『なぜか今日は/The Birthday』 [邦楽ロック10年代]
こんにちは。
混じりっけなしのロックンロールを紹介しましょう。
ボサもいいけど、ロックもね。
ハイ、THE BIRTHDAYです。
彼らの今年四月に出たシングル「なぜか今日は」。
この曲を聴いたのはもっと前なのですが取りあげるのが遅くなってしまいました。
「なぜか今日は」を聴くまでTHE BIRTHDAYの音楽を聴いたことが無かった軟弱者な僕です。
最近、このシングルを収録したニューアルバム「I'M JUST A DOG」の限定のアナログ盤を買いまして、感激しました。
さて、「なぜか今日は」。
このシングルからバンドのギタリストに抜擢された元マイ リトルラヴァーの藤井謙二さん、あらため、フジイケンジさん(3.08)のリードギターが弾けます。
8ビートの荒野を疾走。
まっしぐらで先鋭的で瑞々しい演奏。
そして胸の透く、ピリリと刺激的なメロディに心が開放されます。
彼らの演奏が描くロックンロールのフォルムのカッコ良さ。
永遠に古びないフォルム。
東京の街角の日曜日の風景をインスタントに切り取った歌詞。
♪なぜか今日は殺人なんて起こらない気がする
だけど裏側には何かがあるような気もする でも
この「でも」が深いですね。
チバ ユウスケさん(7.10)の鋭い眼光が見抜くコトバ。
二曲目は「2秒」。
ワイルドでやさぐれたギターのフレーズが遠慮なしにリスナーの耳に切り込んできます。
ドライヴする演奏。
弾力のあるベースと八方破れなドラミングの突進力。
あらくれた歌声とメロディの転調。
三曲目は「爪痕」。
乾いたギターのカッティングに導かれて哀愁のメロディーが轟きます。
恋の終りと夏の終り。
心の動揺を伝えるような揺れるベースライン。
激情とやるせなき思いを同居させて歌うチバさんの哀唱。
この曲だけ「I'M JUST A DOG」に未収録です。
バンドの演奏自体の素晴しさは勿論のコト、
チバユウスケさんのヴォーカルの威力も凄まじいですね。
彼の発する歌声、まるで空気を切り裂くような、いや空気を破裂させるような暴発音。
そのノイジーなヴァイブレーションはエレクトリックギターの音色にも負けていません。
丁度、この夏はDr.フィールグッドのドキュメンタリー映画を観まして、あらためてフィールグッズのカッコ良さにハマったりストーンズを聴き返したり、鮎川 誠(5.12)さんの素晴しいロックンロールのディスクガイドを読んだりと、ロックンロールに夢中だったのでTHE BIRTHDAYの新作はとても心に響きました。
山下達郎さん(2.04)もTHE BIRTHDAYの熱心なファンだと聞いて、なるほどと思いました。
ライヴも体験してみたいですね。
因にこのブログにアップされてるのは通常盤のシングルの裏ジャケです。
最後に、この「なぜか今日は」を僕に教えてくれたのはロック漫筆家の安田謙一(1.25)さんでした。
安田さんがラジオ関西でパーソナリティを務める番組「夜のピンチヒッター」でオンエアされたのを聴いて、気に入ってしまったのです。
この番組は本当に面白いし、素晴しい内容です。
全ロックファン、いや全音楽ファンが必聴のプログラムなのですが、
今月で終了してしまいます。
安田さんの音楽への大らかな愛情、どんなジャンルの音楽にも温かく熱い視線。
そしてユーモア。
彼の代打はいません。
音楽評論界の宝では無いでしょうか。
神戸の星では無いでしょうか!
これからも僕は安田さんのラジオが聴きたいです。
そう、フィールグッズの映画を観たときにトークイベントも行われていて出演されいたのが安田さんでした。もう一人は鮎川さんのディスクガイドにライターとして参加されているキングジョー氏でした。
ROCK AND ROLL FOREVER !!
以上、都市色(4.23)がお送りしました。
『なぜか今日は』《5320》〈作詞:チバ ユウスケ/作曲・編曲:THE BIRTHDAY〉(04’07’’)【2011】
コメント 0