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『WATERLOO SUNSET / THE KINKS』 [英国ロック/60年代]


こんばんは。
晩秋に相応しいロックナンバーをご紹介しましょう。
キンクスの名曲、『WATERLOO SUNSET』《CMWSE1524》です。
名盤『サムシングエルス』のラストナンバー。

暮れなずむ街の光と影の中、ロンドンはウォータルー橋の恋人たちの時刻。
薄汚れた河、慌ただしい人ごみ、タクシーのライト……優しい夕暮れの光に包まれて。
決して街の風景を美しく描写していないのですが、恋する二人にはかけがえの無いシチュエーションなのでしょう。
歌詞にはテリーとジュリー、そして少しひねくれた視点を持つ男(レイ・デイヴィス?)が出て来ます。
彼らは社会から逸脱した存在なのかも。だから街の人々にはとってありふれた、気にも止めない情景でも彼らには何か特別な意味を感じるのかも知れません。
行ったこともない場所なのに心に何だか風景が浮かんで来そうです。

デイヴ・デイヴィスによる、ギターの弦をリズミカルに刻むイントロの響きがとっても印象的です。
メンバーによるハーモニーも切なくさせます。
キンクスの音楽ってそこはかとなく“もののあはれ”を感じさせますね。
『SUNNY AFTERNOON』同様、『WATERLOO SUNSET』もしみじみと哀愁漂うメロディ。
前者は家財を一切失った男の夏の終わり午後の喪失感と云うか虚無感で、後者は秋の終わりのうたかたの幸福感と云う感じで内容は異なりますが。
やれビートだのサイケだのフラワーだの周りの血気盛んな60年代のバンドたちを尻目にこんな滋味な音楽を創るレイ・デイヴィスは大人、というか老成していましたね。
今聴いても紅茶のように深い味わいを感じます。

http://www.youtube.com/watch?v=fvDoDaCYrEY

ウォータルー橋の恋物語というと映画『哀愁(原題:WATEROO BRIDGE)』【1940】ですね。
ヴィヴィアン・リー主演、マーヴィン・ルロイ監督の悲恋作です。
素敵な映画でした。ヴィヴィアン・リーにもうっとり。

B面は『ACT GENTLE AND NICE』。
キンクスらしいユーモラスでアイロニカルな楽曲です。

因みにこのアナログはパイレーベルからのオリジナル盤ではなくサンクチュアリ・レコードからの再発盤です。

『WATERLOO SUNSET』〈WORDS & MUSIC : RAY DAVIS〉(03’14’’)【1967】


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