SSブログ

『さりげなく悪いやつ/大原麗子』 [歌謡曲/70年代]

sc0010ba00.jpg

こんばんは、
逝ける人を偲んで、2009年夏。
「逝ける人を偲んで」というフレーズは東京は京橋のフィルムセンターで一〜二年に一度、晩夏から秋にかけて開催されている上映会のタイトルで、前年に亡くなられた、国内の映画の俳優、スタッフ、関係者らの生前の作品を上映してその業績を称えるイベントです。
僕も東京にいた頃、何度もフィルムセンターへ出かけて上映会に参加しました。
それはそれとして。
八月に急逝された女優、大原麗子さんを偲んで、シングルを取り上げたいと思います。

熱狂的なファンという訳ではないのですが、
リアルタイムで観て、強く印象に残る日本の女優さんの一人です。
本当にお美しい方でしたね。
声も特徴的で淑やかで魅惑の低い声。
気位が高くてお侠な感じ。
黒く美しい長い髪。
洋風な美しさと日本的な雅びさを兼ね備えていましたね。

昔、僕の実家が酒屋を営んでいて、お酒のCMに出てくる女優さんのポスターが店内に貼られていたりしました。子供心に強く印象に残っているのが、サントリーオールドのCMでの大原麗子さんでした。
店にもポスターが貼ってあって見惚れてました。

『少し愛して、長〜く愛して』の有名なフレーズ。
美しくて、気が強いけど本当はとても寂しがりやの女性のイメージ。
ハッとする程の美人だけど可愛らしさがありますね。
後からこのCMのシリーズを撮ったのが市川 崑監督だと知って納得しました。
こんなユニークなCM、崑監督じゃなきゃ撮れませんよね。

そして崑監督の撮った金田一耕助シリーズの第三作『獄門島』(1977)。
この作品で麗子さんは鬼頭早苗と云うこの物語のヒロインを演じていますが、大変魅力的でしたね。
石坂さんの金田一が仄かに恋心を寄せる女性です。
金田一シリーズの中でも一番好きなヒロインでしたね。
それからTVドラマ『木枯らし紋次郎』(第二シリーズ)でゲスト出演したときの麗子さんはネタバレになるので云いませんが、カッコ良かったです。これは崑監督が演出したエピソードではないのですが。
衛星放送で観たドラマ『雑居時代』での家族思いの次女役の麗子さんも素晴らしかったですね。
石立鉄男さんとのやりとりも素敵でした。
「男はつらいよ」でのマドンナ役も良かったですねぇ。二回演じてました。
嗚呼。

前置が長くなってしまいました。
本題です。
1977年にリリースされたアルバム『愛のつづれ織り』からのシングルカット。
『さりげなく悪いやつ』。
これはジャケ買いです。
心臓を射抜かれるような憂いの麗しい眼差し。
儚げな表情。
モノクローム ヴィーナス。
楽曲の方は中島みゆきさんのような歌謡曲風なフォークソング。
ちょっと裏ぶれた感じのムード。
少し冷ややかで気の強い女性を意識した歌い方と云う感じがします。
歌唱力云々ではなく、女優としての存在感で楽曲の世界を完璧に表現しています。
間奏の捨てセリフ、
気怠く甘いアルトヴォイスにとろけてしまいそうです。
せつなくてムードが出ています。



なんとなく僕にはシャンソンの様にも感じられます。

B面は『待つことになれて』。
りりぃさんが作詞を担当しています。
この曲も『さりげなく〜』に通じるマイナー調のうら淋しい曲です。
アコーティオンとピアノの音色の美しさが一瞬フランシス レイっぽいです。
淡く儚げな麗子さんの歌い方がせつないです。

このアルバムは加藤和彦、りりィ、加瀬邦彦、川口真、中村泰士諸氏などが参加しているそうで、僕は残念ながら持っていません。10年近く前に紙ジャケでCD化されたのですが、買い逃してしまいました。また再発して欲しいです。是非!
もっとマニアの方には60年代に麗子さんが吹き込んだ一人GS風なキューティ歌謡作品『ピーコック ベイビー』が人気がありますね。

それにしても、突然の訃報でした。
晩年はギランバレー症候群を患っていたとニュースで聞きました。
この病気はゴルゴ13ことデューク東郷もかかっていましたが、本当にある病気なのですね。

大原麗子さん、どうぞ天国で安らかに。
銀幕の中で永遠に…。

『さりげなく悪いやつ』《L-213R》〈作詞:小林和子/作曲:滝川光一/編曲:竜崎孝路〉(03’35’’)【1977】







nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 4

坂井哲也

どうも。今晩は。
ギランバレー症候群、ゴルゴでしか知らなかったので、深刻な病気だとは知りませんでした。漫画ではスナイプ失敗するだけなので。

ところでリンクしてくださり、ありがとうございます。
by 坂井哲也 (2009-08-27 01:15) 

都市色

>こんにちは、坂井さん。
コメントありがとうございます。
この病気と云えば、ゴルゴですね。
怖い病気ですね。
リンクの方は断りもせず、勝手に貼ってしまい失礼かと思ったのですが。
こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
by 都市色 (2009-08-28 15:16) 

びっけ

大原麗子・・・私も好きな女優でした。
でも、歌を歌っているのは知らなかった!
しっとりとしていて、大人な歌ですね。
市川監督の『獄門島』! 私も印象に残っています。
薄幸の女性を気高く演じていましたねぇ・・・。
そうでしたか! あの CM は市川監督でしたか。
彼女の可愛さをうまく引き出していて、なるほど、市川崑か!と納得しました。
by びっけ (2009-08-29 00:19) 

都市色

>びっけさん、こんばんは。
コメント&NICEありがとうございます!
大原麗子さん薄幸の美女が似合いますね。
でもだからといって、悲しい晩年とか一方的に決めつけるマスコミには辟易します。
これだけ多くの名作を残して、ファンが多くいるのですから。
by 都市色 (2009-08-31 00:56) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。