『あと1センチ傘が寄ったら/有賀啓雄』 [邦楽ロック/80年代]
こんばんは。
途中お休みをしていました雨の歌ですが、
ついに感動のフィナーレです(勝手に)。
トリは雨と云えばこの方、有賀啓雄さん。
はりきってどうぞ!
前年の雨のシングル同様、彼のファーストアルバム『Sherbet』から、
美しいバラード『あと1センチ傘が寄ったら』。
有賀氏の代表曲。
氏の解説によれば、この歌の舞台は神奈川の鵠沼海岸です。
僕も大学生時代に一度だけ訪れたことがありますが、良いところです。
歌詞は雨のデートのシチュエーション。
微妙な恋愛関係の二人の感情の機微が歌詞に表現されてます。
♪あと1センチ傘が寄ったら
僕は君を送ってしまうよ
さよならだね そう告げたとき
君の傘は少しづつ傾いた
少年のような有賀氏のヴォーカルが切なさを倍増させてますね。
イントロが無くて有賀氏の唄い出しから曲が始まります。
バックでうっすらとハモンドオルガンとグロッケンが鳴ってます。
徐々にサウンドが厚くなっていくアレンジがドラマティックです。
そして終盤で一度ブレイク、潮騒のSEが彼方から聞こえて来て、ふたたび壮大なコーダが始まります。
エンディングの劇的な La La Laコーラスと荒ぶるドラムソロ。
感動的な余韻が残ります。
デジタルとアナログのサウンドの調和が見事。
アレンジャーとしての有賀氏の才も発揮されてます。
B面は『行き先の無いゲート』。
同じくファーストアルバム収録曲。
こちらもセンチメンタルな美しいバラードです。
この歌も別れがテーマですが空港が舞台。
繊細なサウンドが絶妙に歌詞の風景を霞ませて、儚い恋の終りを演出しています。
囁く様にしっとりとした空気感が何とも言えません。
有賀さんの作品は是非、ベスト盤だけじゃなく、オリジナルアルバム単体での再発も切望します。
雨のお供に有賀啓雄!
と、言う訳で6月の雨の特集はこれまで。
まぁ特集を組まなくても時々雨の歌は取り上げますけど、
来年をお楽しみに。
『あと1センチ傘が寄ったら』《07FA-1131》〈作詞・作曲・編曲:有賀啓雄〉(5’02’’)【1987】
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