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『ふしぎなメルモ/出原千花子、ヤングフレッシュ』 [アニメソング]

メルモ2.jpg

こんばんは。
今夜の手塚作品は『ふしぎなメルモ』。
いやぁ、このシングルを記事に出来て嬉しいです。
これはアニソン屈指の名曲ですよね。

『ふしぎなメルモ』は1971〜72年にかけて手塚プロダクションで制作されたアニメ。
漫画源作もあります。
この作品では手塚先生も作画や演出で参加してます。
僕が生まれる少し前の作品で、実際に観たのは小学生の頃、日曜日の午後に再放送されていたのを覚えています。
〝生命の神秘と尊さ〟
漫画家として生涯作品を通じて訴え続けた手塚先生のこのメッセージが、
「ふしぎなメルモ」にも余すこと無く表現されています。

この物語のキーとなる〝ふしぎなキャンディ〟。
それはメルモちゃんの亡くなったお母さんによって、残された彼女の子供たちの将来の身を案じて、天国から届けられた贈り物。
青いキャンディを食べると10才年老いて、
赤いキャンディを食べると10才若返る。
そして双方のキャンディの量と組み合わせによって動物にも変身することが出来る。
手塚作品の魅力とも云える〝メタモルフォーゼ〟がこの作品でも活かされてます。

それから、このアニメの魅力の一つがメルモちゃんの変身シーンでしょう。
メルモちゃんが青いキャンディを食べると体がみるみる成長していきます。
9才だった幼い身体がキャンディ一つで19才の少女に成長するシーンの艶やかな美しさ。
それまで着ていた子供のサイズの衣服はそのままに、身体だけ大きくなるので発育したメルモちゃんの体のシルエットが縮んだかのような衣服から露わになる演出効果がセクシィです。
手塚先生によるペンの美しい曲線が放つ女性キャラクターの悩ましい官能美。
美しい成人女性に成長したメルモの美しさ。
子供心にドキッとしました。
天国のお母さん似の母性の深い女性ですね。
手塚キャラの大人の女性は美しいですよね。
「火の鳥(未来編)」のタマミ、「奇子」の奇子、「陽だまりの樹」のせきさんとか。

さて、シングルについて。
前回に続いて宇野誠一郎氏の作曲です。
A面はオープニングテーマ『ふしぎなメルモ』
宇野氏のロマンチシズムに貫かれた美しいメロディの極地。
優雅なストリングスとホーンの華々しい演奏から一転、リズムが走り出してスリリングな曲調へ。
儚く抒情的な旋律に乗って、聴こえてくるのが、出原千花子さんと云う幼き女の子の歌声。
これにも意表をつかれます。
覚束ない可愛らしい歌声とドラマティックなメロディのアンバランスの妙。
舌ったらずな「ラーララ…」が胸を締め付けます。
宇野氏による華麗に舞い踊るオーケストレーションにため息が出ます。
芸術的。
そして作詞は岩谷時子女史。
岩谷女史の歌詞はやっぱり素敵ですね。

♪メルモちゃん メルモちゃん
 メルモちゃんが 持ってる
 赤いキャンディ 青いキャンディ
 知ってるかい

この〝知ってるかい〟と云うトコロにて、
“知ってる”と“かい”に絶妙な間が空くトコロが良いですねぇ。

聴いているとメロディの美しさに感極まってしまいます。
ホントに名曲。

B面はエンディングテーマの『幸せをはこぶメルモ』。
同じく岩谷&宇野コンビの作品。
この曲も素敵です。
とってもキュートな子守唄って感じで大好き。
甘美なハモンドオルガンの調べ。
そしてストリングスの至福の響き。
夢の様なサウンドにうっとりと微睡んでしまいそう。
歌っているのは桜井妙子さん。
二曲とも担当しているフールサンズ オーケストラの演奏も見事。


『ふしぎなメルモ』はアフレコのキャストを一新して再編集して再びアニメ化されたり、間もなく漫画でリメイクされたり今でも根強い人気がありますね。


『ふしぎなメルモ』《SCS-142》〈作詞:岩谷時子/作曲・編曲:宇野誠一郎〉(03’31’’)【1971】
タグ:手塚治虫
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