『夏に恋する女たち/大貫妙子』 [邦楽ロック/80年代]
オハヨウゴザイマス。
今回も夏に相応しい名曲をお届けしています。
大貫妙子さんの朝日のように美しい夏のシングル。
と云えば、言わずとしれた『夏に恋する女たち』。
淑やかな、恋への胸騒ぎ。
アレンジは教授によるもの、とてもエレガントですね。
しっとりと麗しいピアノソロのイントロから耳は吸い寄せられます。
大貫さんの静かに舞い降りるような唄い出しと甘美な清水靖晃氏のサックスブロウ。
無機質なシンセベースとリズミカルに弾けるシンセの音色。
たおやかなメロディ。
間奏のピアノと弦のアンサンブルが胸を締め付けます。
一度しか聴けないサビからクライマックスへ上り詰め、
ドラマティックなフリューゲルホルンのブリッジの演奏が広がります。
そしてエンディングへ向かってゆったりと流麗なストリングスが堂々と畳み掛けます。
夏の青空の様に深く澄み切ったサウンド。
う〜ん、ため息が出るほどの完璧なアレンジ。
ひたむきで一途な大人の恋人たちの世界を描く大貫さんの歌詞も素晴らしい。
この歌は何と云うか暑い夏でも午前中のムードがすると僕は感じています。
太陽が南中に上り切らない少し暑さが穏やかな、少し涼しい朝〜午前中の日陰の涼しさが漂っていると思います。
B面は『レシピー』。
一転して胸弾むキュートなポップチューン。
意中の相手をトリコにするような恋のご馳走に思案する女の子の意地らしさが可愛らしい。
音符がいたずらっ子の様に飛び跳ねています。
思わず頬が緩んでしまうようなター坊の無邪気で品格のあるメロディ。
間奏で調味料をお経のように静かに唱えているのも面白いです。
ワクワクとしてドリーミィな教授のアレンジも冴え渡ってます。
さながら音楽の魔法使いです。
この二曲を収録した『SIGNIFIE』も夏を涼しくしてくれる名盤ですね。
『夏に恋する女たち』《RAS-513》〈作詞・作曲:大貫妙子/編曲:坂本龍一〉(4’11’’)【1983】
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