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『GO! GO!トリトン/ヒデ夕樹、杉並児童合唱団』 [アニメソング]

トリトン.jpg

こんばんは。
手塚治虫生誕80周年を記念してのアニソン特集、最後は『海のトリトン』です。
「ふしぎなメルモ」の後番組として1972年に放映された作品。
緑色の髪の少年トリトンは海棲人類トリトン族の末裔。
少年は彼の家族の命を奪ったで宿敵ポセイドン族を倒すため、仲間たちと闘いの旅を続ける…。

このアニメを純然たる手塚作品と呼べるかどうかはちょっと不安ですが、
生みの親なのは確かであります。
これは「ガンダム」「イデオン」の富野由悠季(喜幸)氏が初めてチーフディレクターを担当した作品でもあります。
そしてプロデューサーは「ヤマト」の西崎義展氏。
手塚先生は殆ど制作にタッチしていません。
漫画源作の「青いトリトン」の設定を大幅に改変したストーリィは手塚ファンには賛否両論でしたが、後々高い評価を受けることになります。
このお二方が関わっていると云う時点で何か不思議な影が手塚作品に降りている気がします。
現在、NHK BS-2で再放送されてるので観ていますけど、暗いですね。
アニメの劇判もおどろおどろしくて怖かったなぁ。
まもなくクライマックスです。
子供の頃に観たときもシリアスな印象でしたが。
まさか富野監督が関わっているなんて知りませんでしたから。
あの、コペルニクス的転回の最終回はまさに富野節の萌芽でありましょう。
子供心にショックでした。
しかし、事実を知ってなお頭を上げて、朝日に向かって旅立つ少年の姿は美しいものだと思いました。
名作アニメですね。

さて、シングルについて。
A面は『海のトリトン』。
シングルにはこのように記されていますが、
実際には『GO! GO! トリトン』というタイトルが一般的ですね。
『海のトリトン』と云うのは途中からエンディングテーマとして使用された、かぐや姫と須藤リカさんが歌う曲のタイトルでもあります。
つまり、『海のトリトン』という名前の曲が同じ番組内に二つあった訳です。
紛らわしいですね。
ここでは区別するべく『GO! GO! トリトン』と呼びます。
この曲もアニメソング史に残る名曲ですね。
勇壮な音楽。西部劇のような哀愁を帯びたサウンド。
オープニングテーマとして印象の強いこの曲はもともとはエンディングテーマで使用されていたそうです。
この曲を作曲されたのはジャズピアニストでも有名な鈴木宏昌氏です。
少し意外ですね。でも良い曲です。



B面は『ピピのうた』。
番組の挿入歌で、コミカルで可愛らしい曲調です。
ピピはトリトンと同じくトリトン族の人魚ですが、明るくおてんばな女の子でシリアスな物語のムードを和らげてくれる存在です。
作曲は後に「ガンダム」も担当される松山祐士氏によるもので、歌はピピ役の広川あけみさんが担当されています。

さて、
僕が懇意にして頂いている坂井哲也さんによるブログ「富野とかBLOGサイト2」にて、
「海のトリトン」を論じた記事があるので紹介させて下さい。
大変充実した読み物だと思います。
当時のアニメスタッフによる記事も引用されて、富野ファン、手塚ファン、そしてアニメファンには大変興味深い内容であります。

http://tominotoka.blog.so-net.ne.jp/2009-01-10
http://tominotoka.blog.so-net.ne.jp/2009-01-11
http://tominotoka.blog.so-net.ne.jp/2009-01-14

この文章を読むと手塚先生にとって「青いトリトン」正確には「海のトリトン」は忸怩たる想いの残る作品だったと云えるでしょう。
しかし作品には罪はありません。
それから、トリトンの声優を担当していたのが塩屋 翼さんなのですが、この当時は子供でしたけど、約8年後に再び富野監督の「イデオン」で主役のユウキ コスモを演じることになるのは何か不思議な縁を感じますね。

