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『サイレント イヴ/あがた森魚』 [邦楽ロック/90年代]

サイレントイヴ.jpg

こんばんは。
今夜はあがた森魚さんの歌うクリスマスソング。
ご存知、辛島美登里さんによる90年代初頭のJポップを代表するクリスマスソングのカヴァーですが、希代のロマンティスト、あがた森魚さんによる寝た子も死んだフリする個性的な表現になりました。
一足早い大掃除で、クリスマスソングなのにありふれたクリスマスムードを一掃するカルトなカヴァーです!
あがたさんの20世紀ポップスのカヴァーアルバム『イミテーションゴールド』からのシングルカット。


アレンジャー白井良明氏(ムーンライダース)によるイントロのスケール感のある大陸風なサウンドにまずクリスマスムードが吹き飛びます。遥か彼方から響き渡るシンフォニックな世界。
ねじれ国会も真っ青の捻くれて捩れる様なあがたさんの歌唱にクリスマスプレゼントも恋人も影さえありません。
しかし、辛島美登里さんの原曲に宿る孤独感を比類なきパワーでキョーレツに印象づける事に成功しています。性別不能な朗々とした唄声はまるで広大な砂漠にひとり残されたかの様な寂寞感を味わせる事が出来ます。
トリップ感溢れる独特の歌声。
好みが別れる歌唱ですが僕は好きです。
ややもすると線の細い唄声と勘違いしてしまいがちですが、とてもパワフルな響きを感じます。
この魅力を言葉で表せないところが僕のブログの負けです。

カップリングは『禁区』。
原曲は中森明菜さん、作詞は売野雅勇氏、作曲は細野晴臣氏。
80年代のヒット曲。
カヴァーバージョンのアレンジは高浪敬太郎氏によるものです。
こちらは日本の土着的な音頭と異国の民族音楽的なリズムのミックスにあがたさんのかけ声がリズミカルにパーカッションのように舞っています。印象的なメランコリックなアコーディオンの音色。
アブノーマルなサウンドとあがたさんの歌が魅惑のレッドゾーン(禁区)へ誘います。
歌謡曲の本来持っている毒を見事に抽出する事に成功しています。

あがたさんのこのカヴァーアルバムはザ・ピーナッツにはじまり、大滝さんや、西郷輝彦さん、小泉今日子さん、はたまたクラフトワークなど掴みどころのない選曲と、細野さん、鈴木惣一郎氏、長谷川智樹氏、高浪氏などなどの探究心溢れる多彩なアレンジャーによる歌謡曲の極北を目指した探検譚であります。

『サイレント イヴ』《MEDA-11001》〈作詞・作曲:辛島美登里/編曲:白井良明〉(5’07’’)【1993】

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コメント 2

nakamura8cm

これは名8cmの一枚です(キッパリ)
2曲とも素晴らしいカヴァーですよねえ。アルバム曲も粒ぞろいですけど、破壊力で「サイレントイヴ」がシングルに選ばれたのかなって思います。
辛島美登里さんがどんな感想を持ったのか聞いてみたいところです。

すっきりしたジャケもいいですね。
by nakamura8cm (2008-12-23 23:55) 

都市色

>nakamura8cmさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
一度聴いたら病み付きになる歌です。
シングルにもカラオケが付いてますので、あがた先生の歌真似で歌いたくなりますが撃沈。恐るべきオケです。
by 都市色 (2008-12-24 20:33) 

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