『クモと蝶／馬の骨』

こんばんは。
前回に引き続きまして、キリンジ関連のシングル。
堀込泰行さんによるソロプロジェクト、“馬の骨”の久しぶりの作品。。
10月にリリースされるセカンドアルバムの先行シングル。
こちらも配信限定。

タイトルは『クモと蝶』。
妖しい糸に絡め捕われた美しい蝶を蜘蛛が襲うイメージです。
少しショッキング。

無表情のドラムの重苦しいリズム。
イントロのピアノのもの悲しいリフレイン。
憂いを帯びたムードを醸し出す弟氏のヴォーカル。
サビのハモンドオルガンの響きも効果的。
何とも罪深い音色を放っています。
70年代のロックっぽい雰囲気ですね。
またはビートルズの後期のサウンドを彷彿させる、メランコリックで退廃的な美しさを湛えてます。
このシングルが09／09／09にリリースされたのも何か因縁めいてますね。
彼の多重コーラスが儚げで神聖な気分にさせます。
間奏でようやく聴こえる弟氏のギターソロもやんごとなくブルージィ。
う〜ん、諸行無常。
無駄を削ぎ落としたような最小限の演奏と構成で実にドラマティックな表現を獲得しています。
乾いたペシミズムが絶妙。
シングル『グッデイグッバイ』のカップリング曲『むすんでひらいて』に通じるようなアングラで絶望一直線な世界観ですね。

キリンジでの弟氏の作風は比較的ロック色の強いアプローチが感じられます。
よって馬の骨の1stアルバムは彼が理想とするオルタナティヴ ロック／ギターポップを本格的に追求した仕上がりですが、このシングルでは更にサウンドの幅が広がった気がします。
アルバムの出来が楽しみです。
対する兄氏も〝グラノーラ ボーイズ〟なるバンドを結成してライヴ活動に勤しんでいます。
お互いのソロワークの火花の散り具合に期待しましょう。

『クモと蝶』《COKM-30844》〈作詞・作曲・編曲：堀込泰行〉（05’08’’）【2009】

River(初回限定盤)(DVD付)

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
• 発売日: 2009/10/21
• メディア: CD