因みに、コレは全く偶然なのですが、9/11に『海のトリトン』のTVシリーズと劇場版をコンプリートしたDVD-BOXが発売になりました。
タイムリー!
渡 哲也に船村 徹!
手塚先生の生誕80周年の記念だそうです。
目出たいですね。
そうそう、富野監督と云うと、待望の『伝説巨人イデオン』の総音楽集も出ました。
イイネ。
どちらも永久保存版ですね。

という訳で手塚作品特集もここまで。
ホント、手塚作品の主題歌は名曲揃いですね。
また近いうちに、手塚治虫特集のパート2もやってみたいと思います。

『GO!GO! トリトン』《SCS-392》〈作詞:林 春生/作曲・編曲:鈴木宏昌〉(03’24’’)【1972】


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  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • メディア: DVD


タグ:手塚治虫
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コメント 6

坂井哲也

 どうも、お世話になっております。
 読みに来たら、ぼくのブログを紹介してくださっていて、ビックリしました。ありがとうございます(後でトラックバックに気付きました)。

 トリトンは、いい歌ですよねー。ぼくはアニメソングのベスト3に入ります(トリトン、009の『誰がために』、残り1曲はその時の気分で入れ替わり)。

 そして富野関連のブログを書いているくせに恥ずかしいのですが、この記事を読んで初めて曲のタイトルが『海のトリトン』だと知りました。

 ずっと『GO! GO! トリトン』だと思っていました。テレビのOPでは『GO! GO! トリトン』の表記だったと記憶しているのですが…テレビはGO表記、シングルは海のトリトン表記ってことですかね?

 だとしたら、随分適当だなあ…
by 坂井哲也 (2009-09-12 19:25) 

いとぞう

これはアニメ史に残る名曲ですよね!雄大なサウンドで僕も大好きです。
でも今となっては内容まではよく思い出せない・・BSで再放送やってるんですか!観てみようかな。
富野監督が関わっていたとは知りませんでした。プロデューサーが「ヤマト」の方という事も。こうなるとますます手塚色は薄まる感じですよね。
この時代は結構、原作が手塚先生でも実際にほとんどタッチされてない作品がいくつかあるものですね。今回の手塚特集、色々と発見があり興味深かったです。
by いとぞう (2009-09-12 20:50) 

都市色

>坂井さん、こんばんは。
コメント&NICEありがとうございます。
坂井さんのリンク先の記事を読んでよりトリトンへの理解を深めることが出来て良かったです。
感謝です。
トリトンの主題歌やっぱりカッコいいですね。
子供心にはグッときますね。
by 都市色 (2009-09-14 00:45) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
手塚アニメ特集、楽しんで頂けましたか?
元春のトリビュートソングは次回の特集で取り上げる予定です。
お楽しみに。
手塚先生と富野氏そして西崎氏というアニメ史に残る人物が関わってるなんて貴重で面白いですね。アニメ界に於ける魔の三角地帯?
by 都市色 (2009-09-14 00:49) 

びっけ

『GO!GO!トリトン』の曲は勇壮で大好きでした!
かぐや姫のエンディング曲は、実写とアニメが合体していて、子ども心に(すごい!)と思って見ていました。(^^;

トリトンの声の人が、イデオンのコスモだったとは!
まったく気がつきませんでした。
『伝説巨神イデオン』のストーリーは苦手ですが、(^^;
使われていた曲は主題歌、サントラとも好きな曲ばかりです。
総音楽集、さっそくチェックしてみますね!
by びっけ (2009-09-23 16:11) 

都市色

>びっけさんこんばんは。
コメント&NICEありがとうございます!
かぐや姫によるエンディングテーマは実写とアニメが合わさって今観ても不思議な雰囲気がありますね。こうせつさん、伊勢さんも若い。
イデオンの音楽は、作品やストーリィ自体を別にしても十分素晴しい内容ですね。
すぎやまこういちさんの代表作の一つでしょう。大傑作!
by 都市色 (2009-09-24 02:20) 

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