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『夜間飛行/microstar』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。
今夜はマイクロスターのシングルを。
先月にリリースされた、約一年ぶりの作品。
今回も同内容のCD-Rを封入した7インチシングルです。

マイクロスターは過去の素晴らしい音楽遺産を現代に蘇らせてくれます。
その取捨選択のセンスが素晴らしいです。
それはトレンドとかファッションとかとは無縁の音楽へ無償の献身。
古今東西の音楽という広く雄大な世界を旅しているかのようなマイクロスター。
飯泉裕子さんと佐藤清喜さんによるエヴァーグリーンなポップスユニット。
今回のジャケットも前回のシングル『夕暮れガール』同様に女性の後姿がチャーミングにデザインされていますね。
ロマンティックなデザインは同じく、高瀬康一氏。

前回はサバンナバンド風なキッチュでモダンなディスコミュージックでしたね。
今回案内してくれるのは、少し懐かしい70~80年代的なシンセサイザーの音色を生かしたポップスワールド。
具体的にはRAH BAND風な。
僕がRAH BANDを知ったのは砂原良徳さんのファーストソロアルバム『Cross over』で『Clouds across the moon』をカヴァーしていたのを聴いたことがきっかけでした。
ですので今回のシングルはまさにあの曲のもつムード、〈夜間飛行〉、きらびやかでロマンティックでミステリアスで、スペイシーな意匠をマイクロスターならではのピースフルなポップスに見事に取り込んでいますね。
夜の闇の中を、星の瞬きの間を、優雅に進むジェットストリームサウンド。
飯泉裕子さんのナチュラルで癖のない歌声とアナログシンセサイザーのキラキラした響きを従えて、ほうき星のようなメロディが駆け抜けていきます。
リズムは達郎さんの『甘く危険な香り』や、まりやさんの『プラスティック・ラブ』っぽい跳ねたビートで。
空から見える街の灯火たちに言い様のない郷愁を感じることが多いのですが、この曲にもどこか懐かしいピースフルな感慨を覚えます。
それが音楽のひとつの魅力でもありますね。
時代を超えた感覚。

B面は『Happy Christmas to you from me』。
クリスマスソングのカヴァーです。
この曲は知りませんでした。
でも僕の好きなリンジー・デ・ポールが書いてるのですね。
バリー・ブルーという男性とのデュエットソングです。
スペクターサウンド風のエコーの深いサウンドに包まれてハートフルな歌とメロディが聴こえてきます。
ここらへんはもう佐藤氏の独壇場。ホームグラウンドなサウンドメイキング。
ほとんど“Uchikomi”、プログラミングで作っているのにドラムの音やストリングスの響きが生楽器っぽい音だし、アナログのような感じだし、佐藤氏の職人ぶりが伺えますね。
さらに、子供たちの元気な歌声も聴こえてきて、楽曲を一際朗らかにしています。
オリジナルバージョンにもチルドレンコーラスはありました。
子供たちのイノセントな声には適いません。
どうやら佐藤さんと飯泉さんのお子さんのようですね。
アットホームなファミリーで過ごす暖かなクリスマスのひとときが目に浮かびます。

去年、そして今年に一枚ずつ、素敵なシングルをリリースしてくださったマイクロスター。
この分なら来年にはアルバムも聴けるかも知れませんね。
星に願いをかけながら、気長にゆっくり待ちましょう。

『夜間飛行』《HCR-9658》〈作詞:飯泉裕子/作曲・編曲:佐藤清喜〉(04’12’’)【2012】


夜間飛行(アナログ7inch) [Analog]

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: High Contrast
  • 発売日: 2012/11/21
  • メディア: LP Record



マイクロスター・アルバム

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ヴィヴィド・サウンド
  • 発売日: 2008/05/21
  • メディア: CD



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