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『FROM A DISTANCE / P.F.SLOAN』 [米国ロック/60年代]

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こんばんは。
久しぶりの洋楽を。
北風の吹きすさぶ時期になると僕はフォークロックを無性に聴きたくなるのですが、60年代におけるお気に入りの一曲を。
P.F.スローンの『FROM A DISTANCE』、邦題は『孤独の世界』。
彼は60年代前半に活躍した作曲家、SSWです。
作詞家スティーヴ ヴァリとコンビを組んで、名プロデューサー、ルー アドラーが主宰するダンヒルレコードで作家として活躍しました。
ジャン&ディーンやタートルズ、サーチャーズ、バリー マクガイア、ファンタスティック バギーズ(これはスローン&ヴァリの覆面グループ)に曲を提供してヒットを生み出しました。
このシングルはスローンのソロ作品。
当時、衝撃的に登場したボブ ディランのフォークロックから影響を受け、メッセージ色の強いヒットシングル「EVE OF DESTORUCTION(明日なき世界)」をバリーマクガイアに提供したコトでSSWの活動を始めます。
アコギのアルペジオの音色が美しいイントロ。
寒々とした世界と孤独な心境を美しいメロディが包み込みます。
スローンの歌唱も素晴しいですね。

♪もの悲しい教会の鐘の音を聴いたことがあるかい?
 嘆きの天使の歌を聴いたことがあるかい?
 遠く彼方から、君は嘆きの天使の歌を聴くだろう
 明日、もたらされるであろう罪の悲しみの為に泣いている天使の声を



B面は「EVE OF DESTRUCTION (明日なき世界)」のセルフカヴァーバージョンです。
バリーマクガイアによるシングルは1965年の全米No.1を記録しました。
「破壊の前夜」を意味するタイトルは、当時の核問題、冷戦構造、ベトナム戦争などの様々な問題で揺れるアメリカを象徴するモノでした。
後の1988年に日本でもRCサクセションが問題作「カヴァーズ」でこの曲を取り上げて独自の解釈で演奏していますね。このアルバムではもう一曲、スローンが書いたJOHNNY RIVERSの「SECRET AGENT MAN(国際諜報員)」もカヴァーしていました。
60年代に青春を送った清志郎さんやチャボさんの世代にはスローンの音楽がいかに影響があったかと云うコトですね。

♪東の世界が燃え上がっている
 暴力が溢れ、弾丸が装填されている
 君は戦争に行くには十分な年齢だけど選挙に投票するには若い
 君は戦争なんて本気で信じてはないけど、担いでいるその銃は何だい?
 それじゃあヨルダン川にはきっと死体の山が浮かぶはずだろう

 友よ、教えておくれ
 何度でも聞くよ
 君は僕たちが破滅への崖っぷちにいると信じていないんだね



これはスローン氏の近年のライヴの模様のようです。
あれから時代は半世紀近く過ぎて、世界秩序は変わっても、この曲が提示する問いは根本的には解決されていません。

昨年、山下達郎さんのラジオで作曲家特集としてP.Fスローンが取り上げられたのですがとても勉強になりました。ほぼ同時期にP.F.SLOANの新しい編集盤もリリースされました。

それにしても桃井はるこさんの次がP.Fスローンですから、どういう趣味をしているんでしょうか。

『FROM A DISTANCE』《HR-2346》〈P.F.SLOAN〉(2'59'')【1965】


Here's Where I Belong: The Best of the Dunhill Years 1965-1967

Here's Where I Belong: The Best of the Dunhill Years 1965-1967

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Big Beat UK
  • 発売日: 2008/05/27
  • メディア: CD



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