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『オムニバス1 大瀧詠一ファーストアルバムカヴァー集(2010)』 [ナイアガラ]

オムニバス.JPG

こんばんは。
遂に、この面白そうで面白くない少し面白いブログも間もなく更新500回へのカウントダウンが始まりました。
だからどうしたと言うコトではないですが、水面下で密かに盛り上がって行きましょう。
今回はヴァラエティ豊かな一枚を。
今年の春にリリースされた大瀧詠一さんのファーストアルバムのカヴァー集がアナログの10インチで最近発売されました。勿論あのカヴァーアルバム全曲収録ではありません。
それではこのブログでは取りあげられませんから。
5曲入りのEPとして。
こちらもアートワークは中山 泰さんによるもの。

もう40年近く以前に発表されたアルバムながら、未だに不思議な存在を放つ一枚。
大瀧詠一の「大瀧詠一」。
青年期の瑞々しい大瀧さんの歌声と、メロディアスからノベルティまでカラフルにヴァラエティにユーモラスに富んだ楽曲、そしてアメリカンヒットパレードへの深い憧憬と洞察に充ちたサウンド。
僕がこれまでのリスニングライフで一番、再生回数の多いアルバムはコレです。
全曲そらで曲順通りに歌えます。
このアルバムは日本の多くの後発ミュージシャンへの影響も大きいのです。
その影響の豊かさを垣間見せる「オムニバス 1」の10インチから。
元々大瀧さんのファーストは「オムニバス」というタイトルを予定していたそうですね。

A面一曲目はスウェーデン音楽大使ことカジヒデキさんによる「恋の汽車ポッポ 第二部」。
カジヒデキさんの記念すべきファーストアルバム「ミニスカート」には「ロンバケ」へのデディケーションが込められていたコトは忘れられません。
アメリカンポップスへのオマージュとも云えるこの作品を、草原を疾走するような爽快なネオアコサウンドで彩っています。
12弦ギターの繊細な調べ。
木暮晋也、HARCO両氏のバッキングもギターポップ度を上げてます。
YUPPAさんのチャーミングなコーラスもイイ感じ。
改めて聴いてみると大瀧さんとカジヒデキさんは声が似ているように思えます。少年の様な歌声。

二曲目は曽我部恵一さんによる「びんぼう」。
彼こそが90年代の大瀧チルドレンの急先鋒でした。
サニーデイサーヴィスによる幼稚園での実況録音盤でもこの楽曲が取りあげられていました。
あれから十年後の再カヴァー。
今回もライヴ音源。
曽我部さんのお膝元、下北沢の高架にて、iPHONEで録音した作品。
大瀧さんが当時、小型のカセットレコーダーにイアフォンを差して持ち歩いていたということを考えると不思議な因縁とテクノロジーの推移を感じます。
路上にて、アコギ一本でニューオリンズのブルーズミュージシャンよろしくワイルドに熱唱しています。
途中、自動車が走り抜ける音が聴こえて来るのが臨場感があっていいですね。
長年歌い続けてるので唄のこなれ具合も結構。

B面に移って。
一曲目はCHiP SHOP BOYZなる英国人と日本人による.ユニットと女性シンガーのカコイミクさんによる「水彩画の町」。
原曲はフォークでしたが、中南米のエキゾチックなサウンドに塗り上げられています。
浮遊感のある音が心地好く、カコイミクさんのハスキーな歌唱も瑞々しい。

二曲目は小島麻由美さんによる「朝寝坊」。
原曲もジャズでしたが、こちらもジャジーに迫ってますが、彼女のはキュートなジャズ小唄。
掴みどころのないユーモラスな演奏。
転がり落ちるようなDr.kYonさんのアコーディオンとピアノ演奏も朗らか。
無邪気にスウィングする小島嬢の歌い方も曲調にピッタリ。

三曲目はHMOとかの中の人。による「あつさのせい」。
まさに今年の怒濤の猛暑に相応しい曲ですね。
PAw Lab,による音声合成ソフト、初音ミクのボーカルをフィーチュアした〝HATSUNE MIKU ORCHESTRA〟による奇抜なカヴァー。
まさに21世紀ならではのアイディア。
YMOのカヴァーアルバムもリリースしてますね。
ファミコンみたいな素っ頓狂なデジタル音に乗って、ネジが飛んだようなイカレタデジタル声。
ホントに暑さでのぼせ上がっちゃったような声をしてますね。
聴き様によってはムシ声にも聴こえます。
「帰ってきたヨッパライ」な感じも。
これを聴いて大瀧さんが苦笑いしてるのが目に浮かぶようです。
「そんなんありかよ…」なんちて。
まさに何でもアリなナイアガラらしいノヴェルティなカヴァー。イイネ!

う〜ん、
オール アバウト ナイアガラ!!な一枚。

『オムニバス1 大瀧詠一ファーストアルバムカヴァー集(2010)』《JS10S002》【2010】


オムニバス1~大瀧詠一ファーストアルバムカバー集(1980~2010)~

オムニバス1~大瀧詠一ファーストアルバムカバー集(1980~2010)~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: バウンディ
  • 発売日: 2010/03/21
  • メディア: CD



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コメント 2

いとぞう

一瞬、ん?コレってアルバムじゃ・・と思ったら、5曲入りEPとしても発売されてたんですか!知りませんでした。
「ロンバケ」などのアルバムと比べると、初期の大瀧さんの楽曲のほうが他アーティストにとって、いじり甲斐があるというか、どんな風に解釈しても構わないような自由さを感じます。それだけにアーティストの個性がそれぞれの楽曲によく表れてますよね。
個人的には特に曽我部恵一さんの「びんぼう」がお気に入りです。
by いとぞう (2010-09-15 19:16) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
「ロンバケ」は完成された美しさがありますね。
この楽曲にはこのアレンジが最も相応しいという無駄のないサウンドで構築されてますが、ファーストにはまだもう少し遊び余白がありますね。
by 都市色 (2010-09-19 07:42) 

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