『● わたくしの二十世紀/PIZZICATO ONE』 [ピチカートファイヴ]
ピチカートマニアのみなさん、こんばんは。
時刻は3時54分なり。
田島さん、
野宮さん、
とくれば、その次は小西康陽さん。
ピチカートファイヴのリーダーによるPIZZICATO ONEの7インチ。
セカンド・アルバム『わたくしの二十世紀』からのシングルカット。
正確には同作のCD版の、です。
収録時間の関係上、アナログ盤には未収録の2曲がカップリング。
アナログシングル大好きな小西さんです。
PIZZICATO ONEとは?
シンガーソングライター的なエッセンスを持ったピチカート。
ピチカートひとり《独り》。
しかし、小西さんは(基本的には、ですが)リードヴォーカルを取りません。
多彩な歌手を起用して、既成の楽曲《レディメイド》で《孤独》を歌います。
ファーストアルバム『11のとても悲しい歌。』は洋楽のカヴァーでした。
『わたくしの二十世紀』はピチカートやピチカート解散以降の小西さんの楽曲で構成されています。
自作のセルフカヴァー集としては2002年の『戦争に反対する唯一の手段は。』に次ぐ内容。
A面は『戦争は終わった』。
1999年のピチカートファイヴのアルバム『PIZZICATO FIVE』収録曲。
唄うのはYOUさん。
彼女が歌手として唄うのは久しぶりなのではないでしょうか。
バラエティ番組に出る前は、fair childのヴォーカリストとして活動していました。
あの個性的なヴォーカルで小西さんの楽曲を聴けるとは思いませんでした。
野宮さん同様に年齢不詳な不思議な存在感を放っています。
この曲のカヴァーは先述の『戦争に反対する唯一の手段は。』でも有近真澄さんによって唄われています。
そもそもこの曲は有近氏が組んでいたユニットTVジーザスの楽曲でした。
作詞は小西さんで作曲が有近氏。
解散後に小西さんがコンパイルした自選集といえるピチカートの編集盤『ピチカート・ファイヴ・アイ・ラヴ・ユー』にも収録されています。
それだけ小西さんにっとって思い入れの深い作品なのでしょう。
女性による淡々としたモノローグの様な、日記のような歌。
なんとなく空虚な日常生活と隣り合わせの戦争の世界を静かに嘆きます。
ドラム、ベース、ピアノによるアコースティックのややアップテンポの演奏。
穏やかなYOUさんのヴォーカルはどこかもの悲しさを湛えています。
B面は『かなしいうわさ』。
2012年に再結成されたスクーターズに書き下ろされた楽曲をUAさんが歌います。
アルバムの収録曲ではもっとも新しいナンバー。
スクーターズのオリジナルバージョンも小西さんがアレンジを担当していますが、
そちらはノーザンソウル調のダンサブルなサウンドでしたが、
こちらはサザンソウルっぽいミディアム調のアコースティック編成でしんみりとした仕上がり。
UAさんの慈愛と哀愁が込められた歌唱が素晴らしいです。
今回も小西さんの近年の心境が反映されたような静かな歌もの集。
寄る年波に染み入ります。
名画座で昔の邦画を観ているような音楽。
『戦争は終わった』《JS7S124》〈作詞・作曲・編曲:小西康陽〉(03'24'')【2016】
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