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『悲しい気持ち( just a man in love )/桑田佳祐』 [桑田佳祐]


こんにちは。
初めて買ったシングルレコード(アナログ)のコトは憶えていますか?
では、初めて買ったシングルCDについては?
僕が初めて買ったアナログの7インチについては近い内、またの機会にしまして、初めて買ったシングルCDについて書きたいと思います。

初めて買ったシングルCDが桑田佳祐さんの「悲しい気持ち(just a man in love)」でした。
1987年の秋だったと思います。間もなく丁度20年経つのですね!

当時、中学二年生でした。サザンオールスターズの大ファンでした。ファンクラブに入っていた程。しかし当時サザンは休止中でした。メンバーはソロ活動中で1986年は桑田さんはKUWATA BANDで活躍してました。翌年、ソロ活動を開始。この曲が桑田さんのソロ・デヴューシングルでした。
この曲にはとっても驚きました。中二だった僕にはこれまで聴いていたサザンやクワタバンドと一線を画す洗練されたサウンドが耳に残りました。勿論桑田さんのメロディにも惹かれました。とっても大好きな曲で死ぬ程聴きました。魔法の様なポップス。
クワタバンドでの70代ロックの追求に疲れた桑田さんは等身大の軽音楽、ポップミュージックを意識していたそうです。

まず、印象的なイントロの軽やかなキーボードの音色に吸い寄せられます。そして弾けるようなリズム。これはコンピューターでプログラミングされたものでした。ミュージシャンのクレジットをみると、ドラム奏者が記載されていません。サザンもクワタバンドも松田弘さんが叩いていましたがドラムのプレイヤー表記がありません。この曲は、キーボード(小林武史氏)、ベース(琢磨仁氏)、ボーカル、 コーラス(杉真理氏)、そして「computer programming」(藤井丈史氏)のクレジットしかありません。
今では当たり前のことなのに、まだ中二の僕には驚きでした。
音数が少ないサウンドがポップでフレッシュで桑田さんのメロディが更に活き活きしている様に感じました。
この曲のアレンジャーにクレジットされていたのが小林武史さんと藤井丈史さんと桑田さん。この打ち込みによる音数の少ないクリアーなサウンドの鍵を握るのが小林武史さんだと云うことが分かるのにそれ程時間はかかりませんでした。
当時アレンジャーとして売り出し中の小林氏はこの曲が出た80年代後期からアレンジャー&プロデューサーとしての快進撃が始まります。
1988年に出た桑田さんのソロアルバムはいわずもがな、小林氏のソロデヴューアルバム「duality」ではアレンジャーのみならず、ソングライターとしての才が爆発しています。
大貫妙子さんはアルバム「new moon」(1990)から小林氏と数年間タッグを組んでいます。そしてミスチル、サザン&マイラヴァ、90年代のヒットパレードへと。
小林氏のアレンジは90年代にかなり影響を与えているのではないでしょうか。

話が逸れました。「悲しい気持ち」のアナログシングルのリリースは10月でとにかくこの桑田さんのシングルは、毎日のように聴いていました。一日何度も聴いていました。それから間もなく、当時新しかったメディアのCDにもシングル盤がリリースされ、この曲のシングルCDも出たので即買いました。
この時代のシングルCDは勿論8センチのサイズで短冊型のケース入り。初めてパッケージを見たときはドーナツ盤よりも味気ないな、と思いました。この短冊形のプラケースの下半分を折って更にケースをコンパクトに出来ましたが、あんまりピンと来ませんでした。
尚、現行の市販されている「悲しい気持ち」はマキシシングル仕様です。

それはそれとして、シングルCDの魅力はCDだから何度聴いてもすり切れないのことでした。でも今でもはっきり憶えているのはアナログ盤とシングルCDの音の違いでした。
それこそ繰り返し聴いていて、アナログの音が耳に刷り込まれていたのでCD版を聴いた時に音の違いに分かりました。
イントロのあの音色から違うのです。CDの方はキーボードの音が硬い気がしました。アナログのフワッとするまろやかさがかけている気がしました。ボンクラな中二の僕にも分かったのです。「初めて見たものを親と思う」という習性が作用していたのかもしれません。
しかしあのとき「CDよりアナログは音が良い」正確には「アナログの音がCDより劣っているとは限らない」というコトが分かったのは今思うと貴重な体験でした。
CDとレコードを聴き比べると云うのも面白いですね。

