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『花の精ーわたしのON-AIRー/沢田玉恵』 [邦楽女性アイドル/80年代]

玉恵.jpg

こんばんは。
ピチカートのハッピーなシングルに続いて今夜も筒美京平作品をご紹介。

松本 隆氏とのコンビで生まれた80年代中期の作品。
前回少し触れた『ABC』も『空想KISS』もしょこたんの『綺麗ア ラ モード』もこのコンビですね。あ、「ラピュタ」のイメージソング「スプーンおばさん」の主題歌もでした。
沢田玉恵さんのデヴュー曲。
この曲も春めいて、この時期にふさわしいと思います。

これは隠れた名曲ですね。
アイドルファン以外には語られることが無いのが残念なくらい。
お二方の気合いの入った仕事だと思われます。
松本氏、筒美先生のそれぞれのアンソロジーにも含まれなかったのが納得いきませんね。
玉恵さんのあどけないルックスからは想像出来ない確かな歌唱力も素晴らしい。

寸分の隙もなくシリアスでメロディアスな京平メロディを堂々と唄いこなす玉恵さん。
ドキッとしますね。
ミステリアスなイントロ、
ドラマティックな武部聡志氏のアレンジ。
松本氏による、大人に一歩手前の少女のクールな主張。
文学的世界の歌詞。
夜明けを前にひっそりとつぼみを開き始めた、孤独で可憐な一輪の花。
愛くるしい玉恵さんのルックスは蒼井 優さんに似ていますね。
                                              

♪昼顔 りんどう アネモネ 馬酔木
 手折ることさえこわがる人ね

サビで花の名前を次々に歌い上げるのは松田聖子さんの『風立ちぬ』みたいですね。
愛くるしい顔立ちと大人びた歌唱力のアンバランスさが良いですね。
唄のタイトルの「ON AIR」って確か玉恵さんが出演していた練り歯磨きのCMの商品名だったと思います。

B面は『水蜜桃』。
同じく松本&筒美コンビ作。
こちらもクオリティの高い曲です。
中森明菜さんの初期の歌の世界に通じるモノがあります。
こちらも憂いを帯びた大人っぽいメロディですが、疾走感があってリズミカルです。

♪赤青緑黄色 原色の街角に
 あなたの乗る バイクのノイズが近づいてくるわ

こちらは唄い出しがカラフルです。
顔に似合わず気の強くてちょっと大人びた女の子の歌。
そんな女の子に嫌われようと惹かれてしまう男の子。
大人と子供の境界線を綱渡りする乙女の心情を玉恵さんの唄は上手く表現しています。
16才の唄だからこそ説得力があります。
武部氏のオーソドックスなアレンジも歌の世界を大切にしています。

アナログ盤はミントグリーンのクリアーヴィニール仕様でした。

玉恵さんはこのあともう一枚、松本&筒美コンビでシングル『紫外線』を出したあと、引退してしまいました。う〜ん残念。
リアルタイムでTVとかでCMとかドラマとか観ていましたが、逸材なのに残念です。
シングル二枚分の音源しか残されていないのでしょうか。
もっと聴きたかったのに。
当時はおニャン子ブームで玉恵嬢のような正統派アイドルはやりにくかったでしょうね。

『花の精ーわたしのON AIR』《07SH1770》〈作詞:松本 隆/作曲:筒美京平/編曲:武部聡志〉(3’47’’)【1986】
タグ:筒美京平
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コメント 3

いとぞう

沢田玉恵さんかあ・・記憶の隅っこのほうに居たアイドルを思い出させてくれるのがこのブログの良いところ。
短期間で桜のようにパッと散ってしまうアイドルにも名曲はあり、それもまた美しいと思います。童顔に似合わず大人っぽい楽曲ですね。たしかに中森明菜さん風だ。おニャン子全盛時代にあっては、地味な存在になってしまったんでしょうね。

この前、「情熱大陸」で松本隆さんが特集されてましたね。ある若手バンドからの依頼で作詞してましたが、相変わらず素晴らしいセンスの詞で・・しょこたんとの対談の模様も流していました。

by いとぞう (2009-03-27 16:50) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
「情熱大陸」、観そびれましたが、松本氏の感覚の若さ、鋭さが新しい世代と共感を見いだせるのですね。
by 都市色 (2009-03-28 22:46) 

都市色

>よーじっくさん、イイネありがとうございました。
by 都市色 (2013-09-10 01:14) 

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