『らくだ / ヤシの木かげ／爆風スランプ』：03'54''：So-net blog

	ブログをはじめるログイン

『Walking in the Rain..｜『惚れた！惚れた！／遠藤賢司』ブログトップ

『らくだ / ヤシの木かげ／爆風スランプ』　[邦楽ロック／80年代] [編集]

こんばんは。
もう六月も終わりですね。
今年も半分終わっちゃいました。はぁ。

という訳で、六月にまつわる思い出のシングルを。
ひさしぶりに12インチを取り上げましょう。

出ました、爆風スランプ。
中学時代にハマってました。
サンプラザ中野さんのオールナイトニッポンも好きでよく聴いてました。
面白かったなぁ。
あの頃、爆風の話で盛り上がったH君、元気ですか。

彼らの両Ａ面の12インチ『らくだ／ヤシの木かげ 』。
1986年の6月に発売されました。
中野さんのオールナイトでオンエアされて、真夜中に覚醒。
発売されるとすぐに地元のレコード屋さんへ買いに行きました。
この曲聴くとあの頃の梅雨時を思い出すのです。

爆風スランプというと、『Runner 』（’89）のヒット曲が有名ですね。
一般的には、主にこの大ヒット曲以降の活動が思い出されますが、
むしろ僕は『Runner 』までの爆風スランプに思い入れがあります。
つまり、ベーシストの江川ほーじんさんの在籍時までの爆風スランプに対して。

90年代以降のJ-POPバンドじゃなく、もっと音楽的に尖っていた時代がありました。
そんな爆風スランプの特色が出たのが今回の12インチ。
レコードの両面に彼らのユニークな音楽性が満ちています。
ジメジメした空気を一掃するパワフルなサウンド。
久しぶりに針を落としましたけど、凄いです。
感動は色褪せませんでした。

これは彼らの隠れた傑作だと思います。

まずは『らくだ 』。
両Ａ面なので区別するために、この曲が収録されている面は『本能の雄たけびサイド 』と命名されています。

六月の蒸し暑く眠れない真夜中に体験する幻想的なサウンド。
真夜中に不思議な夢を見ているような・・・・。
ビッグムーンの浮かぶ夜の砂漠風景って感じで。

爆風スランプ流プログレッシヴ・ファンク。
曲名も『らくだ（CAMEL） 』だし。
12インチなので演奏時間が長く、彼らの高い演奏力、音楽センスがフィーチュアされています。
イントロのポリリズム展開。
サンプラザ中野さんによるシャウト気味の熱いヴォーカル。
頭に血が上ってるような猪突猛進ぶり。
パッパラー河合さんのエッヂの効いたギターワーク。
江川ほーじんさんのバッキバキの馬鹿テクベース。
チョッパーチョッパー。
そしてファンキー末吉さんのファンキードラム。
作曲も末吉さんで無駄を削ぎ落としたタフなメロディがかっこいいです。
そしてアレンジャーも担当しているゲストミュージシャン、福田裕彦氏（あの生福の！）のキーボードの演奏も素晴らしいです。
メンバーそれぞれのイマジネーション豊かでスリリングなソロ演奏、間奏のドラマティックな展開は大いに聴きどころです。

約8分に及ぶ官能的でダイナミックなロックサウンド。
ちなみにジャケットのらくだのイラストはパッパラー河合画伯によるもの。

そしてもう一方は『明日への架け橋サイド 』と題されて、
『ヤシの木かげ 』が収録されてます。
曲調は全く異なりますが、こちらも聴きごたえたっぷり。
7分に渡ってファンキーなブラスロックが繰り広げられます。
この曲では新田一郎氏率いるホーン・スペクトラムが大活躍。
爆風スランプとは長い付き合いの新田氏がアレンジを担当。
パンチの効いたブロウ。
中野さんによる歌詞はコミカルな四畳半フォークっぽいですが、サウンドは切れ味鋭いです。
作曲をほーじんさんが担当していて（エビゾウさんとの共作）、ポップな親しみのあるメロディが印象的。
相変わらずベースがブンブン唸って超ファンキー、かっこ良すぎ。
途中で意味不明なラップが入るのも面白いです。

梅雨時になるとこのシングルを無性に聴きたくなっちゃうのです。
80年代の爆風スランプ、イイですね。

さよなら六月。

『らくだ 』《12AH-2062》〈作詞：サンプラザ中野／作曲：ファンキー末吉／編曲：福田裕彦・爆風スランプ〉（07'56''）【1986】