『風は西から/奥田民生』 [邦楽ロック10年代]
こんばんは。
奥田民生さんのニューシングル。
『風は西から』。
野球は二死からとも申します。
しまっていこうぜ。
民生さんのソロ活動には二種類あるようですね。
外向的と内向的。
積極的にコラボレーションを楽しむ姿勢と、とことん一人になって音楽を追及する姿勢と。
前者としては、石川さゆりさんとシングルを出したり、ユニコーンを再結成させたり、真心ブラザーズと組んだり。
相変わらずフレキシブルな音楽スタイルながらも、我が道をブレずに邁進します。
柔軟な求道者。
そして今回は後者のソロ活動。
まもなくリリース予定のアルバム『OT COME HOME』からの先行シングル。
マイペースな奥田民生流のロックンロールです。
演奏をすべて一人で担当しています。
出身の広島に本社を置くマツダ自動車のCМソングでもあり、ドライヴにぴったり。
地に足の着いた、流行に流されない気骨のあるメッセージを搭載したこだわりの音響で疾走する演奏。
シンプルなメロディ、雄弁でエネルギッシュな歌と演奏。
シングルには他に2曲の音源が入ってます。
2曲ともイベントのライヴ音源で、斉藤和義さんと、お互いの持ち歌で共演しています。
民生さんのアルバム『CAR SONGS OF THE YEAR』の中の曲『And I love Car』と斉藤さんのヒット曲『うたうたいのバラッド』。
どちらも飄々としたスタンスで我が道を往く感じが似ていますね。
もう一曲『風は西から』のカラオケも入っています。
そして初回盤にはDVDも入っていて。
ここら辺は最近のシングルにはデフォルトですが。
このシングルの初回盤の最大の魅力はなんと、『風は西から』のマルチトラック・データを収めたCD-Rがもう1枚ついてるという事です。
ボーカル、ギター、ドラム、ベース、パーカッション類の演奏データが入っています。
民生さんの以前のシングル『最強のこれから』にはレコーディング過程(録音、ミックス作業)を詳細に映像化したDVDが付いていて、それも大きな話題になりましたが、それをさらに発展させた企画。
同曲を収録したアルバム『OTRL』の楽曲もライヴ会場で公開レコーディングして生まれました。
今回のCD-Rをパソコンの音楽制作編集ソフトに読み込ませることで、自由に音源を使って、リミックスを作ったり、サンプリングしたり、はたまたオリジナルソングを作っちゃったり出来るのです。
今の時代に即したクリエイティヴなアイディアだと思いました。
自分のサウンドの秘密を公にしてしまうことは、ミュージシャンとしてはなかなか勇気の要ることだと思いますが、敢えてそういう事をやってしまう懐の大きさ。
音楽を共有しようとする寛大な姿勢、凄いですね。
男ですね。
今はなかなかCDが以前ほど売れる世の中ではないので、レコード会社はさまざまなアイディアや特典を付けて、ソフトを売ろうとしていています。
だからって安易に流行に迎合している訳ではなく。
彼なりの音楽への遊び心がありますね。
さすが奥田民生ですね。
DVDには上記の曲のレコーディング風景も収録されてます。
値段は少々高いですが、彼のトライアルの心意気は買います。
早くアルバムが聴きたいです。
ライヴにも行きたいですねぇ。
『風は西から』《KSCL2296~8》〈作詞・作曲・編曲:奥田民生〉(03'37'')【2013】
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