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『涙をたばねて/小川範子』 [邦楽女性アイドル/80年代]

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こんばんは。
ラグジュアリー歌謡をユージュアリーに紹介しています、『03'54''』。

ヨシリンに続きまして、歌の上手いアイドル歌手を取り上げてみたいと思います。
小川範子さんです。

僕と同い年です。
宮沢りえさん、後藤久美子さん、三浦理恵子さん藤谷美紀さん、ボビー・オロゴンさんも同じですね。
幼い頃から子役として活動していて、その後も女優として大活躍。
女優さんのイメージ、というか藤田まことさんの娘さんというイメージが強いですが、
歌手としても実力派でした。

これは1987年の11月にリリースされた彼女のデヴューシングル『涙をたばねて 』。
素敵なタイトルですね。

秘めたる想いを胸に、白い花束を手に、意中の彼をパティオで待ちぶせます。
現れた彼の隣には女性が寄り添って。
夢にまで見た光景は悪夢となって目の前に現れる。
胸に抱く白い花束、涙を添えてあなたに贈ります・・・・。

中崎英也氏による、愁いを帯びたマイナー調のメロディに乗せて贈る乙女の恨み節。
川村真澄女史による、若さゆえの残酷さと傷心を描いた歌詞。
あどけなさの残る歌声ながらしとやかに抑揚の効いた歌声で物語ります。
14歳(当時)とは信じ難い安定感。
演技派女優を裏付けるような確かな歌唱力。
聴き入ってしまいます。
山口百恵~中森明菜~大人びた少女の系譜。
文系女性アイドル歌手のサウンドを得意とする職人編曲家、萩田光雄氏の手腕も光ります。
オーソドックスな音像の中にミステリアスな気配を忍ばせて、
サビの直前の音階を駆け上るようなシンセのフレーズがドラマチック。



う~ん、名曲です。

B面は『嘆きの天使 』。
作詞家と編曲者は同じですが、作曲は井上ヨシマサ氏が担当しています。
アップテンポのノリの良いビートで情熱的なマイナーメロが疾走します。
範子さん演じる乙女の刹那な切迫感、素晴らしいです。

このまま、曲が終わり、レコード針が無音で内周の送り溝へ進むかと思いきや、
最後に範子さんからのメッセージが。
親しみやすいユーモラスな口調での自己紹介。
2曲でのシリアスな雰囲気から一転、当時14歳、等身大の素顔の小川範子さんを垣間見れます。

小川範子さんの作品はとても完成度の高い楽曲が多かったです。
作者冥利に尽きる高い歌唱力ですからね。
歴代のアイドルの中でも屈指でしょう。
2ndシングル『永遠のうたたね 』(作曲は山川恵子女史)も名曲だし、ラグジュアリー歌謡にも取り上げられた『ひとみしりAngel 』も好きです。
十代の少女の多感で不安定な心理を余すことなく表現しています。
時代が変わっても良いものは良いです。

“アイドルには歌唱力は要らない”、と言いますが、半分賛成であり、半分反対です。


涙をたばねて 』《07TR-1172》〈作詞:川村真澄/作曲:中崎英也/編曲:萩田光雄〉(04'12'')【1987】


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コメント 2

いとぞう

小川範子さんかぁ。なんか懐かしい・・当時、結構好きでした。
そういえばこういう曲や、どこか影のある雰囲気のアイドル歌手も最近ないですよね。アイドルの歌唱力云々に関しては「ウマすぎず、ヘタすぎず」が理想です。
by いとぞう (2013-04-10 23:14) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
じっくりと聴かせる曲が売れにくい環境ですね、最近は。
ダンスパフォーマンスやビジュアル戦略などが重視されていますし。
歌唱力に特化したアイドルもそろそろ現れてもいい気がします。
by 都市色 (2013-04-12 01:50) 

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