SSブログ

『カレーライス/遠藤賢司』 [邦楽ロック/70年代]

sc00134d1e.jpg

こんばんは。
お久しぶりです。

僕は一人暮らしで自炊をします。
料理も作りますがそれほど凝ったモノは出来ません。
一番多いメニューはカレーライス。
今日もカレーライスを作って食べました。
と、言う訳でエンケンさんの「カレーライス」です。

1971年リリースの「満足出来るかな」収録の名曲。
アルバム自体も名盤の誉れ高き一作。
まぁ、エンケンさんのアルバムはどれも素晴らしいのですが。
弾き語りの作品以外のバックの演奏を務めたのははっぴいえんど。

「カレーライス」はエンケンさんの独特の視点で日常の風景が切り取られて歌われています。
カレーを作る恋人。
「ぼく」はギターを弾いている。
となりには愛猫がよりそっている。
カレーを作っているうちに恋人が誤って手を怪我してしまう。
やがてカレーが出来上がり、
猫と恋人と一緒にカレーを食べている。
おだやかな日常風景。
食べながら観ていたテレビの画面からは「三島由紀夫の自衛隊駐屯地での割腹自殺」のニュースが流れる。

歌は淡々と朴訥と語るように過ぎていきます。
穏やかな日常に切り込まれる不穏なニュース。
エンケンさんならではの研ぎ澄まされたセンスを垣間見ることが出来ます。
いわゆるありふれたフォークソングとは似て非なるクールでユーモラスな視点。
フォークにありがちなストレートな心情吐露ではなく、歌と唄の奥行きと行間を読ませる歌詞の編集の妙に痺れます。




これは佐々木昭一郎さんの70年代のドキュメンタリー風TVドラマ「さすらい」からの映像です。
とても不思議な作品でした。
しかも途中で友川かずきさんが出てきます。レア!!

シングルでリリースされた「カレーライス」はアルバムとテイクが異なります。
シングルバージョンはムーンライダースの武川雅寛氏のヴァイオリンが聴こえます。
よりメランコリックな印象を受けます。


B面は「満足出来るかな」。
アルバムのタイトルソング。
はっぴいえんどのワイルドでクールな演奏をバックにエンケン節が冴え渡る。
アコースティックセットによる演奏なのですがとってもパンキッシュ!
クレイジーです。
歌詞もユニークでちょっとスプラッター気味なのですが途中から何故かタイガースの「シーサイドバウンド」のフレーズが流れとんで来ます。ここら辺の独特の場面展開と云うか切り返し、発想の転換、天晴です。

エンケンさんは現在も精力的に活動されています。
素晴しい一貫性。
反骨の美しさ。気骨の孤高さ。
アングリー・オールドマン。
幾つになっても甘かねぇ!!

『カラーライス』《DR-1662》〈作詞・作曲・編曲:遠藤賢司〉(3'49'')【1971】


満足できるかな

満足できるかな

  • アーティスト: 遠藤賢司
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1994/06/01
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(4) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

nakamura8cm

いやーかなり近いなあ、半分以上の記事に反応できそうですが、まずは最新のところに。
還暦を迎えて現役感バリバリなんて、この人だけでしょう。恐ろしいアーティストです。ライブもよく見にいってますが、このシングルの2曲は今でも定番としてよく演奏されますね。ライブでは「満足できるかな」間奏の歌謡曲メドレー、いろいろ盛りだくさんで、帰ってこれなくなりそうなこともあります。

ところで潮音さんの名曲「裸の王様」はエンケンのことを歌ったって知ってました?
そしてTB風URLを入れておきます。
by nakamura8cm (2008-06-12 23:21) 

都市色

>nakamura8cmさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
潮音さんの「裸の王様」のお話は初めて知りました。
さすがですね。くるりの岸田さんの作曲ですね。
エンケンさんのライヴ一度も観ていないので是非機会があれば参加してみたいです。
by 都市色 (2008-06-13 17:36) 

fork guitar

>食べながら観ていたテレビの画面からは「三島由紀夫の自衛隊駐屯地での割腹自殺」のニュースが流れる。
誰かがお腹を切ったというのは、このことだったのですか!ここには、曲を聴いたとき、なんとなく釈然としなかったモノですから・・・初めて分かりました。「カレーライス」はテレビで、遠藤賢司さんと森山直太朗さんが競演しているのをみて初めて知りました(遠藤賢治さんについてもですが(^^;))とても余韻が残る、実にいい歌です。
by fork guitar (2009-04-03 01:23) 

都市色

>folk guitarさん、こんばんは。
はじめまして。
コメントありがとうございます!!
70年代の音楽はやはり濃厚な時代を反映していて、密度が違いますね。
森山直太郎さんの歌にも彼のお母さんのようなフォークとしての味わいが感じられますね。
by 都市色 (2009-04-06 00:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。