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『蒼い鳥/フジファブリック』 [邦楽ロック/00年代]

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こんにちは。
悲しい知らせが年の瀬に舞い込みました。
フジファブリックのフロントマン、志村正彦さんの訃報。
寝耳に水。
亡くなった原因も不明で、というか亡くなったのが信じられません。
突然過ぎて。
不意にサッと皆の目を霞めるように死神が彼を天国へ連れて行ってしまったのでしょうか。
悔しいです。
今年はこういう残念なニュースが多いですね。
まだ29才なにに。

志村さんのコトをすぐにブログの記事にするべきか逡巡しましたが、頭の中はソレばっかりなので、
フジファブリックのシングルを哀悼の意を込めて取りあげたいと思います。
このバンドの記事を書くのは二年ぶりです
初めて買った彼らのシングルを紹介しようと思ったのですが、あいにく実家に置いて来てしまいました。
今回は『蒼い鳥』です。

2007年初頭のシングルで塚本晋也監督の映画『悪夢探偵』の主題歌。
陰鬱な、メランコリックなチェンバロのイントロ。
ツェッペリンの「天国への階段」を彷彿させます。
賛美歌のような厳かなムード。
重々しい志村さんのヴォーカル。
退廃的な空気が立ち上ってきます。
そしてバンドの重厚な演奏が始まります。
悪夢の中を彷徨っているような気持ちになります。
絶望の世界の中で一筋の光を求めて。

♪今 果てしなく吹き荒れる
 風の中 立っている 時が来るのを待っている

 ゆらめいて 消えそうな光
 たぐり寄せて ここにいるよ

 羽ばたいて見える世界を
 想い描いているよ
 幾重にも 幾重にも

今の僕がこんな気分です。
不思議な曲です。志村さんのユニークで幻想的な世界観を垣間見られます。
歌が始まった途端に、聴く者を異次元へ誘ってしまう比類なきソングライティング。
この曲はシングルでしか聴けません。

カップリングは『東京炎上』。
この作品も志村さんにしか作れないですね。
火柱が上がり、轟音が轟く首都。
飄々とした歌声で目まぐるしく狂っていく都会の風景をスケッチしてます。
疾走感溢れるバンドの演奏、サイレンの如く吠えまくるキーボードの演奏。
マシンガンのようなドラミング。
地面を揺るがすベース。
切れ味鋭いエレクトリックギター。

♪時計を止めて PARTY NIGHT PARTY NIGHT !!!!!

不穏なロックンロール。



アルバム『TEENAGER』収録。

志村さんのパーソネルをよく知っている訳じゃありませんが、
あの涼しげでつぶらな瞳はどこか虚ろで内向的な印象を受けました。
どこか遠くを見つめているような眼差し。
夢とうつつの境目にいるような。
不思議な少年って感じの佇まいで。
繊細かつ大胆な楽曲は少年のような眼差しに起因しているのでしょうね。
内面に計り知れないパワーを秘めていたと思います。
志村さんの作り出す歌は、聴くと凄くドキドキするのです。
ひねくれたメロディが心地好くハートを鷲掴みにするのです。
鼓動が止まらないのです。
そういうアクロバティックな曲はそう世の中にあるモノではありません。
だからってただ奇を衒っただけのものではなく、何度聴いても魅力的な普遍さを湛えています。

唯一無二の才能で、まだまだこれからもアッと驚くような曲が聴けると思ったのですが。
若い方の死はその将来の可能性や夢までも奪い取っていくのでタチが悪いです。

彼の残された歌たちを大切にしていきたいですね。
志村正彦さんの魂よ、どうぞ安らかに。

『蒼い鳥』《TOCT-40080》〈作詞・作曲:志村正彦/編曲:フジファブリック〉(06’42’’)【2007】
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リゼ・スタンスフィールド

志村さんの訃報には、ただただ驚きました。
アルバム「TEENAGER」は本当に良いアルバムです。
私は「若者のすべて」がとにかく好きで
今でも聴き続けています。
これからさらなる良い曲を期待していただけに残念でしかたありません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
by リゼ・スタンスフィールド (2009-12-28 03:21) 

都市色

>こんばんは、リゼさん。
コメントありがとうございます!
フジファブリックお好きでしたか!
志村さんの不在、残念としか言いようがありません。
「TEENAGER」良いですよね。
彼の音楽はこれからも生き続けて多大な影響を与え続けるでしょう。
by 都市色 (2009-12-28 23:58) 

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