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『Juvenileのテーマ〜瞳の中のRainbow/山下達郎』 [山下達郎]

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こんばんは。
達郎さんによる映画の主題歌繋がりと、云うコトで。
もう一枚取り上げちゃいましょう。
『Juvenileのテーマ〜瞳の中のRainbow』。

2000年に公開された、山崎 貴監督のデヴュー作『Juvenile』(2000)のエンディングテーマ。
山崎監督と云うと、一般的に『Always 三丁目の夕日』ですね。
この映画が面白かったのはほのぼのとした懐かしい人情モノの漫画原作をVFXでハードに立体的にリアレンジして映像化してしまったことです。ノスタルジックな60年代ではなく、架空の夢物語のような60年代に仕立て上げたことだと思います。監督による美しい虚構によるおとぎ話が素晴しかったのだと思います。
そういう意味で劇場第一作の『Juvenile』も二作目の『Returner』も少年性を刺激する、ワクワクするおとぎ話として『Always』と同じなのです。山崎監督のまっすぐなまっしぐらなメッセージは共通しています。
この『Juvenile』も素敵な映画でした。
少年少女たちの未知の世界と夏の冒険。
大好きな映画です。
まさにジュヴナイル(少年向けのSF物語)。
この作品は実家の静岡に住んでいた頃に観ました。
映画を観るのは浜松が子供の頃から多いのですが、これは浜松中央劇場で鑑賞しました。
鈴木 杏ちゃんが出てることもあって観ました。
中央劇場は子供の頃から通っていた映画館で、夏休みの子供たちに交じって前から二列目くらいの席に座って鑑賞しました。
良い映画でした。
大人の鑑賞に耐えうる内容です。
藤子F不二雄先生のファンの方が同人誌で描かれた幻の『ドラえもん』の最終回にインスパイアされたストーリィが物語に盛り込まれていて、エンドロールにもF先生へのDEDICATIONがクレジットされてるのにも感激しました。この物語の主人公ロボット/テトラはさながら、ドラえもんみたいに男の子の良き隣人役でした。可愛いロボットですよね(シングルのジャケットに写っているロボットです)!
山崎監督独自のVFXワールド、ロボットや宇宙船のデザインもユニークで面白かったです。
『Juvenile』といい『サマーウォーズ』といい、どちらも僕好みの素晴しい映画でした。

さて、シングル。
この作品も前回の『僕らの夏の夢』に通じる《少年性》が楽曲のキーとなっています。
達郎さんの内省的で胸に秘めたる無垢な想いが余すこと無く楽曲に封じ込められています。
達郎さんもSF造指の深い方ですね。
オルゴールの様な音色のイントロから、モノローグのような抑え気味の達郎さん歌、でも深い情感がこもっています。水彩画の様な淡く切ないメロディが心に静かに染み込んでいきます。
演奏もアレンジも全て達郎さんの単独レコーディングで、全編打ち込みのアレンジは驚く程地味で。
聴く人によっては簡素でデモテープみたいと思われるかもしれません。
でも、不思議と映画の世界観にぴったりとするモノで、エンディングロールで流れたときの感動は得も云われませんでした。映画の内容と相まってグッときました。
『僕らの夏の夢』同様、華飾を排した無垢で素朴なサウンドが効果的でした。
取って付けたようなタイアップのテーマソングが多い中、こんなに映画にマッチするテーマソングも珍しいと思います。
達郎さんの独特のロマンチシズムが貫かれていて、とっても大好きな曲です。
淡々とした表現が良いのだと思います。引き算の美学というか。
隠れた名曲です。
聴く度に目頭が熱くなってしまいます。

カップリングは『アトムの子』のライヴバージョン。
1991年のツアーでの東京は中野サンプラザでの音源。
アレンジは前回の記事でのライヴバージョンとほぼ同じです。
この時期は青山純さんがドラムを叩いています。
青山さんの荒ぶる重量ドラミングソロも迫力があります。
それから土岐英史さんのソプラノサックスソロはコルトレーンみたいにいぶし銀です。
二つのライヴヴァージョンの違いを聴き比べるのも一興。
コーラスは佐藤竹善さんでした。
ライヴアレンジの「アトムの子」はギターのフレーズがカッコいいですね。
劇中では「アトムの子」のオリジナルバージョンが使用されています。
映画の内容としては『夏への扉』を流してもピッタリかなと思いました。

ちなみに、僕が十代に映画を楽しんだ浜松の街にも21世紀前後にシネマコンプレックスが出来て、昔ながらの映画館がだんだん消えていきました。
浜松中央劇場も2005年に閉館して無くなってしまいました。
最後に観たのは『アメリカンビューティ』か『Juvenile』だったか。
昨年秋に、浜松東映も閉館してしまいました。
でもその少し後、昨年末に別の場所でミニシアター系の映画館が出来たそうで嬉しいことです。
映画は映画館で見るのが一番です。

そいえば、タイムリーなコトに山崎 貴監督の最新作が今週末に封切られますね!
タイトルは『BALLAD 名もなき恋のうた』。
草彅 剛さん、新垣結衣さんが主演の作品で、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦』を原案に制作された映画だそうです。原 恵一監督による『しんちゃん』シリーズの名作を山崎監督がどう描くのか?両氏のファンの僕には楽しみな一本。
山崎作品は全て劇場で観てますのでまたきっと近いうちに映画館で観るのでしょう。

さて、記事を二回続けて『アトムの子』を紹介していますが(ブログ内で合計三回)、
これを導入として、次回から、
アニソン特集として手塚治虫作品のシングルを幾つか紹介する予定です。
大したコトは出来ませんが、『手塚治虫特集 Pt.1』

『Juvenileのテーマ〜瞳の中のRainbow』《WPCV-10033》〈作詞・作曲・編曲:山下達郎〉(04'56'')【2000】
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コメント 2

いとぞう

山崎貴監督のデビュー作が「Juvenile」でしたか。僕は未見なんですが、お話しを伺うと何だか観たくなってきました。達郎さんは映画にマッチしたテーマ曲を作るのが上手いですよね。きっと作品に対して敬意を表した結果、生まれたものなんでしょう。
最新作も結構、気になってるんです。今、ガッキーが一生懸命色んな番組に出演してPRしてますね。今年の夏は結局、一本も映画を観ないまま終わってしまいそう・・
by いとぞう (2009-09-02 16:11) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
「ジュヴナイル」、素晴しい作品ですよ。
おススメです。
最新作も楽しみですね。
お姫様役のガッキー、ハマってますね。
山崎作品はヒロインの起用が僕好みですね。
by 都市色 (2009-09-03 20:48) 

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