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『DRIVING BOSSA NOVA /沢田駿吾クインテット+2』 [サントラ]

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日本全国ウン万人の趣味の音楽愛好家の皆さん、こんばんは。
私、都市色です。
一日おきに様々なジャンルのもと、私のお気に入りのシングルを
これでもか!これでもか!と紹介しまくる『03’54’’』…。

と、調子に乗って『サバービアズ パーティ』のオープニングの口上みたいに書き始めてしまいました。
前回に続いて、THINK! RECORDSからリリースされた7インチをご紹介しましょう。
沢田駿吾クインテット+2で『DRIVING BOSSA NOVA』。
いやぁ、このシングルの再発もミラクルですね。
とっても嬉しいです。
なんとこのシングルの中の曲も当時『サバービア〜』でオンエアされたのです。
1992年の5月8日の深夜のオンエアにて、『SCAT HUMMING,WHISTLING』というタイトルの特集の一曲目がこのシングルのA面の一曲目『DRIVING LOVE』でした。
19才だった僕は真夜中にこの曲を聴いて不思議な高揚感を覚えました。
1960年代、都会の真夜中の社交場で心地好く流れるクールで陽気なジャズというイメージが湧いてきました。センスのいい都会の大人たちの音楽。

http://www.youtube.com/watch?v=kBBBY7xvEpA

スウィングするガットギターの乾いた音色とボサ ノヴァのリズム。
フルートの浮遊感のあるフレーズ。
そしてウキウキするような男女混声のスキャット!!
ギタリスト、沢田駿吾氏が率いるクインテットに魅惑のスキャットで客演しているのが、
ハマクラこと、浜口庫之助さんと伊集加代子さん。
作曲も勿論ハマクラさん。
浜口さんは昭和の大作曲家。
惜しくも、1990年に亡くなられました。
1991年にサザンオールスターズが映画『稲村ジェーン』のサントラで原坊のヴォーカルで『愛して愛して愛しちゃったのよ』をカヴァーしてました。
それから確か、山下達郎さんが当時のレギュラーだったラジオ番組『プレミア3』でハマクラさんの追悼特集も組まれていて、その特集でハマクラさんの音楽に更に興味を持っていた頃です。
ですから、ハマクラさんのこんなユニークな作品にこの番組でも出会えてビックリしました。
ハマクラさんと伊集さんの朗らかな歌、そして沢田氏の滑らかで涼しいギター奏法。
歌謡曲の作品とはまた別の魅力を感じました。
日本にこんなお洒落な音楽があったなんて。
まぁ、それほど日本の昔の音楽を知ってた訳ではないけれど。
歌手としてのハマクラさんの味わいも深いですね。
そして、伊集加代子さん!
日本のブロッサム ディアリーって感じの七色の歌声。
日本のポピュラー音楽史に欠かせないコーラス。
CMソングで、アニメソングで、歌謡曲で、日本のロックやジャズで知らず知らずのうちに耳にしているチャーミングな歌声。
ピチカートファイヴのアルバムにも参加されてました。
何か僕の好きなものたちが、点が線で繋がって、感激しました。

さて、このシングルは1967年の日本の映画『爆走』というタイトルのサウンドトラックです。
日本でのスポーツカーのレースを題材にしたドキュメンタリー映画で監督は勅使河原 宏氏。
四曲入りのコンパクト盤のサントラ。僕は未見です。
沢田駿吾クインテットの演奏を収録しています。音楽は全てハマクラさん。
60年代当時は自動車レースが自動車産業の勃興とともにブームだった頃ですね。
世界的なレースに日本の自動車メーカーが撤退する現代とは隔世の感があります。

話は戻って、
引き続いて、A面の二曲目は『MIDNIGHT LOVE』。
メランコリックな曲調。アダルトな夜のムウド。
沢田氏の悲しい弦の音色。
しっとりとしたクインテットだけの演奏が夜の深淵にまろやかに溶けていくようです。

B面に移って。
一曲目は『MOVIN' MOVIN'』。
ハマクラさんのスキャットとクインテットによる軽快なジャズ。
こんな曲を聴きながらドライヴをしたら楽しいでしょうね。
そういえば『サバービア〜』ではハマクラさんが60年代に手掛けたスポーツ自動車のCMソングもオンエアしたコトがありまして、ソフトロック風の素敵な音楽でした。

最後の曲は『GOOD BYE, TODAY』。
再び、ハマクラさんと伊集さんの二人のスキャットをフォーチュアしての作品。
ゆったりとしたボサ ノヴァのリズムに乗って優しいデュエットの歌声が響きます。
宮沢昭氏のフルートの美しいソロも素晴しい。
聴いていると夕陽に照らされながら一日の終りの余韻に浸っている気分がします。

これらの作品も音源としては90年代に沢田駿吾氏とハマクラさんの作品集としてCD化されて手に入れてましたが、まさかシングル盤として手に入れられるとは想像もしませんでした。
それにしてもジャケットが凄いですね。
下半分の女性の裸体、何か意味があるのでしょうか。
いかにも60年代って感じは濃厚ですね。
この再発のシングルにも小西康陽さんがコメントを寄せていて、レコメンド職人の面目躍如って感じです。そのコメントの中に僕が昨年取りあげたエロール パーカーのシングルについても触れてましたね。

それにしてもボサ ノヴァと自動車って不思議な関係がありますね。
レース映画のサントラ盤には必ずボサ ノヴァ風の音楽が一曲は入ってますよね。
それがまた実にムーディで素敵なんです。

次回もTHINK!からシングルを取りあげる予定です。

『DRIVING BOSA NOVA』《PP-127》〈作曲:浜口庫之助/編曲:沢田駿吾〉【1967】



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