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『電話しても/村田和人』 [邦楽ロック/80年代]

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こんばんは。
村田和人さんがお亡くなりになりました。
御病気が悪化されて帰らぬ人となりました。
近年は短いスパンでコンスタントに新作を発表されていました。
これからもずーーっとお元気だと思ったのですが。
そのどの作品も夏や太陽をイメージした明快なサウンド、そして瑞々しい歌声。
病に蝕まられているコトを悟らせないような旺盛な創作意欲で。

湿っぽい文章は村田さんに失礼ですね。
元気に参りましょう。

村田和人さんの音楽を知ったのは達郎さんの手掛けられた作品を通じてでした。
デヴューは達郎さんが発足したレーベル“MOON”からでした。
そのデヴューシングル曲を紹介したいと思います。
『電話しても』。
デヴューアルバム『また明日』の一曲目、アレンジも達郎さんです。
聴けば達郎さんが担当してるのが良く判ります。
この曲は大好きで大好きで、これまで何度もリピートして聴きました。
村田さんの曲には好きな曲が多いですが、シングルではこの曲が一番。

センチメンタルな片想いソング。
電話越しに想いを伝えようと試みるも、毎回告げられずに終わってしまう男の悲哀。
僕もこういう経験が学生時代あったので実にリアルです。
そんな切実な気持ちを癒してくれるメロディラインの素晴らしさ。
決して明るくはなく翳りのある旋律ですが気分が落ち着くのです。
村田さんのソングライティングの才能が遺憾なく発揮されていますね。
なんと19歳の時の作品だそうです。
この曲は達郎さんもお気に入りで、この曲を聴いて、もしも村田さんがデヴューしていなくてもこの曲をご自身で歌いたいと思ったそうです。
聴けば判る達郎さんの鉄板ギタープレイ。
間奏のギターソロも音数が少ないのが味わい深い。
ハモンドオルガンも達郎さん。
リズム隊は青山純さん、伊藤広規さんコンビ。
シンプルなコンボ演奏が楽曲の良さを引き立てています。
村田さんのややソフトな歌い方もイイですね。



数年前にアルバム『また明日』が紙ジャケットで再発されたときに、ボーナストラックでこの曲のデモバージョンが収録されていました。そちらは鈴木 茂さんがアレンジしています。
茂バージョンは16ビートの跳ねた演奏で展開されています。
ギターも勿論茂さんが弾いてます。
アレンジは少し派手な感じがします。
茂バージョンが悪い訳ではないですが、
原曲の悲恋の世界観にはやや内向的な達郎アレンジの方が僕は好きです。

それにしても一曲に達郎さんと茂さんという二大ミュージシャンがそれぞれにアレンジしたバージョンが残っていてそれを秤にかけるとは実に贅沢な時代だったのでしょう。
今では考えられないコトです。
それだけ音楽が豊かな時代だったという事だと思います。

B面は『波まかせ風まかせ』。
こちらもアルバム『また明日』収録曲。
作詞は新井正春さん、アレンジは村田さん。
ビートルズが好きな村田さん、これはポールの『Honey Pye』風のオールドタイミーな曲調。
村田さんご自身の多重コーラスも爽やか。
アルバムでは茂さんが編曲していますがそれほど違いはありません。

村田さんの生前最期のアルバムは2014年の『P-CAN』でした。
作詞は安藤芳彦さん、田口 俊さん、ギターに山本圭右さんと、長年村田さんの楽曲やサウンドを支えてきたお馴染みのメンツでの相変わらずのフレッシュなサウンドが聴けました。
このアルバムを僕は東京は武蔵小山のペットサウンズで購入しました。
このアルバムはライヴ会場とペットサウンズでのみ入手可能なアルバムで、購入したときに付いてきたペットサウンズ限定のリーフレットには村田さんへのインタビューが掲載されていて、次の作品の具体的な構想も語られていました。


その志は叶えられなかったのですが、最後の最後まで音楽へのパッションを失うことなく前を向いて生きておられた村田さんには尊敬の念を抱かずにはいられません。
結果として目的が実現したか否かの違いでしかなく、その人生に悔いはなかったと思います。

その生命の輝きこそが村田さんの夏、太陽そのものなのです。

これからも大切に音楽を聴いていきます。

ありがとう。

達郎さんは先週のラジオで最後に『一本の音楽』をオンエアされました。
ライヴではその曲を弾き語りで唄われたそうです。

『電話しても』《MOON 701》〈作詞・作曲:村田和人/編曲:山下達郎〉(03’47’’)【1982】


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いとぞう

80年代シティポップスを彩ったアーティストの訃報は寂しいですね・・村田和人さんの曲は都市色さんに以前いただいたMDでも楽しく聴かせてもらいました。達郎さんが惚れ込んだのも納得のサウンドでした。

by いとぞう (2016-03-07 21:49) 

都市色

>いとぞうさん、コメントありがとうございます。
返事が遅れていつも申し訳ないです。
80年代と言う時代が何だか予想以上に今は輝いて見えます。
何ででしょう。そして遠く感じます。
村田さんの音楽はもっともっとずっと聴いて欲しいです。

by 都市色 (2016-04-13 03:17) 

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