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『けんかをやめて/河合奈保子』 [河合奈保子]


こんばんは。
本日は河合奈保子さんのシングル『けんかをやめて』です。

ご存知アイドルポップスのスタンダード。
実は昨年末にリリースされた河合奈保子さんのCDBOX『NAOKO PREMIUM』を現在愛聴中です。
コロムビアに在籍時の全てのアルバム、シングル音源を網羅した24枚組ボックス。
膨大な量なので少しずつ聴いていますがどのアルバムも力作揃い。素晴らしい。
と云う訳で河合奈保子さんのシングルを小特集。

可憐で愛くるしいルックス,健康的な容姿、類い稀なる歌唱力、高い音楽性。
80年代を代表するアイドル歌手、そしてアイドルと云う枠に収まらない真のアーティスト。
それが河合奈保子さんです。
歌わされているという感じのアイドルが多い中、積極的な歌への取り組み、音楽への誠意、愛情は並々ならぬものがあります。
1986年以降の作品には奈保子さん自身によるクオリティの高いオリジナル・ソングが大半を占め、当時最年少の日本作曲家協会の会員に認定されました。

作詞作曲は竹内まりやさん。
まりやさんの2ndアルバム「ユニヴァーシティ・ストリート」収録の『涙のワンサイデッド・ラヴ』を彷彿させる三連のバラードです。
ご自分の最も得意なタイプの作風で勝負したって感じですね。
入魂の作品ですが元々まりやさんが奈保子さんのスタッフから依頼を受けて制作された訳ではなく、まりやさんが自分の曲を奈保子さんに歌ってもらいたいと言う自然で自発的な思いで作られたプライベートな作品。そんな幸福な作品。あざとさがなくてナチュラルな歌。
まりやさんは奈保子さんの高い音楽性に早くから注目していたのでしょう。
まりやさんのシングルの楽曲提供作での初めてのヒット作です。

少女時代という無邪気で残酷な季節、大人に成長する前の葛藤が瑞々しく余すこと無く曲に表現された名曲だと思います。清水信之氏のアレンジも素晴らしいです。
歌詞における、十代のイノセントな危うさデリケートさを綴った世界観が表現法によっては単なる自己中心的で移り気にしか聴こえないチープな内容に墮する危険性もありましたが、奈保子さんの歌唱力により、見事に普遍性を帯びた名曲と云う評価を勝ち取りました。
奈保子さんの10枚目にして初めてのバラードのシングルでした。

ちなみに楽曲提供作にはまりやさんによるセルフカヴァーも後々作られたりします。名アレンジャー達郎さんによる、オリジナルバージョンを凌駕する勢いのクオリティ。実際セルフカヴァーバージョンはアイドルに歌われたオリジナルよりも良いものが多い気がします。
「けんか〜」もご多分に漏れずセルフカヴァーが存在しますが、これは奈保子さんのオリジナルが健闘していて、まりやさんの歌にも負けない出来だと思います。
達郎さんのラジオでも過去にこの奈保子さんのオリジナル・ヴァージョンをオンエアして高く評価していました。

奈保子さんの作曲への拘りはまりやさんの影響も少なからずあったのかも知れません。

B面は『黄昏ブルー』。
初期の奈保子さんに多くの楽曲を提供していた滝 真知子&馬飼野康二コンビの作品。マイナーメロディのラブソング。

続く11枚目のシングルもまりやさんの書き下ろしの作品が採用されました。
『INVITATION』、こちらも名曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=PJ8-x8xccaw

その他、まりやさんの奈保子さんへの楽曲提供は、1981年のアルバム「サマーヒロイン」に『アプローチ』を、1983年のアルバム「あるばむ」において『追跡』を作詞作曲。それと林哲司氏の作曲の『ダブルデイト』と『砂の傷跡』に作詞をしています。この三曲に『けんかをやめて』と『INVITATION』の計五曲でA面は構成されています。
まりやさんが関わった作品はどれもお気に入りです。
特に『アプローチ』は素晴らしいです。コード進行の魔法のような複雑さに心地よい目眩が…。これを見事に歌い切る奈保子さんも素晴らしい。