そんな気持ちと反比例してその後90年代へ移行して、アナログレコードは衰退の一途を辿っていきます。デジタルレコーディングの進歩で今はCDも音質は向上しているのでどちらがいいとは一概には言えなくなりましたが。
しかし、現代でも今だにアナログ盤がゾンビのごとく生命力を維持し、絶えるコト無く存在しているのは凄いことだと思います。

この曲はリズム・アレンジがダイアナ・ロスとシュープリームスの名曲「恋はあせらず」からヒントを得ているようです。実際僕が観た数年前の桑田さんのソロライヴで「悲しい気持ち」が唄われたときアレンジが「恋は〜」に酷似していました。モータウン・ビート、ということで「君が気高き孤独なら」と繋がりがあるかも。強引かな。

そして、当時ファンクラブに入っていたことは既に書きましたがFCを通じてこの「悲しい気持ち」の大型のポスターを入手しました。そのポスターには次の様なコピーが書かれていました。
「彼が作った恋の世界新記録は3分54秒の『悲しい気持ち』でした」
つまり、そういうことです。
このブログのタイトルのアイディアです。
このことに気づいたのはホンの少し前、この記事を書いている最中でした。思い出しました。
忘れていたのですが「03’54’’」というマジックナンバーはこの「悲しい気持ちの」の演奏時間なのです。デジタルの再生表記によっては「03’55’’」とか「03’56’’」となっているものもあるかもしれません。あしからず。

因みにシングルのB面、つまりカップリングは英語詞の「lady lack」。
当時コカコーラのキャンペーンで桑田さんがニューヨークへ出かけてホール&オーツと共演して曲を作るというプロジェクト関連の作品で見事に洋楽しています。コーラスてジョン・オーツが参加しています。このミディアムテンポの曲も奇麗な作品で好きです。隠れた名曲。この曲には小林氏は関わっていません。

『悲しい気持ち』(作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:小林武史、藤井丈史、桑田佳祐)(03’54’’)【1987】

マニアックといいながらマニアックな内容ではなくてご免なさい。次回から気をつけます。
それでは。


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うっち

当時、杉真理さんのラジオをよく聴いていて、この曲のレコーディングのことも話題になっていたと記憶しています。(内容は忘れてしまいましたが)
杉-桑田の意外な組み合わせにちょっと驚きました。

デジタルの音に慣れきった耳でたまにアナログを聴くとあまりの音の良さにびっくりします♪
by うっち (2007-08-28 18:46) 

都市色

>うっちさん。
コメントありがとうございます。
杉さんもコーラスに参加してますね!あの頃無知だった僕は「杉真理」って女性だと思ってました。
桑田さんと杉さんは仲が良いですよね。ラジオでゲスト出演したり。

アナログ盤も良い音してますよね!
by 都市色 (2007-08-28 18:52) 

桑田さんのシングルでこんなに話が膨らむって凄いですねー

このシングルが出た当時、
偶然、原さんと同じ婦人科に通っていましたよー!
もちろん、原さんよりはだいぶ年下ですけどね・・・w

そうですか、当時中二でしたか。

私が中二の時は、サザン好き&洋楽好きでした。
洋楽と言っても、ウンチクはなーんにも無く
ただただ好きに聴いていただけですけどね。
ぼーっと聴いて楽しんでました~。
by (2007-08-28 21:35) 

都市色

>橋蔵♪さん、
コメントありがとうございます!!
原さんと一緒の産婦人科ですか!ラッキーですね。
めでたいですね。
僕も基本的には音楽をぼーっと楽しんでますよ。
また近い内に桑田さん関連のシングルを取り上げる予定ですのでお楽しみに!
by 都市色 (2007-08-30 10:33) 

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