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『CRUEL WORLD TO HEAVEN /GREAT 3』 [ロッテンハッツ]

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こんばんは。
前回、カセットテープを少し取り上げたので、寄り道ついでにカセットテープのシングルを続いて紹介してみたいと思います!
それ程沢山は無いのですが。
まずは、グレイト3。
彼らのメジャーデヴュー以前、インディーズ時代に制作された唯一の作品となるカセットをご紹介。
これはレアでしょう。
ロッテンハッツを1993年春に解散後、バンドはグレイト3(タカ派)とヒックスヴィル(ハト派)に二分されます。
先に活動を開始したのは前者だったと思います。
このカセットを1994年の五月か六月頃に六本木のライヴハウスで入手しました。
グレイト3とDr.STRANGE LOVEの対バンでした。
勿論後者は長田進さんと古田たかしさんと根岸孝旨さんのバンドです。
因みにこの日のライヴでDr.STRANGE LOVEのアンコールに佐野元春さんが友情出演するのですが、僕はアンコール前で何故か帰ってしまいました。ライブ会場には真心ブラザーズの桜井さんも観に来てました。そういえば真心のアルバム「KING OF ROCK」(1995)の桜井作品にて高桑&白根コンビが一曲参加してます。

さて、本題。
カセットは4曲入り。
4曲ともグレイト3の定番と言える名曲揃い。
ロッテンハッツの解散は大きな痛手でしたが、新しいバンドの手応えも感じていて元気が出ました。
A面一曲目は『CRUEL WORLD TO HEAVEN』。
先述の六本木のライヴで初めて聴いたときから胸を射抜かれるような切なさと感動を覚えました。
グレイト3のライヴのハイライトに唄われるステージ映えする至上のバラード曲。
誰もが体験する、大人になること、いつまでもずっとこのままでいられないこと、無邪気な季節の終りの残酷なまでの儚さと美しさをきめ細やかに余すこと無く描いた歌。
GROWING UP & INNOSENCE の行方。
劇的に描かれた歌ですが、作為や気負いとかは不思議と感じられなくて、三人の自然な創作の延長の果てに生まれた感じがしますね。グレイト3の根源的なエッセンスが込められた作品。

♪誰もが/目を閉じて/通り過ぎていく/
 あらゆる/夢の果て/君はもう踊れない/

この“踊れない”という言葉の表現に込められた意味は深いと思います。
デヴュー時から演奏され、今回改めて聴き直しましたが、やっぱり色褪せないサウンドと歌。
落ち着いたトーンで歌が始まり、徐々に熱を帯びて激情のサビに突入して、しっとりとしたハーモニーで締めくくられるワンコーラス。終盤の激しいエンディングて果てていく感じもやるせないですね。ハモンドオルガンの調べもシンフォニックで厳かなムードがあります。
高桑さんと片寄さんの歌の掛け合いが美しくカッコ良いです。

♪最後のパレードが/すれ違いざまに
 ささやく/本当は/全てが/終りかけていると

大切なものって気付いた時点ではもうとっくに終っていた後だったと云うコトが多いですよね。

♪こんな/ため息/一つ/つくたび/何か消えていく夜にも/
 どこかで/今も/きっと/回り続けてる/メリーゴーラウンド/
 花火の雨/振りそそぐ/あの丘に/思い寄せて/
 どこかで/誰か/涙流してる夜も



この曲はメンバーそしてファンにとっても大切な歌なのですが、メジャー以降のオリジナルアルバムに収録されませんでした。あまりにも完璧な歌だし、思い入れの強さからアルバムに収録する機会を逃してしまったのかもしれません。
グレイト3の活動休止後にリリースされたシングル集にやっとCDとして公式に発表されました。もちろん再レコーディングされたものではなく、カセットと同じ演奏の音源です。めでたしめでたし。
でも僕は今回取り上げたカセットでの音がとても耳に残っています。
カセットならではの温もりが籠った音質がしっくりします。
カセットデッキで久しぶりに聞き返しましたが、やっぱり良かったです。
間違いなく僕の青春の一曲。僕はあのとき二十一歳でした。

