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『VERANDA /片寄明人 feat. Chocolat』 [ロッテンハッツ]

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こんばんは。
横浜でのフレネシさんライヴの翌週の土曜日は、大阪へ行って片寄明人さんのソロライヴを観てきました!11/15、心斎橋のカフェDIGMEOUTにて。
十代からの僕のアイドル、片寄さん。
貴重なソロライヴはロッテンハッツ、グレイト3、ソロそしてショコラ&アキトの活動を網羅するベスト オブ 片寄明人って感じのリラックスした楽しいライヴでした!!
ファン思いの片寄さんの明るい人柄を身近に感じられ嬉しかったです。
持参したロッテンハッツの7インチに直筆のサインも貰っちゃいましたよ!
ありがとうございました!

グレイト3のベーシスト、高桑圭さんの病気によるダウンで、1998年から2001年までバンドが最初の活動休止を余儀無くされた時期に片寄さんのソロ活動がありました。
片寄さんの奥様であるショコラさんのミントのような唄声をフィーチュアしたシングル。
このおふたりって、夫婦と云うより、恋人同士、または兄妹みたいな関係って感じがします。それがいつまでも若々しく感じられますね。
この夫婦のかけあいは漫才みたいに面白いです。
可愛い顔してお互い憎まれ口を叩き合うのが凄いです。
本音を言い合える仲なのはお互いを認め信頼しているからこそ。素敵じゃないか。
大阪でのライヴは片寄さんのソロだったのでショコラさんは東京でお留守番。
このデュエット曲も残念ながら歌われなかったのですが。
そう云えば、この曲は果実酒のCMに使用されて、お二人も出演してましたね。
仲睦まじかったです。

このソロシングルはこれまでの片寄さんが敢えて避けていたネコアコ風なサウンド。
都会生まれの片寄さんは年代的にもネオアコムーヴメントど真ん中だったはずですが、敢えてAORとかソウルとかオールディーズを深くディグしていました。
時代が一回りしてようやくこだわりが無くなったのかもしれません。ブラジル音楽を経由したネオアコって感じで。
グレイト3での片寄さんの音楽性は神経ギリギリのメーターの振り切れたようなハードさと切なさがせめぎあう音楽ですけど一転して聴き心地の良い安らぎに充ちた音楽。この二面性は紙一重であり、矛盾するコトなく共存しているのが彼の音楽の面白さだと思います。
デッドケネディーズとネッド ドヒニーを公平に愛する片寄さん。

優しさに包まれたこのシングルを聴いて、尖っていた片寄さんもマイルド志向な年齢になったのかな、と思いました。
ベランダ越しに移り変わる日常的な風景に身を委ねてみる。
当たり前のような景色に深く大きな意味を感じる。
日常のありふれた出来事が無性に愛おしく感じられる。
そんなところからエコロジーは始まるのかも。

♪ゆがんだ退屈が 愛おしく思えた
♪ささやかな幸せが せつない

ソングライティングにも変化が見られます。
この時期から歌詞に擬音語が増えてきたことが印象的です。
[サラサラ][ガラガラ][ザラリ] など、効果的に意識的に日本語のユニークな響きを機能させていますね。
2000年の作品ですが、のちのショコラ&アキトの世界観は既にこの曲で出来上がっていると思います。
ふたりの蒼いハーモニー。



カップリングは「TEARS OF ENAMEL」。
共同プロデューサーの佐橋佳幸さんとの共作。
佐橋さんはロッテンハッツ時代のプロデュースも手掛けた方ですね。
片寄さんのダークサイドと言うか、メランコリックな面が反映された作品。
佐橋さんのギターによる淋しげなボサノヴァのリズムにたゆたいながら、片寄さん独特のウェットな官能的な世界に包まれていきます。

この二曲は同年にリリースされたソロミニアルバム『HEY MISTER GIRL!』にも収録されていますが、アレンジが異なります。アルバムはアメリカはシカゴで録音され、トータス、シーアンドケイクでその名を轟かせた鬼才ジョン マッケンタイア氏のプロデュースのもとオルタナティヴなAORに仕上がっています。

ポストロックの名を欲しいままにしたシカゴ音響派との交流は活動再開したグレイト3での活動にも波及し、21世紀以降の三部作『MAY AND DECEMBER』(2001)『WHEN YOU WERE A BEAUTY』(2002)『CLIMAX』(2003)にて、刺激的で研ぎ澄まされたサウンドフォルムを湛えた音楽美を味わうことが出来ます。とても素晴しい野心的な内容だと思うのですが。
片寄さんのシングルに話題を戻すと、ジョン マッケンタイア氏のアレンジによる「VERANDA」は重力から解き放たれたようなユニークなダブサウンドに生まれ変わっています。
「TEARS OF ENAMEL」は原曲のイメージを大切にしつつもより繊細なアプローチを試みています。

という訳でこのシングルは後の片寄さんの活動(グレイト3、ショコラ&アキト)を大きく左右する内容でありました。
早くグレイト3本体の活動も再開して欲しいですが、キヨシさんの巻き毛のキリンもケンちゃんのダンス天国なテクノも絶好調なのでどうなる?

ちなみにフレネシさん、ショック太郎さんのblue marbleが参加したコンピレーション「EASY LIVING」のCDの帯でレコメンド文を寄稿してるのが片寄さんでした。
すてきなコメントなのでその文章を書き記して駄文を終えたいと思います。

『いつだって胸を締めつける「mag7の響き」、
    青い心に捧げたい「16のメロディー」』(片寄明人)

『VERANDA』《TOCT-4203》〈作詞・作曲:片寄明人/編曲:佐橋佳幸、片寄明人〉(3’41’’)【2000】

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Lo-Fi

ブラジリアンのようなギターポップ。
素敵ですね☆
by Lo-Fi (2008-11-29 03:37) 

都市色

こんばんは、Lo-fiさん。
コメント&niceありがとうございます!
素敵な曲ですよね。
聴いていて心がゆったりとしてやすらぎます。 
片寄さんのソフトな唄声と合っていますね。
by 都市色 (2008-12-01 04:41) 

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