『リンゴガール/ミドリカワ書房』 [邦楽ロック/00年代]
こんばんは。
先日引っ越しをしまして、漸く新しいアパートへの荷物も片付きつつあります。
という訳で引っ越しと云えばこの曲。
ミドリカワ書房のこのシングル、『リンゴガール』。
ミドリカワ書房なる風変わりな名前。
そこは健全で貧弱な人生応援歌が蔓延るJポップの番外地、女性週刊誌の記事の様にダーティでブラックな視点から世相を切り裂くソングライティングが得意な優男、緑川伸一氏による単独犯ポップス。
タイトル曲の『リンゴガール』はアパートの隣人との心温まるふれあいを描いた作品。
ほのぼのとしたメロディが印象的です。
この曲が、他人への親切や気遣いが干渉やおせっかいに映ってしまうこの世の中に対する異議申し立てと考えるのはきっと僕の穿ち過ぎな考えでしょう。
鼻歌で口ずさんでしまいたくなるほのぼのメロディ。
しかし、騙されちゃいけませんぜ、お嬢さん。
一曲目は前フリみたいなものです、マドモアゼル。
ここからがキモなのですよ、セニョリータ。
二曲目は「彼は昔の彼ならず」、「リンゴガール」の後日談の様な内容。
あまりネタバレな事は描きたくはないのですが、
ちょっといい話的な美談を完膚なきまでに叩きのめすアイロニカルな世界観を書き割りの演歌調であしらっています。
流石、「肌は白いが腹は黒い」!
この寒々としたカタルシスこそがミドリカワ書房の真骨頂であり、何とも言えません。
こういうユーモアのセンスは嫌いではありません。
この曲は女性シンガーとのデュエットですが、唄っているellyとは最近再結成したSPEEDの今井絵里子さんだそうです。マスコミから漏れ伝わる彼女のプライベートを鑑みるに、なんとなく今井さんがこの曲を唄うコトに運命的なものがあったのかなとちょっと思います。
このジャケットは見れば判る本 秀康先生のイラストですね。
本先生の漫画も可愛らしい絵柄に反比例して悲しくて残酷な内容が多いので、ミドリカワ書房にお誂え向きです。歌詞カードも本先生による書き下ろしの6ページの漫画みたいになっています。
『リンゴガール』《SRCL 6234》〈作詞・作曲:緑川伸一/編曲:頑母堂〉(4'04'')【2005】
オモロイです。
ぜひその「彼は昔の彼ならず」聴いてみたくなりました。
YOU-TUBEで検索したけどやっぱりありませんでした。
かわりにスリーディグリーズの「荒野のならず者」が出てきた。「ならず」だけじゃん。ねェ。
by MOMO (2009-02-13 22:54)
>MOMOさん、こんばんは。
コメント&NICEありがとうございます。
「彼は昔の〜」も容易に聴けるといいのですが。
だれかアップしないかな。
「荒野のならずもの」、どんな曲か聴いてみたいですね。
昔の歌謡曲の怪しい作品も教えて下さいね。
by 都市色 (2009-02-14 23:21)
前から気になっていたのですが、未聴でした。
もろにツボです。
毒のありそうな続編も気になります。
アルバムも聴いてみたくなりました♪
by うっち (2009-02-18 23:03)
>うっちさん、こんにちは。
コメント&niceありがとうございます。
ストーリィを重視する唄は浜田省吾さんから影響を受けているようですね。
by 都市色 (2009-02-20 11:54)