『泣きやまないで、LOVE AGAIN ／伊藤銀次』 [邦楽ロック／80年代]
こんにちは。
499回目の記事なり。
ライヴのお話、再び続きます。
大瀧さんの次は伊藤銀次さん。
九月の初めに、銀次さんのライヴへ行ってきました。
名古屋の得三にて。
彼の近年活発化しつつあるソロライヴツアー「I STAND ALONE」シリーズのパート3。
銀次さんの長年のファンでありながら、初めてライヴを観ました。
これまでなかなかスケジュールが合わなくて…。
銀次さんの30年以上に及ぶソロ活動の集大成ともいえるツアー。
ドリーミィでスウィートなご機嫌なPOP & ROLLを楽しみました。
アコースティクギター一本で数々のメロディアスな名曲たちを披露して下さいました。
ギターの名手でもある銀次さん。優しい歌声。
そして楽しいお喋り。
数々の日本のロック史のレジェンドに立ち会った生き証人が語るエピソードも面白かったです。
音楽の広範囲な知識のみならず、ポップカルチャー全般へのお話も面白いです。
銀次さんのジェントルでフレンドリーな人柄にも触れられ、素敵なライヴとなりました。
そんなライヴで演奏された楽曲の中から、シングルでリリースされた作品を。
『泣きやまないで、LOVE AGAIN』。
1983年にリリースされた4thアルバム『STARDUST SYMPHONY '65〜'83』からのシングルカット。タイトル通り1965年前後の英米のヒットパレードのサウンドを1983年の音楽観から切り取った内容。銀次さんのオールディーズへの深い愛情を感じさせます。
この曲はダスティ スプリングフィールドの「I ONLY WANT TO BE WITH YOU」をモチーフに軽快なブリティッシュビートのパワーポップに仕上げています。
リードギターと若干のパーカッション以外はマニピュレーター、松武秀樹氏によるデジタルサウンドですが、テクノポップとまではいかない程よいロック風味。
そして作詞に銀色夏生さんを起用しています。
大沢誉志幸さんの作品を手掛ける前で、作詞家としてデヴュー間もない頃の作品。
十代向けのライトノベルの様な瑞々しいコトバの軽さ。
先見の明のある銀次さんらしいナイスチョイス。
数年前に再発された「STARDUST SMPHONY」の紙ジャケのボーナストラックにて、杉 真理さんとバンドを組んでの「泣きやまないで、〜」の疾走感溢れる生演奏もカッコいいです。
B面は『DISNEY GIRL』。
ブルース ジョンストンの繊細で耽美的な名バラードを思い浮かべてしまいますが、同名異曲。
彼方からフェイドインして来るミディアムテンポのメロウな調べ。
康 珍化さんの描く歌詞、慌ただしく過ぎて行く日々に置き去りにされた二人の恋の行方。
銀次さんのマイルドな歌唱はウェット過ぎない魅力があります。
シンプルなバッキングの抑えた演奏も切なさを醸し出しています。
もの悲しい繊細なハーモニカのソロも美しい。
エンディングの水面に反射する光の揺らぎの様なシンセサイザーの響きが鮮烈な余韻を残します。
銀次さんの今回のツアーは終ってしまいましたが、恐らくまた近いうちに元気にライヴを再開してくれると思いますよ。ファンの方なら絶対楽しめると思います。
銀次さんのポップなメロディはもっともっと再評価されて良いと思います。
「ウキウキ WATCHING」の作曲者なのですから。
「I STAND ALONE」のライヴツアー毎にリリースしている、アコギでのセルフカヴァー集「I STAND ALONE」のVol.1〜3もおススメです。
『泣きやまないで、LOVE AGAIN』《7P-71》〈作詞：銀色夏生／作曲・編曲：伊藤銀次〉（03’14’’）【1983】
- アーティスト: 伊藤銀次,伊藤銀次,伊藤銀次,売野雅勇,大貫妙子,神田広美,高野祐
- 出版社/メーカー: バウンディ
- 発売日: 2010/07/28
- メディア: CD
- アーティスト: 伊藤銀次,伊藤銀次,伊藤銀次,夢野よう太,康珍化
- 出版社/メーカー: バウンディ
- 発売日: 2010/07/28
- メディア: CD
銀次さんのライブにも行かれたんですね！
アコギ一本で歌う銀次さんの甘いボーカルを堪能された事でしょう。
紙ジャケを何枚か買いましたが、この曲は多分聴いた事がないかも。
作曲者やアレンジャーとしてのイメージが強くて、ちょっと損をしてる感がありますが、ボーカリストとしても魅力あるミュージシャンなんですよね。
by いとぞう (2010-09-19 20:28)
＞いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
「スターダストシンフォニー」も素晴しいアルバムです。
ライヴも機会がありましたら是非足をお運び下さい。
絶対楽しめますよ。
by 都市色 (2010-09-23 02:41)