『春の手紙/大貫妙子』 [邦楽ロック/90年代]
こんばんは。
本日はこの曲、大貫妙子さんのシングルを。
『春の手紙』です。
達郎さん、美奈子さんときたら、大貫さんでしょう。
このシングルを買った時、一浪した受験時代の終りでした。
1993年の春先。
下宿先の近くの江戸川の河川敷に寝そべってこの曲を口ずさんでいました。
柔らかさを見せ始めた春風、そして太陽の日差しに包まれていました。
第一志望ではなかったのですが大学に受かったときの開放感を聴く度に思い出します。
春に相応しいあたたかな日だまりのような名曲。
90年代の大貫さんの代表作だと思います。
シンプルながら味わい深いバンドサウンドが曲の良さを引き立てています。
ドラムス:小田原 豊、エレクトリックギター:徳武弘文、アコースティックギター:吉川忠英、
ベース:岡沢 章、パーカッション:浜口茂外也、キーボード、小林武史、コーラス:村田和人、
素晴しいメンツですね。
徳武氏のカントリータッチのギターが印象的です。
感情のひだを潤していくような優しい歌声。
そよ風のような言葉の響き。
ただ優しいのではなく奥に秘めた逞しさを湛えています。
一時的な感情や流行に流されない、静謐な美しさ。
それが大貫妙子さんの音楽の魅力だと思います。
メロディに言葉を詰め込むのではなく,
研ぎ澄まされた言葉をメロディに乗せて行間を読ませる歌詞が素敵です。
シュガーベイブの頃から変わらぬスタンスを貫いていることの凄さ。
この作品のアレンジは今では大御所の売れっ子の小林武史氏です。
1990年の大貫さんのアルバム『NEW MOON』、1992年の『DRAWING』に続く、共同プロデュースでこのシングルも収録したアルバム『SHOOTING STAR IN THE BLUE SKY』もそうです。お二人のコラボレーションはこの三枚です。
風通しの良い完成度の高いアレンジメントが楽しめる“ポップス”を意識したこの時代の3枚の大貫さんのアルバムです。
2005年のアルバム『ONE FINE DAY』でもリメイクされています。
カップリングは『会いたい気持ち』。
恋する少女の一途な気持ちが上手く表現されたラブソング。
初々しい少女のたおやかな表情がイメージ出来ます。
この曲も素敵です。
昨年の四月の終りに静岡で初めて大貫さんのライヴを観ましたが本当に繊細でハートウォームな雰囲気の素敵な音楽会でした。
『春の手紙』《TODT-2976》〈作詞・作曲:大貫妙子/編曲;小林武史〉(04'06")【1993】
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