河合奈保子さんは僕が初めて好きになった女性アイドルでした。
男性だとマッチです。まだこの頃はレコードは買いませんでしたが。

『けんかをやめて』《AH-255》〈作詞・作曲:竹内まりや/編曲:清水信之〉(04’29’’)【1982】


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コメント 11

いとぞう

河合奈保子さんのCD-BOX、24枚組とは凄いですね!
この曲は代表作ですよね。まりやさんの提供したアイドルの楽曲について達郎さんが結構辛口なコメントしてるのを読んだ事ありますが、奈保子さんに関しては高評価ですね。この曲の主人公はかなり罪作りな女の子ですが、奈保子さんが歌ったから良かったんだと思います。他の人だったら印象が違ったかも。

男性アイドルだとマッチですか。当時、僕は小学生でしたが「ハイティーン・ブギ」のシングルを買いましたよ。B面の「MOMOKO」も人気がありました。どちらも達郎さん作曲でしたね。作詞が松本隆さんだから後のkinkiに繋がりますね。
by いとぞう (2008-02-07 23:33) 

都市色

こんにちは、いとぞうさん。
いつもコメントありがとうございます!
この作品は奈保子さんが歌うのが一番ですね。
少女のけなげさや意地らしさが上手く表現されています。

「ハイティーン・ブギ」、僕も持っています。良い曲ですね。
ほかにも達郎さんの曲があります。
筒美京平先生が書いた曲「情熱☆熱風せれなーで」や「ブルージーンズメモリー」とか大好きです。
また達郎さんの楽曲提供作を聴いてみたいです。
by 都市色 (2008-02-09 09:38) 

くまごろう

懐かしいですね。けんかをやめて、は好きでした。
あ、あと「情熱☆熱風せれなーで」も。
by くまごろう (2008-02-11 00:06) 

都市色

>くまごろうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
80年代の作品は個人的に思い入れが深いです。
歌謡曲が元気でしたね。
by 都市色 (2008-02-13 10:06) 

CoupeCamper

私も「アプローチ」が一番好きな曲です。検索していてこのblogに行き着きました。
by CoupeCamper (2009-06-12 01:53) 

都市色

> CoupeCamperさん、はじめまして。
コメントありがとうございます!
「アプローチ」、名曲ですよね。
共感して頂けて嬉しいです。
清水信之さんのアレンジも良いです。
ドラムがポン太さんでした。
また良かったら気軽に読んで下さい。
by 都市色 (2009-06-13 18:03) 

そう

当時小学生だった僕はいまいち彼女を
好きではなかったですね。今ならすごくタイプなんですけどw
ものすごく子供受けするか、おじさん受けするタイプでしょうね。

小学生だった僕はこの歌の歌詞になんか怖さを感じました。
歌詞の内容からして当時の明菜ならともかく河合奈保子にこれかよ!と。
でも大人になった今思うと、河合奈保子のような女性だからこそ
この曲に意味があったのでしょう。わざわざこれを彼女にあてがった
竹内まりやも審美眼すごいですね。

僕がもし女だったら、この歌詞のセリフを一度はかましてみたいですわ。
あたしのために争わないで!!
by そう (2009-09-30 14:21) 

都市色

>そうさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
奈保子さんはおじさんや子供受けする、判るような気がします。
そういえば、吉 幾三さんは彼女の大ファンでしたね。
奈保子さんのような優しい女の子が「わたしの為にけんかをやめて」と言わせてもそれ程嫌みを感じさせない、というのがまりやさんには判っていたのでしょうね。

by 都市色 (2009-10-02 02:08) 

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初めまして、よろしくお願いします
by ポールスミス 店舗 (2011-09-05 18:11) 

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お邪魔しました。
by ポールスミス (2011-09-05 18:11) 

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