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『悲しい歌/ピチカートファイヴ』 [ピチカートファイヴ]

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ピチカートマニアの皆さん、こんばんは。
前回の記事の流れに乗って、続いてはこのシングル。
その名も『悲しい歌』。
1995年の秋にリリースされたアルバム「ロマンティーク96」からのシングルカット。

pizzicato oneの『11のとても悲しい歌』との関連性から云うと、
このCDに着いている帯の文句、
「とても悲しい歌が出来た。小西康陽、初のソロプロジェクト」の前半部は「悲しい歌」の歌いだしの歌詞からの引用ですね。
あらためて「悲しい歌」の歌詞を読み直すと、pizzicato oneのアルバムで取りあげられた楽曲の歌詞の世界観に近いことが判ります。
この曲の歌詞はとても素晴しいですね。
シンプルな言葉を使いながら、愛の不毛、無常観、虚無感が透けるほどにじんわり伝わってきます。
この歌詞には珍しく小西さんのプライベートな思想が反映されたと云います。
メッセージソング」(’96)「子供たちの子供たちの子供たちへ」(’96)など、そうした内省的な作品が増えて行くピチカートのコロムビア時代後期の始まりのシングル。
「メッセージソング」同様、「ぼく」という男性人称の歌詞。

曲の構成も少し変わっていて、
Aメロ→Aメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロ→サビ。
サビは一回しかありません。
胸を締め付けるようにせつないサビは一度ですが、それだけにクライマックスの高まりは得も云われません。
野宮さんのヴォーカルにもエモーショナルな魅力を感じさせます。
瑞々しい夏の季節も過ぎて、深まりゆく秋の気配と人生の黄昏どきを重ねて想う悲しいラヴソング。



生のバンドのアンサンブル、その演奏のグルーヴも良いですし、軽やかにシックにブロウするホーンセクションも味わい深いです。
ホント、この曲は大好きです。
名曲過ぎて泣けてきます。
「ロマンティーク96」の締めくくりの曲でもあります。
タイトル通りロマンティックなラブソング集なのですが、最後はもの悲しい曲を添えて。
このアルバムも結構好きです。
ピチカート解散後、小西さんの「とても悲しい歌」たちをコンパイルした「PIZZICATO FIVE,I LOVE YOU」というアルバムも好きです。
このアルバムには「ベイビィ ポータブルロック」のカップリングに収録された、弦楽四重奏のアレンジでの「悲しい歌」が収められています。

カップリング曲は同じく「ロマンティーク96」からの収録曲で、
「世界でいちばんファンキーなバンド」。
一転して能天気なまでの明るいアッパーな曲。
1994年以降活発化したピチカートのワールドワイドな活動は世界規模のライヴツアーに発展しました。
その当時の雰囲気を伝えるのに格好な作品。
「スウィートソウル レヴュー」の続編の様なサウンド。
奇抜なヴィジュアル、パーティバンドの本領発揮であるロックンロールサーカスをイメージした世界観。
各地で好評だったようです。
僕も1995年の春、日比谷野音でワールドツアーの最終公演を観に行きました。
楽しかったなぁ。
そして「ロマンティーク96」リリース後の渋谷公会堂(CCレモンホール)でのライヴも素晴しかったです。

そんな思い出深い渋谷系時代でした。

『悲しい歌』《CODA-729》〈作詞/作曲/編曲:小西康陽〉(04’10’’)【1995】



ロマンティーク96

ロマンティーク96

  • アーティスト: Pizzicato Five,小西康陽,CHIKA,久米大作,ファンタスティック・プラスチック・マシーン,坂本俊介,テイ・トウワ,村田陽一,村山達哉
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/03/31
  • メディア: CD



pizzicato five I love you

pizzicato five I love you

  • アーティスト: pizzicato five,小西康陽,Brian Wilson,福富幸宏,村山達哉,坂元俊介,窪田晴男,佐々田健男,readymade string quartet
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2006/03/31
  • メディア: CD



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コメント 6

cytoron

もう半年以上ははピチカート聴いてませんでしたが
今回の小西さんのアルバムを聴いてこの辺の小西さんが
書いた曲を思い出していましたよ。
日比谷野音、渋谷公会堂,懐かしいです。
by cytoron (2011-06-19 21:04) 

ノリ

初めてコメントします。
「悲しい歌」は名曲ですよね。
優しく陽気なサウンドにのせた歌詞がもの悲しくて、ジンときますね。
ピチカートの中では装飾が少なめですけど、今聞いても古くないのが素晴らしいです。
by ノリ (2011-06-22 02:02) 

都市色

>cytoronさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
お元気ですか?
想像を絶する状況下では音楽自体が意味をなさない、そう云うことを改めて考えてしまいます。
こちらの小西さんのインタビューを読んだり。
http://www.honeyee.com/feature/2011/pizzicato_one/
物質的に文化的にバックボーンが豊かだった90年代とは今は完全に違う世界ですよね。
奇しくも悲しい歌がしっくり来る世界。
by 都市色 (2011-06-23 23:10) 

都市色

>xml_xslさん、こんばんは。
niceありがとうございます!
by 都市色 (2011-06-23 23:12) 

都市色

>ノリさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
いつもノリさんのブログ楽しみに読んでますよ。
「悲しい歌」、今聴いても新鮮に切ないです。
スマイレージが歌うには少し大人っぽいですが、10年後にカヴァーして欲しいです。
小西さんにはまたアイドル仕事もして欲しいです。
by 都市色 (2011-06-23 23:15) 

都市色

>うっちさん、NICEありがとうございます!
by 都市色 (2011-06-30 01:31) 

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