A面の二曲目は『MADNESS BLUE』。
作曲は高桑さんです。少しレイドバックしたマイルドな味わいはCurly Giraffeに通じますね。
カセットバージョンでは片寄さんがリードヴォーカルを担当してますが、ファーストアルバム『リッチモンドハイ』での再録版では高桑さんが唄っています。
この曲のアレンジはカセット版もアルバム版も違いは殆どありません。

B面一曲目は『NOBODY'S FOOL』。
実にグレイト3らしい曲ですね。名詞代わりと云うか。
この曲は後に改題されてメジャーデヴューシングル『FOOL & THE GANG』となります。
デヴュー曲に選ばれるにあたり、サウンドも派手になって大サビもアダプトされますね。
僕はカセットのアレンジの方がスッキリしていて好きです。
メジャー版は気合いが入り過ぎて、少し詰め込み過ぎたきらいがあります。

二曲目は『I BELIEVE IN YOU』。
こちらもファーストアルバムに収録され、アレンジも大幅に変更されます。
濃厚にアイズリーブラザーズっぽくなります。
僕はカセット版の疾走感のある演奏の方が好みですが。
バイクが走り出すときのSEもカッコいいですし。

あの頃このカセットをいつでも何度も聴きました。
友達に録ってあげて勧めたり。
青春カセットです。
カセットの演奏には高木壮太氏や、先ほどのDSLの長田さんもゲストで参加してます。
二年前にファーストアルバムが紙ジャケで再発されましたが、そちらにボーナス音源としてこのカセットの音源も幾つか収録されてますね。
ちなみにカセットのジャケットデザインは高桑さんによるものです。
当時のフライヤーとかも高桑さんによるものだそうです。今のCurly Giraffeもそうですし。
彼は元デザイナーですね。

夏にグレイト3、良いですよね。
嗚呼、彼らの新曲もそろそろ聴きたいです!
ソロではなくて。
もう、いつまで待たせるつもり?

『CRUEL WORLD TO HEAVEN /GREAT 3』《品番無し》〈作詞:片寄明人/作曲:片寄明人、高桑 圭、白根賢一/編曲:GREAT 3〉(6’46’’)【1994】


GREAT 3 SINGLES 1994~2002

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/07/17
  • メディア: CD



Richmondo High Standard of 90’sシリーズ(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト: GREAT 3
  • 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
  • 発売日: 2007/11/28
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きこ

はじめまして。コメントいただいたのでおじゃましました。

すばらしい紹介で、すごくうれしく思いました。
“踊れない”というフレーズに着目しているところなんかは特に。
Great 3好きにとってはたまらない紹介です。あのカセットはバイブルみたいなものですし。

1994.8.2のRホールですね、わたしもあの場にいました。
「Nobody's Fool」で片寄くんが失敗してやり直したこと、
“踊れない”について映画『さらば青春の光』を引き合いに出していたこと、
長田さんのレコーディングギャラはおにぎり2個だったとか、
佐野さんの登場なんてもう信じられないくらいのことがあったりと、
すばらしい夜だったことを思い出しました。

込み上げてくるものがあるブログ記事を久しぶりに読んだ気持ちがします。
時間をみつけて、ひとつずつ記事を拝見したいと思います。
どうもありがとうございました。
by きこ (2009-07-06 12:12) 

都市色

>きこさん、こんばんは。
コチラへのコメントありがとうございます!!
六本木のRホール、でしたね。
そう、8月でした。
勘違いでした。
ネッド ドヒニーの「fine line」唄ってましたね!
僕にとってもあのカセットはバイブル。
また良かったらコメント頂けると嬉しいです。
by 都市色 (2009-07-06 21:33) 

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