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『がんばれば愛/クレージー・パーティー』 [ナイアガラ]

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こんばんは。
約ひと月ぶりの更新となりました。
二月~三月は仕事の繁忙期でありまして、帰宅するとご飯を食べたらバタンキューの毎日でした。
ようやく四月になって少し落ち着いてきました。

これからも少しづつマイペースで更新して行く筈ですので、よしなに。

まずはこのシングルです。

久々のアニメソング。
プロ野球シーズン開幕!という訳で。

アニメーション映画『がんばれ!! タブチくん』の第二段『激闘ペナントレース』のテーマソングです。
タイトルは『がんばれば愛』。

『がんばれ!!タブチくん』は勿論当時、西武ライオンズの一員だった田淵幸一選手をモデルとした、
いしいひさいち先生による四コマ漫画でした。
この漫画の単行本が当時、自宅にありました。
恐らく父親が買ってきたのだと思うのですが、これを読みだしてハマりました。
小学校低学年の頃の僕です。
野球について、ましてやパ・リーグについての知識は無に近いほど乏しかったにも関わらず、子供ながらに楽しかったのです。
実在の選手をコミカルに描いているという、以前にその絵柄の面白さに魅了されたのだと思います。
少し大人になってから読み返してもやはり面白いのです。
ここからいしいひさいちワールドにのめり込み始めていきます。
同時期に始まった『おじゃまんが山田くん』に夢中になるのも時間の問題でした。

勿論、このアニメのテーマソングを拙ブログで取り上げない筈がありません。
いしいひさいち先生への想いも語っています。
ホント偉大なる四コマ漫画家なり。

それはそれとして、
このアニメのテーマソングは不思議とずっと記憶に残っていて良く覚えていました。

そしてこの曲を作曲したのが何と大滝詠一さんだと判ったのは20代の初めでした。
吃驚しました。
1995年にリリースされた『大滝詠一作品集 VOL.2』にこの曲が収録されていたのです。
この曲が作られる経緯は大滝さんご本人の解説に詳しいです。

ここで“いしいひさいち”と“大滝詠一”という個人的に大好き過ぎる方がリンクして嬉しかったです。



作詞は大滝さんとCМソングで数多く共作した伊藤アキラさん。
プロ野球の世界と全く関係ないナンセンスな言葉遊びが展開されていますが、
いしいひさいちワールドと何だか繋がっている気がしてイイ塩梅です。
伊藤さんの歌詞を元に編み出した大滝さんのメロディはお得意のお囃子ポップス風に。
朗らかでキャッチ―な旋律が楽しいです。
『ゴー!ゴー!ナイアガラ』(アルバムの)辺りの曲調を髣髴させます。
アレンジは大滝さんによるものでは無く、乾 裕樹氏が担当していますが、コーラスは大滝さんの多重コーラスで展開されています。だから多分にナイアガラっぽくてユーモラスです。
この曲のコーラスも聴きどころです。
リードヴォーカルを務めているのがスターダスト・レヴューの根本 要さんで、これまた驚きです。
なんとまぁ、豪華な組み合わせ。
この作品での曲想が翌年(1981年)に発表される『君は天然色』で活かされているのは後々判ってきたことです。間奏のところとか、リズムとか似ていますね。
『がんばれば愛』を含め、70年代からの様々な試行錯誤の成果が『ロング・バケイション』に込められているのです。

B面は『涙の誘惑ストリート』。
マイナー調の歌謡ポップスって感じの作品。
作詞:岡田冨美子、作曲:鈴木キサブロー、編曲:乾 裕樹
根本さんのヴォーカルはこ歌謡メロと実に相性が良いです。


ハイ、今回このシングルを取り上げたのはプロ野球開幕だから、というのは世を偲ぶ仮の姿、
本当は、大滝詠一名義の新作アルバム『DEBUT AGAIN』がリリースされたからに他なりません。
このアルバムに対する複雑な感情は、レコードコレクターズのアルバム特集号での安田謙一さんによるレヴューが代弁して下さっています。有難いです。
このリリースを大滝さんはどのようにお考えなのだろうと、言う気持ちは勿論死人に口なしなので判りません。
萩原健太さんによれば、このような未発表音源については《死後公開だな》というコメントをされていたと、雑誌のインタビューで知りました。
イロイロ考えますが、結局音楽というモノは作者の考えていた意図とは無関係にリスナーへ聴かれていくのだと改めて思いました。
どんなに完璧主義な音楽家でもリスナーの耳までコントロールすることは難しいのだと思います。

そんなモヤモヤした思いをよそに、『DEBUT AGAIN』は清々しいほどに歌手・大滝詠一の魅力を堂々と響かせています。
もうどうでも良くなってしまうほど。
初回盤のDISC-2での通称《リハビリ・セッション》でののびのびと快調な唄いっぷり。
いち音楽ファンとして、ロックンロール・ラヴァ―として歌と演奏を楽しまれているのが見事に記録されています。

今後、このような未発表音源の公開がさらに実現されるのか判りませんが、日本の歌謡史上もっとも数奇な音楽家の存在への興味はまだまだ尽きないのです。


それにしても、プロ野球のこと、全然書いてませんね。
申し訳ない。
また今年も友人と観戦したいなぁ、と思ってます。


『がんばれば愛』《DKQ1082》〈作詞:伊藤アキラ/作曲:大滝詠一/編曲:乾 裕樹〉(04’04’’)【1980】



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いとぞう

がんばれ!タブチくんはもちろん観たことありますが、残念ながらエンディング曲のリアルタイムでの記憶がほとんどありません・・「SONGBOOK2」で聴いた時、こんな曲だったっけかな、というくらいで。
大滝さんは「4月=プロ野球開幕」と連想するくらいの野球好きだったので、このアニメでの起用は嬉しかったでしょうね。
根本要さんによるナイアガラサウンドを他にも色々聴きたかったです。
by いとぞう (2016-04-14 20:45) 

都市色

>いとぞうさん、コメントありがとうございます。
ユーモアがお好きな大滝さんもいしいひさいち氏の漫画をきっと注目していたと思います。
いしいひさいいち氏が大滝さんを絵に描いたらどうなるだろうと想像するとファンとしては楽しいです。

by 都市色 (2016-04-23 06:19) 

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