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『惚れた!惚れた!/遠藤賢司』 [邦楽ロック/00年代]

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こんばんは。
六月の上旬にエンケンさんのライヴを観てきました。
もう、ひと月前なんですね。
五月の終わりに発売されたベストアルバム『エンケンロックベスト盤 1996-20013』のプロモーションツアーでの大阪公演。
エンケンの大阪ライヴでのホームグランド、十三のライヴハウス“ファンダンゴ”にて、弾き語り。

エンケンさんがMIDIレーベルからリリースした現在までの6枚アルバムからのベスト盤。
ライヴではベスト盤の収録曲を曲順通りに演奏していきました。
遠藤賢司の音楽、どこから聴いてみよう?
という初心者にうってつけの一枚。
70年代だけがエンケンじゃない!
アルバムとしても聴きやすいし、一枚通して楽しめます。
曲順も考えられてますね。

さて、当日は不可避で大切な用事があったのでファンダンゴへ到着するのが少し遅れてしまいました。
ファンダンゴへ行くのは初めてだったので少し迷ったという事もあります。
歓楽街・十三の街の妖しげなネオン。

なんとか到着した時には一曲目の『君にふにゃふにゃ 』が終わってました。
聴衆の人垣をかき分けて少し会場の奥へ進むと、ロック漫筆家の安田謙一さんがいらっしゃいまして、
ライヴを観覧していました。
ご挨拶をして隣でライヴを鑑賞しました。

エンケンさんのライヴを観るのは約一年半ぶり。
前回は名古屋の得三で観ました。

今回も度肝を抜く熱血、熱狂、熱唱、熱演でした。
ほんとだよ。
誇大表現じゃなく、読んで字のごとく。
どうしてこんなに凄いのだろうと思います。
でも簡単に凄いの一言では済まされないパワー。
清々しいほどに迷いがなくて、太い筋が一本通っているのです。
“純音楽家”を標榜されるエンケンさんのパフォーマンスは、まさにピュアな音の塊が、聴衆へ響いてきます。
長い芸歴なのに、音楽への畏敬の念に溢れ、初期衝動がギラギラしています。
仁王像のようにカッコよくて。
僕が観た前回のツアーでのエンケンさんは調子が悪かったと、エンケンライヴの常連の安田さんに伺いましたが、今回はバッチリのようでした。
調子が悪いと言われた前回のライヴですらも僕には全く最高に感じられたのですから、今回の絶好調のエンケンさんはいわんをやです。
懐メロバンドの緩い同窓会ライヴではない、ファンとの真剣ライヴ。
凄まじい歌声、切れ味鋭いギタープレイ。
鉄人です。サムライです。
ロックファンでエンケンさんのライヴへ行ったことがない人は損しているのではないでしょうか。

エンケンライヴの本編が終わり、熱いアンコールに応えて頂き、最後の歌が始まると、安田さんは忙しそうホールの脇にあるカウンタースペースへ向かい終演後の物販のグッズの品出し準備に入りました。
安田さんは開演前、終演後の物販のスタッフとして大阪のライヴに毎回参加されているそうです。
僕も物販で購入したベスト盤にエンケンさんのサインも頂きました。
ありがとうございます!

という訳で、今回のベスト盤にも収録されている2007年のシングルをご紹介しましょう。
惚れた!惚れた! 』です。
“遠藤賢司還暦記念盤”としてリリースされました。
エンケンさんお気に入りの唐草模様をあしらったジャケット。
読みにくいですが、『惚れた!惚れた!エンケン 』と中央に書かれています。

一曲目の表題曲『惚れた!惚れた! 』。
ストレートの剛速球ど真ん中な求愛の歌。
頭脳警察のドラマー、トシさんとの一騎打ちのような激情のロック。
長年の友情の深さが感じられる、手加減なしの爆音合戦。

恋に落ちたときのどうにもならない気持ちを爆音で表現するエンケン。
もんどりうって七転八倒するような絶唱。
エレクトリックギターの咽び泣き、やがて号泣、そして嗚咽。
ハーモニカの嘆き。
やぶれかぶれなインプロビゼーション。
そしてエンケンに共鳴するようなトシさんのあばれ太鼓。
燃え上がる恋の歌です。

二曲目は『いつもあなたを想ってる 』。
やるせない想いにのた打ち回った後、ひとりで冷静に内省するかのような、
ピアノの独演。
恋することのもどかしさ。
耽美的な短調の旋律の孤独感。
エンケンさんのピアノのタッチの繊細な美しさがとても耳に深く残ります。

三曲目は『君は目をとじて 』。
恋するあの娘との大切な逢瀬のひとときをスケッチしたような、ギターの弾き語り。
朴訥としたエンケンさんの歌声、どこまでも優しく。
ハーモニカの抒情的な音色。

男と女。
燃え盛る炎のような恋、たおやかに静かに包み込むような恋。
悲しみと喜び。
エンケンさんのおっしゃるところの“凹と凸”が余すことなく歌になっていますね。

さてさて、エンケンさんと言えば、
6月に公開された宮藤官九郎監督・脚本による映画『中学生円山 』に出演していました。
勿論観に行きましたとも。
ご自身の楽曲も二曲使用されていました。
ベスト盤にも収録されています。
クドカンはエンケンさんを撮りたかったのでしょうね。
物語でも重要な役柄を演じていまして、見応えありでした。
クドカン自身が監督をされていただけあって、クドカンの頭の中を覗いたような妄想世界が渦巻いているのですが、終盤はやや暴走が足らなかった気がします。
それでも楽しめましたが。
80年代の日本映画のような感じが少し懐かしくもあり。
向井秀徳さんの音楽も良かったです。
愚かしくも愛おしい中学生時代を思い出してしまいました。
そんな中学生時代に聴いていた一枚が前回の爆風スランプの『らくだ』であった訳ですが。

今も中学生の頃とあんまり思考プログラムは変わっていません。


『惚れた!惚れた!』《MDCS-1066》〈作詞・作曲・編曲:遠藤賢司〉(05'17'')【2007】


エンケンロックベスト盤1996-2012

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  • 出版社/メーカー: ミディ
  • 発売日: 2013/05/29
  • メディア: CD



純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集 (2枚組み)

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東京ワッショイ

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満足できるかな

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  • 出版社/メーカー: ポリドール
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不滅の男(新装盤)

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nakamura8cm

今回のレコ発ツアーは見逃してしまったのですが、先週エンケンvs湯川潮音を見てきました。
潮音さんが歌う「ミルク・ティー」なんてレア!
エンケンのことを歌った潮音さんの「裸の王様」に、エンケンがコーラス&ハーモニカで参加。潮音さんが感極まって震え声になっているのが分かりました。いいもの見た。
「中学生円山」、あの屋外ライブシーンはハイライトでしたね~
by nakamura8cm (2013-07-06 23:34) 

都市色

>nakamuraさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
やはり東京はイイですね。
エンケンと潮音さんの対バン。
トーベンさんも参加されたのでしょうね。
潮音さんのミルクティーですか、う~ん、素晴らしい。
大阪へもいらっしゃい。
せめてバンドで来てください。

by 都市色 (2013-07-09 22:47) 

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