが今回のブログの主役でありますFour Pens(四枝筆樂團 )
台湾からの出演です。
女性2人、男性1人の3人組(サポートに男性1人が加わってました)。
国立台湾芸術大学で結成されたバンドでメンバーは楽曲を作るギターのBibo、鍵盤担当のSunny(咨咨)、そしてヴォーカルのCandace(小四)。
来日ツアーの中でのイベント参加だそう。
初めて彼らのライヴを観まして、アコースティックなサウンドを基調としたポップでハートウォーミングなメロディに惹かれました。
Sunnyさんがカタコトの日本語を喋り、バンドのメンバーのお話を通訳してくれるのですが、ところどころ不明な所がありまして、そこは笑顔で誤魔化すところが良かったです。一生懸命伝えようとされるのが伝わって来ます。そういうトコロも魅力でした。
ヴォーカルのCandace(小四)さんは黒く長い髪と白を基調とした風通しの良いドレスが素敵でした。
黒めの大きな眼、白い肌。お人形さんみたいでした。
マイクのところにキラキラと点滅する飾り付けがされててそれもキレイで。
彼女の歌声も澄んでいて、ホールの中に瑞々しく響き渡りました。
ギターのBiboさんも含め、素朴で素直で親しみ深い人柄が歌とМCから十分伝わって来ました。
何となく台湾と言う国から感じられるイメージそのものというか。優しい隣人というか。
日本語で唄う曲もあったり、フレンドリーな歌と演奏でした。

そんな彼らの楽曲の中で特に良かった曲が今回ご紹介するシングルです。
彼らが一年ほど前にfastcut recordからリリースした7インチ。
Summer Tragedy』。
傘を差した少女の横顔のジャケット。
これはヴォーカルのCandace(小四)さんではなく、PIPIさんというモデルさんの写真。
女性が傘を差したジャケットが好きな僕としてはストライク土間の中です。
勿論このシングル自体は昨年買っていました。

これはFOUR PENSのオリジナルソング。
夏の恋の、せつなさ、儚さ、もどかしさ、美しさが一曲の結晶と化しました。
アコギのリズミカルで清かなアルペジオ。
水彩画のようなキーボードの音色。
囁くようなCandace(小四)さんの歌声。
胸を締め付けるハートフルな旋律。
まっすぐな曇りのない歌。



なんという名曲。
ライブで聴くことが出来て良かったです。
この曲を聴くと昨年観た『ひと夏のファンタジア』という映画をなんとなく思い出します。
これは日本と韓国で合作された映画で物語は奈良です。
夏の淡い恋愛ドラマでした。

B面は同曲のリミックス。
担当しているのはharuka nakamura。
楽曲を解体し、抽象的にロマンティックで耽美なムードで再構築。

イベント『Overdose of Joy』の終演後、ロビーで物販会があり、FOUR PENSの3人の元で彼らのCDを買いました。とてもフレンドリーに応対して下さり商品にサインも貰いました。
これまでも何度か日本でツアーをされていて、また次来日した際にはライヴ観たいなぁと思いました。

今回観たフェスは涼しいし、人もゴミゴミしてないし、勿論行列なんぞもありませんでした。
程よい按配で理想的にフェスが進行しました。
アラベスクホールも素晴らしいホールで。
Fastcut recordさんにも感謝。
加古川の街では名物の《かつめし》も食べました。
なかなかでした。

2017年夏の良い思い出となりました。
このシングルを聴くと素敵なイベントのコトをこれからも思い出すコトでしょう。

まぁ、そんな感じです。

『SUMMER TRAGEDY』《FCEP-023》〈Witten by Bibo Kang〉(05’07’’)【2016】




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『思い出のビーチクラブ/稲垣潤一』 [邦楽ロック/80年代]

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こんばんは。
今宵も夏の曲を。

稲垣潤一さんの1987年のシングル『思い出のビーチクラブ』です。
以前に『一ダースの言い訳』を取り上げてから、J.Iを改めて聴き直そうと、
ベストアルバムを買いました。
そしたら出てくる出てくる珠玉のナンバーの数々。
あれもそうだった、これもそうだったと、心が弾みました。
J-POPというやや軽薄短小な枠組みの中で一本芯の通った世界を作り続けてきたのが稲垣さんだと思いました。
様々な作家チームと組みながら独自のブランドを現在まで30年近くも守り続けて来ているというか。

