『春景色／南野陽子』

こんばんは。
今宵も春のドーナツ盤特産品フェア。
80年代女性アイドルでもう一枚。
久しぶりのナンノさんのシングル。
『春景色』。
これは『悲しみモニュメント』のB面ですが、お気に入りなのでタイトル記事にしましょう。
ナンノファンには人気の高い隠れた名曲。
これも卒業ソングと云えるでしょう。
彼女のファーストアルバムの一曲目に入っています。
B面扱いの曲が記念すべきデヴューアルバムの一曲目になるコトって珍しいと思います。
逆にシングルのカップリングとして取り上げられる程、良い曲という意味かも知れません。
この曲は僕が敬愛する作曲家、岸 正之さんの作品でもあります。
実に優しくて気品のある素敵なメロディ。
いやぁ、僕が好きだった曲は後から気付くと片っ端から岸さんなのです。
このシングルを買った中学当時はそんなコト判りませんでしたが。

歌詞の内容は学生時代の春休み、神戸線のホームからの春の風景を眺めながら、彼との待ち合わせ。
のんびりしたウララカな雰囲気が穏やかな曲調とマッチしています。
この歌詞に出て来る固有名詞から、ナンノさんが育った、兵庫県は神戸の異国情緒漂う街の風景も感じ取れます。
シングルの歌詞カードに固有名詞の注釈が載っています。
“ジェラート”という単語もこのとき初めて知りました。
ナンノさんのデヴューアルバムのタイトルにもなってます。
それから、この曲を作詞している、“イノ ブランシュ”という風変わりな名前のお方。
最近ネットで調べたら関西出身の作家の平中悠一氏の変名だと判明しました。




当時、この曲を聴く度に少し気になっていたコトがあって。
サビの歌詞です。

♪卒業式が終って　春休みが過ぎてけば
　４月から　あなたより１つ上級生になる
　おこってるからじゃないの　無口になってるわけは　
　過ぎて行く季節のことを　想ってただけ

これって同級生だったカップルが年度が改まって、彼女は大学へ進学して、彼氏は留年すると云うコトだからアイドルの歌にしては中々世知辛いぞ、と思ってました。何故だろう？
その謎に対するナンノさんによるCDボックスでのこの曲へのコメント。
「ボーイフレンドが留年して、自分より学年が下になるということが、神戸の市立の中学・高校では良くある話なんですよ」
お嬢さん学校の女の子は一貫教育なのでエスカレーター式に女子大へ進学しちゃうと云うコトなのでしょうか。
なるほど。ハイカラな神戸らしいエピソードってコトなのですね。
そしてこの歌詞の、何気なく過ぎて行く風景を愛おしく想う気持ち。
ありふれた時間が年を経るとともにかけがえの無い宝物に変わっていく。

A面は『悲しみモニュメント』。
これは「スケバン刑事2」のエンディングテーマでした。
マイナー調のこの番組らしいメロディ。
地味ですが凛とした歌です。
作詞は来生えつこさん、作曲は鈴木キサブローさん。

という訳で南野陽子さんの“陽だまり”のような春のシングルでした。

『春景色』《07SH 1743》〈作詞：イノ ブランシュ／作曲：岸 正之／編曲：萩田光雄〉（5'18''）【1986】

GOLDEN☆BEST/南野陽子 ナンノ・シングルス3+マイ・フェイバリット

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Sony Music Direct
• 発売日: 2003/07/16
• メディア: CD

タグ：岸正之

コメント 2

ナンノさんにも卒業ソングがあったんですね。やっぱりアイドルポップスに卒業ソングは必要不可欠。切っても切り離せない関係で。でも彼氏のほうが留年してしまうという設定は珍しいですね。普通は彼氏が都会に旅立ってしまう事が多いですし。
Ｂ面の隠れた名曲、今後も紹介してください。
「夜ヒット」は、こうしたＢ面の曲やアルバム収録曲なども歌わせてくれたのが良いところでしたよね。

「悲しみモニュメント」当時、「スケバン刑事」のエンディングは斉藤由貴さんや浅香唯さんの時もちょっと悲しげなマイナー調の曲でしたよね。ドラマのイメージがそんな感じだったんですよね。


by いとぞう (2009-03-09 21:35) 

＞いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
ナンノさんの涼しげな表情が良いです。
80年代は卒業ソングが沢山ありましたね。
「夜ヒット」の映像は今見ると貴重な映像が多くて嬉しいです。
マイナーな唄も意外と多くて。
by 都市色 (2009-03-10 22:35)