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『さようならの彼方へ/内山田洋とクールファイブ』 [歌謡曲/70年代]

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こんばんは。
五月の連休が迫ってきましたね。
海外で過ごされる方も多いかも知れません。
そんな皆様方へ送る、MUSIC FOR AIR LINE !!
内山田洋とクールファイブの皆さんで「さようならの彼方」です。
はりきってどうぞ!!
前々回、そして前回と黒っぽいシングルが並んでいますが今回も実にソウルフルです。
直立不動のソウル歌謡!!
演歌と言うよりは歌謡曲寄りのサウンドですね。
クールファイブのデヴュー10周年記念シングル!
A面B面とも筒美京平氏による作曲という豪華さ。

「さようならの彼方へ」は風雲急を告げるようなストリングスとシンセが不穏に絡み合うイントロ。
ドラマチックなメロディが全編支配する名曲。
失恋の痛手を抱えて飛び立つ夜の国際線。
女性人称でのジーニアス前川 清氏のねちっこい歌唱が揺れる女の未練を暴き出す!
ムーディーこの上ない旅情を湛えたクールファイブのコーラスに包まれて…。
ねちっこいとはいえ、これまでの唸りのような独特の歌唱法は比較的抑え気味の感じがします。

さらに間奏の華麗なストリングス、まるでバリー・ホワイトのようなゴージャス感。
乱気流のような女心の不安を見事に表現しています。
そしてぶ厚いストリングスの雲を突き抜けるように響くトランペットソロ!美しい。
チャカポコなギターのカッティングもいい感じ。
高田 弘氏の卓越したアレンジメントが冴え渡っています。

♪ひとくちすする 熱い珈琲の
湯気が形をつくる 想い出のひとこまを
二度と二度と 逢うこともないでしょう
遥か下で暮らす あなたに

別れた後は 他人なんて嘘
肌を重ねた過去は いつまでもつきまとう
愛を 愛を 無くした女は
消える他に 術がないのよ

千家和也氏の描く愛を失った悲壮な女の寄る辺なさに震えがきます。
愛することは罪、痛み。
エンディングの「♪ I'll never fall in love again 」の熱唱が悲しい…
ジェット機の轟音が空しく響きます…。


B面は「涙はやめて」。
こちらも千家-筒美-高田トリオの楽曲。
一転して、居酒屋が舞台のほろ酔い加減が心地よい作品。
こちらも失恋の歌ですが明るい雰囲気です。
今宵で別れてしまう男女。
お酒の所為でいつもより饒舌気味な、女の明るくも切ないくだに男が巻かれます。
京平先生の「長崎は今日も雨だった」を意識したメロディが楽しい。

穿った考えをすれば、A面はB面の後日談かも知れません。

実に味わい深い逸品。名作。
「東京砂漠」、「そして神戸」、「中之島ブルース」に負けない位のすばらしい作品だと思います。
このシングルで1978年の日本歌謡大賞、有線大賞特別賞、日本テレビ音楽祭特別賞を獲得。
さらに日本レコード大賞にノミネートされ、同年の紅白歌合戦でこの曲を歌っています。

前川氏と京平先生の素晴しい組み合わせ。
再び前川氏が筒美京平作品を歌うのはそれから26年後のソロのシングル作品「よろこびの予感/愛を下さい」まで待たなければなりません。
是非、このコンビで一枚アルバムを制作してほしいです。


『さようならの彼方へ』《RVS-1135》〈作詞:千家和也/作曲:筒美京平/編曲:高田 弘〉(04'31'')【1978】


結成40周年メモリアルBOX こ・い・う・た~内山田洋とクールファイブBEST100~

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  • アーティスト: 内山田洋とクール・ファイブ,内山田洋とクールファイブ
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/10/24
  • メディア: CD



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コメント 2

victory

発売後30年経過してもこの曲のミステリアスな曲想は衰える無く持続する魅力は計りしれません。 
by victory (2010-05-30 11:12) 

都市色

>victoryさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
そうですよね、この濃厚にアダルトチックなムード、ミステリアスさ、永遠に深いです。
by 都市色 (2010-06-03 20:19) 

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