そんな名曲たちの中で僕がひと際惹かれたのが今回のシングルです。
同年に発表されたアルバム『MINDNOTE』からのシングルカットでそれを機にリミックスされています。

60年代のモータウンのフォートップスの『 It's The Same Old Song 』とかレン・バリーの『1-2-3』とかに通じる躍動感のあるイントロのリズム。
颯爽としたギターの8ビートフレーズ。
瑞々しいサウンドとメロディがソーダファウンテンのように湧き上がります。
作曲はヒットメイカー林 哲司さん。
『一ダース~』もそうですね。
アップテンポのリズム、そして胸高鳴るような素敵なメロディに乗って歌われるの内容は、
明るい内容かと思いきや、実は悲しいのです。
売野雅勇さんの歌詞も素晴らしいです。
泣きそうです。
せつない。
やるせない。
哀しい。


歌に出てくるビーチクラブとは閉鎖されたリゾート施設で、
寂れた建物の描写から歌詞は始まります。
青春時代を過ごした思い出の場所。
過去には活況を呈した場所も今は無残な姿を晒している。
何だか若い頃の過去の自分まで否定されているような。
過去の明るい青春時代を懐かしむ内容なのですが、
学生時代というかモラトリアムな青春時代、若さに任せたあの頃の甘酸っぱい思い出を振り返りながらも後悔の念を滲ませています。
夢のように儚い、うたかたの日々の中で大切なものまで見失って。
その後、社会人としての厳しい現実に直面していると思しき苦さが歌詞の行間から垣間見られます。
あの頃にはもう戻れない。

《STAY GOLD》という言葉がせつなく響きます。

稲垣さんの絶妙な甘さを湛えた歌声が、少年と大人の狭間に揺れる青年の苦しさを見事に代弁しています。

アレンジを担当するのは船山基紀さん。
特に間奏の流麗なストリングスの響きが鮮烈な夏の想い出のように眩しく輝いて耳に感じられます。
爽快感のあるサウンドのブリーズが心の傷口に染み込んでくるような。

30年前の永遠のポップス。
過去の思い出をほろ苦く懐かしむ曲なので、ちょうど今くらいに聴き返すのが相応しいのかもしれません。30年前と言うと、バブルの頃でした。



この映像のJ.Iもイイですよね。
マリンルックが決まってます。
バックの演奏も一丸となったパワーを感じるし。

何度聴いてもイイですね。
1987年の夏のシングルと言うと渡辺満理奈さんの『マリーナの夏』がありますね。
リゾートでの淡い恋を歌ってます。

B面は『TRACES』。
アルバム未収録で、なんとクラッシックスIVのカバー。
オリジナルは1969年の作品。
このグループはバディ・ビューイとジェームズ・コブの共作で数々の名曲を残しています。
もちろん『TRACES』も例外ではなく。
そしてヴォーカルのデニス・ヨーストの南部系の男臭く甘い歌声の魅力。
稲垣さんの唄はそれとは正反対の声質なのですが、また違った魅力を楽曲に導くことに成功しています。
日本語の歌詞で唄われています。
担当したのは重実 博さんと言う方。
成就しなかった過去の恋についての唄。
こちらも振り返る内容ですね。

編曲はTOPICS。
個人なのかグループなのか判断がつきかねます。
もともとの楽曲も良いし、アレンジも稲垣さんのピッタリな繊細なムードに仕上がっていて良いカバーです。

何と言うか、僕にとって完璧なシングルです。
作家陣らによる分業も成功していた80年代の良い時代の充実したポップスでもあります。

真夏の昼の夢のような遠い音楽。


『思い出のビーチクラブ』《07FA-1103》〈作詞:売野雅勇/作曲:林 哲司/編曲:船山基紀〉(04’38’’)

30周年記念ベスト~テーマ・ソングス~

30周年記念ベスト~テーマ・ソングス~

  • アーティスト: 稲垣潤一,さがらよしあき,秋元康,売野雅勇,湯川れい子,安井かずみ,松本隆,山田ひろし,山田奈奈
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2011/10/26
  • メディア: CD



Mind Note

Mind Note

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL J(P)(M)
  • 発売日: 2008/03/11
  • メディア: CD



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