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『魔法/サニーデイサービス』 [邦楽ロック/90年代]

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こんばんは。
この夏にフェスにて再結成をしたサニーデイサービスも取り上げましょう。
晩夏に捧げる永遠と一瞬の名曲、それは『魔法』。
ホントに魔法のような音楽だと思います。

サニーデイのラストシングルは大胆な打ち込みのクラブミュージック。
スギウラムこと杉浦英治氏によるアシッド感溢れるアレンジ。
イントロのビートの激しさ、切なさ。
矢野 誠氏がアレンジするパーカッシヴなストリングスの音色も効果的です。
メロディのメロウネス。
非の打ち所のないサウンドに陶酔するのみ。

そして曽我部さんの成熟したヴォーカルの美しさ。
マイルドな響きにとろけてしまいます。
ひたすら胸を掻きむしられます。
90年代をふり返ってみて、個人的に田島貴男と曽我部恵一はこのディケイドを代表する、素晴しいヴォーカリストだと思います。高い歌唱力を備えたサウンドクリエーター。
これは小西康陽さんも同じことを仰っていました。

「はっぴいえんど」に影響を受けた90年代の申し子のサニーデイサービスですが、もはやそういったカテゴリーでは括れない程、ジャンルを超えた音楽性をこのシングルで獲得しました。
前作「MUGEN」での達成感から新たな方向を模索し始めたサニーデイの新局面を垣間見られるシングルです。

真夜中の深淵へ彷徨って行くような、吸い込まれて行くような、独特のムードを持っています。
その抗いがたく、得も云われぬインナートリップのような快楽感に浸ってしまいます。



この曲のPVもカッコいいですね。

このマキシシングルはオリジナルヴァージョン以外に3ヴァージョンのリミックスが収録されており、さらに4ヴァージョンのインスト集も含まれていてトータル47分に及ぶ「魔法」づくしが楽しめます。

2曲目にはDJのヨコタススム氏によるリミックス。
テンポをやや遅くした曽我部さんのヴォーカルトラックにオリジナルバージョンに近いリズムのハウスビートを乗せた、よりクラブ仕様の「魔法」。ヴォーカルトラックとバックトラックのリズムの意図的なズレが何ともサイケデリックです。フルートの涼しげな響きもいいです。

3曲目は「CARNIVAL MIX」というタイトルでラテンタッチのサウンド。
コンガの激しいアタック、アコギのストローク、そしてうなるベース音の音の厚みが情熱的です。間奏のファズの効いたエレクトリックギター&エレキピアノのソロも印象的。
シンセのストリングスアレンジは松田マヨ嬢が担当しています。
同年の夏、このシングルと同時期にリリースされた、曽我部さんプロデュースによるマヨ嬢の「夏」というミニアルバムも素晴らしいですよね。

4曲目は「BEACH ACAPPELLA」バージョン。
エコーの効いた曽我部さんのヴォーカルに潮騒が被さるシンプルなテイク。
真夜中の浜辺に佇んで独ぼっちで曽我部さんが唄っている感じでコレはコレで良い雰囲気です。
セクシィな曽我部さんのヴォーカルのみを堪能出来ます。

夏の終りの儚さがこみ上げてくる大好きな曲です。
このシングルのアナログの12インチも僕は持ってます。

『魔法』《MDCS1043》〈作詞・作曲:曽我部恵一/編曲: 高野勳、杉浦英治、曽我部恵一/弦楽編曲:矢野 誠〉(5'08'')【2000】


LOVE ALBUM

LOVE ALBUM

  • アーティスト: 曽我部恵一,細野晴臣
  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 2000/09/20
  • メディア: CD



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コメント 1

都市色

>うっちさん、nice ありがとうございます。
またサニーデイのシングルを取り上げたいと思います。
お楽しみに。
by 都市色 (2008-09-04 17:01) 

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