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『あなただけを -Summer Heartbreak- /サザンオールスターズ』 [桑田佳祐]

あなただけを.jpg

スタンドォ〜〜、アリィ〜ナァ〜!!
という訳でこんばんは。
本日はサザンオールスターズであります。

個人的に、今年の夏も特に何も起こらず平穏で退屈で、どちらもケガなく良かったね。
あきらめの夏でした。
サザンの夏も今年までで一区切り。
数ヶ月前にニュースで活動休止と聞いて、そろそろだよなぁ、と割と平静な気分でいましたが、近頃のテレビや特番でラストライヴの映像を見ているとやっぱり寂しさがこみ上げてきました。
有り難う、サザンという訳で沢山の名曲の中からこのシングルを。
『あなただけを』。

♪サザンに恋をしていたのは22年前の夏の頃さ〜
いつまでもこの胸に
OH! サザン
いとしくて

サザンという懐の大きな音楽ワールド。
歌謡曲からジャズ、ロック、ブルース、ダンスミュージック、エスニック、ソウル、様々な音楽的要素を大衆音楽としてゴチャマゼにミックスして琴線に触れるメロディと万人のノスタルジーを喚起させるノリの良い歌詞で味付けされた天才桑田佳祐の非凡なソングライティング。

このやんちゃな茅ヶ崎の若大将の独裁を温かい目で見守り続けたバンドのメンバー達のサポートがあってこそのサザンオールスターズなのでしょう。
目立ちたがり屋の芸人な一般的イメージとは裏腹に精神的に繊細でナイーヴな内面を持つ桑田さんが安心出来るサザンでいられるのも原坊、毛ガニさん、ムクちゃん、松田さん、そしてター坊、といった優しいメンバーがいてこそだったのだと思います。もしもサザンに、ジョンとポール、ミックとキースみたいにもう一人ソングライティングの才を持つメンバーがいたら、サザンは成り立たなかったと思います。

そして、いつまでも変わらない学生バンドというイメージを隠れ蓑として、藤井丈司、新田一郎、八木正夫、矢口博康、門倉 聡そして小林武史といったベテランから次期の音楽界をリードする逸材までを巧みに起用してエヴァーグリーンなサウンドを追求する、目利きとしての鋭いセンスも見逃せない所です。

本日紹介するシングルは1995年のシングル。
フジの月9のドラマのタイアップがあったと思います。
王道とも云えるサザンの晩夏へのラヴソング。
サーヴィス満点な桑田さんの切ないメロディセンスがバクハツしています。
一曲の中に多彩で美しい旋律が次々に繰り出されます。
この曲では現在サックスの一流プレイヤー、山本拓夫氏を起用してホーンアレンジを担当されています。

 ♪涙色した貝殻に 熱い溜め息が出る
  恋の行方も知らないで アイドルみたいにシビレてた
  ah それはせつないだけの long vacation



大滝詠一さんの「ロング・バケーション」の音楽観をどなたかが青春歌謡と評したコトを思い出しましたが、その後継者は達郎さんではなくサザンですね。
特に、小林武史さんをアレンジャーに起用した後の90年代以降のサウンドはナイアガラサウンドへの憧憬が有形無形に染み込んでいますね。

カップリングは『LOVE KOREA』。
韓流ブームを先駆ける韓国へのラヴソング。
ビートルズの「BIRTHDAY」のギターフレーズが聴こえたり、
「勝手にシンドバッド」でのお馴染みのフレーズが引用されていたり、ユーモラスで軽快なナンバー。

90年代中期以降のアートディレクションは売れっ子の信藤三雄氏率いるコンテンポラリープロダクションが手掛けているのですね。桑田さんの目利きがここでも効いています。

改めてサザンのアルバムを片っ端から聴き返したくなってしまいました。
サザンのファンクラブにも学生時代には入会して十代は何度もライブに行ってました。
横浜アリーナのカウントダウンライヴも行きました。
僕の記憶に残っているベストライヴは1991年の春のライヴツアー、「夢で逢いまSHOW」の名古屋レインボーホールでした。桑田さんは当時「稲村ジェーン」を撮影中でクリエイティヴィティも旺盛でこのツアーの為に用意した映像を効果的にスクリーンで流しました。バンドとのコラボレーションもばっちりで。
中学の友人と観に行った楽しい想い出です。

サザンの屋号はいったんファンにお預けということでロングバケーションに入るサザン。
お疲れさま、ありがとう。
また逢う日まで。

「だいじょうぶ、また夏はやってくる」
サザンオールスターズで永遠の夏を。

『あなただけを -Summer Heartbreak- 』《VIDL-204》〈作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/管編曲補:山本拓夫〉(5'07'')【1995】
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コメント 6

いとぞう

この曲、月9ドラマ「いつかまた逢える」の主題歌でしたね。毎週観てました。主演が福山雅治さんでヒロインが桜井幸子さん。この頃、桜井幸子さんのファンだったので。

山本拓ちゃんのアレンジがイイですね。たしかにこの曲とか、サザンとナイアガラサウンドには共通項もあると思いますが、大滝さんと桑田さんの対談なんてあったら読みたいです。

この曲は大好きで当時、仕事仲間と夏に海へ遊びに行った時、車の中で皆でよく聴きました。こういう時ってやっぱりサザンの音楽なんですよね、定番ですけど。

しばらくサザンはお別れかあ・・でも何年先か分からないけど、きっと帰ってくると思います!


by いとぞう (2008-08-26 16:33) 

都市色

>いとぞうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
ドラマご覧になっていたのですね。
桜井幸子さん、良いですね。

80年代前半に新譜ジャーナルを出版していた自由国民社から「ゴーゴーナイアガラ」という大滝さんの本が出て、その本の中で大滝さんと桑田さんの対談が載っていたようですね。残念ながら未読ですが。この本も是非復刊して欲しいです。
by 都市色 (2008-08-26 18:45) 

DEBDYLAN

スタンダン、アリ~ナ~♪
サンタマリ~ア~♪♪

洋楽に偏ってる僕も、
夏になるとSASを無性に聴きたくなったりします(苦笑)
この曲は久し振りに聴きました。

桑田節全開ですね^^。
SASは僕にとって永遠の歌謡曲です(最高の褒め言葉のつもり^^)


by DEBDYLAN (2008-08-26 23:46) 

クマックス/kumax9093

はじめまして。サザンのジャケを見ると数年間ですがCTPPのもあるので気になり、音も流石だと思いました。復活を待ちながらですが。ひとつよろしくです。
by クマックス/kumax9093 (2008-08-27 00:33) 

都市色

>DEBDYLANさん、こんばんは。
コメント&NICEありがとうございます!
サザンは歌謡曲ですよね。
日本の歌謡曲の伝統に則った大衆音楽の偉大なバンドです。
by 都市色 (2008-08-28 01:01) 

都市色

>クマックスさん、こんばんは&はじめまして。
コメントありがとうございます!
「PIZZICATO FILE」の常連さんですよね。
CTPPのジャケットにはピンと来ちゃいますよね!
こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
by 都市色 (2008-08-28 01:10) 

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