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『恋ほど素敵なショーはない/岩崎良美』 [邦楽女性アイドル/80年代]

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お早うございます。
『決定!日本ラグジュアリー歌謡選抜』の時間です。
ついに俺のラグジュアリー歌謡曲史上屈指の名曲の登場。

早速ご紹介いたしましょう、
岩崎良美さんで『恋ほど素敵なショーはない 』。
ヨシリン、はりきってどうぞ!



1983年1月リリースのシングル。

作詞は売野雅勇氏。
コピーライター的資質を持った、秋元 康氏と並ぶ80年代を代表するヒットメイカー。
ミュージカル映画の名作『ショウほど素敵な商売はない 』に引っ掛けて、
ミュージカルに勝るとも劣らないドラマティックな現実の恋愛をエンターテイメントに例えつつ、
思い通りにいかない人生の悲哀をスマートに嘆きます。
アイロニカルですが、ロマンティックでお洒落。

メロディも素晴らしい。
作曲および編曲は梅垣達志氏。
Charの『気絶するほど悩ましい 』や小柳ルミ子さんの『お久しぶりね 』『今さらジロー 』のヒット曲でも知られる方です。
起承転結が鮮やかな名作映画のようなメロディ。
流麗な旋律が淀みなく展開されています。
70年代、A&M調のポップカントリーなサウンド。
スタイリッシュでソフトでナチュラルで端正なアレンジ。
コンピューターの打ち込みでは表現できない奥ゆかしい優美さがあります。
生楽器の豊穣なアンサンブル。
ミドル・オブ・ザ・ロード。
曲のエンディングはステージに幕が下りるかのようなフェイドアウトで。
せつない余韻を湛えて。
美しすぎて悲しい・・・・。
泣きそうです。
ハンカチのご用意を。

そしてこの曲の主演女優、岩崎良美さん。
名演です。
歌詞という脚本をちゃんと理解し、堂々と歌で表現しています。
繊細で健気なヒロインを情感を込めて見事に演じています。
ヨシリンほど素敵な歌手はない、です。
しなやかで伸びやかな歌声。
シルクの如きソプラノの響き。
耳元をさわやかに吹きぬける春風のよう。
彼女の人柄がにじみ出るような純粋で優しい響きが楽曲をさらに豊かなものにしています。
お姉さんに勝るとも劣らない歌唱力。
今のヒットチャートを席巻している歌手で彼女ほどの歌唱表現を持った人が何人いるでしょうか。
いまの流行はヨシリンのような歌手をシンガーを必要としていないのでしょうか。
残念です。
彼女の代表曲は『タッチ 』だけではありません。
勿論、『タッチ 』が悪い曲だとは云いません。

この曲の存在を知ったのは、桑田佳祐さんが80年代にプレイボーイ誌上で連載していたコラム『ケースケランド 』がきっかけでした。
比較的、このコラムでは当時の洋楽を取り上げることが多かったのですが、珍しく国内のポップスで桑田さんが評価していたのがこの曲だったのです。
実際この文章を読んだのは文庫版でした。
大人になってから中古レコードで手に入れて聴いた訳ですが、
滅多に同時代の歌謡曲を褒めない桑田さんが惚れこむのも納得の名曲だと判りました。
本当に名曲です。
桑田さんありがとうございます。

別にラグジュアリー歌謡とかそういうカテゴリーも要らないかもしれないですね。
とにかく僕はこの曲が大好きなんです。
それだけ。

B面は『まぶしい扉 』。
作詞はShow、作曲は岩里美央さん、そしてアレンジは大谷和夫さん。
こちらも“ウディ・アレン”という名詞が出てきたり。
A面に劣らず、ハートフルで清廉さを湛えたラブソングです。
ミュージカルの様な華麗なストリングスが鳴り響くイントロから素敵です。
ヨシリンの潤いと張りのあるクリアな歌声も光ります。

彼女の楽曲も林 哲司、加藤和彦、尾崎亜美、鈴木 茂等々、シティポップス系の第一線の作家が多く関わっていました。
ごめんねDARLING 』、『愛してモナムール 』、『マルガリータガール 』、『I think so 』などなど、
今聴いても素晴らしい作品が多いですね。
洗練された洋楽のエッセンスを取り入れた作品を理想的に歌いこなせる一流の歌手。
そういえば、モーニング娘。11期メンバーに選ばれた小田さくらさんはなんとなく、ヨシリンの面影が重なります。
彼女も歌唱力が秀でています。

1980年のデヴューというコトで松田聖子さん、そして河合奈保子さんと同期です。
彼女たちに比肩する素晴らしい歌唱力をもったシンガー。
お姉さん同様、今でもコンスタントに活動されていますね。
その歌声は全然変わらなくて、いつまでも歌い続けてほしいです。

恋ほど素敵なショーはない 』《7A0241》〈作詞:売野雅勇/作曲・編曲:梅垣達志〉(03'37'')【1983】


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コメント 5

いとぞう

綺麗な曲ですね。まさに”ラグジュアリー歌謡”という表現がピッタリだと思います。岩崎良美さんの歌声も素敵です。言われてみるとたしかに今の時代、こういう歌い手の方ってなかなかいなくなりましたね・・なにか大事なものを忘れてるような気がします。大ヒットした曲のイメージしか持たれない人っているんですよね。勿体ないです。当時、聖子ちゃんと仲良しでしたよね~。
by いとぞう (2013-04-08 18:13) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
岩崎良美さんは曲だけがラグジュアリーではなく、歌もラグジュアリーなんですね。
イイ曲が必ずしも売れるとは限らないのが難しいですけれど、
売れるとか売れないに関係なくこの曲は完璧です。

by 都市色 (2013-04-09 23:10) 

ノリ

ワタクシ不勉強で知らなかったのですが、いい曲ですね。
お姉さん同様優れた歌唱力の良美さん、確かに「タッチ」だけではもったいない。
小田ちゃんは…言われてみれば、似ているような。
彼女の歌唱力については、まだ未知数なところがありますね。
ところで、歌謡選抜の小川哲哉さんはお元気でしょうか…。
by ノリ (2013-04-13 18:14) 

都市色

>ノリさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
姉の宏美さん同様素晴らしいですが、微妙に個性が違っていてそれも魅力的です。
小田ちゃんを間違えて12期と表記してしまいました。
謹んで訂正させていただきます。
12期オーディション受付中なのでなんとなく書き間違えてしまいました。
小川哲也さんはテレビの“ザ・チャンス”でもよく覚えています。
現在どうされているのでしょうね。
by 都市色 (2013-04-14 13:11) 

ふーたん

都市色さん、はじめまして。
私は良美さんのファンなんですが、特にこの曲が大好きなんです。
こんなに難しい曲なのにサラッと歌いこなせるなんて流石ですね。
この曲と「オシャレにKiss Me」と「愛はどこに行ったの」が聴きたくて、ぼくらのベストCD-BOXを思い切って買っちゃいました。
アルバムの曲も名曲が多くて、高い買い物だったけどすごく得した気分になりました。
良美さんは現在、土曜日の朝に教育テレビで放送されている「おさるのジョージ」の主題歌とナレーションを担当されていますが、結構難易度が高い曲なのに軽やかに歌われててこれまた流石なんですよ^^。
他の記事も読ませてもらいましたが、とても面白いのでまた近いうちにコメントしたいと思います。


by ふーたん (2014-09-02 17:07) 

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