『フーディスト村/VIBRASTONE』 [邦楽ロック/90年代]
こんにちは。
♪フードの付いてる服好きな人!
「はーい!」
って云う訳でビブラストーン!!!
寒い日が続きますが、コートやパーカーのフードを被って外へ出たりします。
そんなときについ口ずさんでしまう曲。
『フーディスト村』。
とにかく、
ビブラストーンはカッコいい。
これに尽きます。
奇才、近田春夫氏率いる人力ヒップホップバンド。
氏が信頼する手練揃いの音楽家集団。
研ぎ澄まされた言語感覚が放つライムの切れ味の鋭さ、
バンドの演奏の重量感、スピード感。
ライヴで練りに練られた楽曲の普遍的なグルーヴ。
どれをとっても一級のエンターテイメント。
あ、YOU THE ROCK★捕まっちゃいましたね。
Hoo!Ei!Ho!ではなく、クスリで。
それはそれとして、
一曲目はタイトル曲。
フードの付いてる服が好きな人、フーディスト賛歌。
快楽主義的なサウンドに溢れています。
ユーモラスなホーンセクションのフレーズ。
ノー天気なバンドのコール&レスポンス。
普段使っている日本語の響きの面白さも改めて感じます。
でもただのお気楽な歌かと思いきや、適度に毒が隠されていて。
沖山優司さんのベースの重低音も素晴しい。
彼らの音楽を聴くと何か元気が出ますね。
聴けば聴くほど味わいが増して、
ずっと聴いていても飽きがこないグルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=m8nRlTTrOHs
二曲目はメジャーデヴューアルバム『ENTROPY PRODUCTIONS』収録曲の『パブリック エネミー』のリミックスバージョン。
曲名に馴染みのある米国のヒップホップ界を代表するアーティスト、パブリック エネミーのサウンドメイキングの要、ボム スクワッドのエリック“ベトナム”サンドラーがリミックスを手掛けています。
題して「パブリックエネミー“ベトナム”ミックス」
当時のミュージックマガジン誌にて、近田さんとOTOさんがニューヨークへ出向いてエリックサンドラー氏と今回のリミックス/レコーディングを敢行したコトに関する同行記事が載ってました。
ビブラによるオリジナルバージョンもカッコいいのですが、このリミックスはそれを凌ぐ、攻撃的で先鋭的でアンダーグラウンドでヤバい出来です。やはり本場のサウンドはスゴい!とシビれました。
後にリリースされるビブラストーンのベスト盤にもこのリミックスバージョンが収録されているのは偶然ではないでしょう。
「パブリック エネミー」という曲のライム/言葉の凄み。
初めて聴いたときは衝撃を受けました。
♪パブリック・エネミー
おまえのことだよ
ハイテク使って財テクしまくって合法的とはよく言う
完璧
大衆の敵は大衆の味方
ルールをよく守れだって
ルールはいつだって勝手に変えていいってルールだもん
そんなのインチキじゃーん
こちらはオリジナルバージョンのライヴ演奏。
ビブラストーンはアジテーションを目論むプロテストバンドではないですが、近田さんにとって「リアルと虚構」、そして「明るい絶望感」を感じさせる言葉とサウンドを集約させたのがこのビブラストーンなのだと思います。
氏の「嘘は言うけど本当だぜ!」という言葉が全てを物語っています。
三曲目は二曲目のバックトラックを収録。
サウンドのキレを楽しめます。
続いては『MIKKY-D』のリミックス。
おなじくメジャーデヴューアルバム収録曲で心地好くメロウなハウスサウンドに仕上ってます。
この曲も彼ら独特の毒がふんだんに盛られています。
『MIKKY-D』とは何を暗喩しているのか?
聴いて頂くしかありません。
最後はライヴの定番『WABI-SABI』を渋谷クワトロでの熱い演奏で。
とにかく粋のイイ生演奏の醍醐味。
四の五の云わせない圧倒的なパワーを感じます。
ビブラのライヴは一度だけ観に行ったことがあります。
1993年の春先。
渋谷クワトロでした。
近田さん&Dr.TOMMYのマイクパフォーマンス、熱気溢れる演奏。
ライヴ盤「VIBRA IS BACK」そのものでした。
ああ、楽しかったなぁ!
もうビブラストーンは復活しないでしょうけど、ライヴ音源が残ってたら是非リリースしてほしいです。是非!!
今聴いても全然新しい、刺激的な音楽。
もっと再評価されていいと思います。
GS、歌謡曲、グラムロック、テクノ、ニューウェイヴ、ハウス、そしてヒップホップなどなど、様々なジャンルを縦横無尽に渡り歩いた近田さんですが、すべては都会の遊び人ならではのセンスのカッコ良さが一貫してますね。
『フーディスト村』《PCCA-00343》〈作詞・作曲:近田春夫/編曲:近田春夫、OTO〉(05’27’’)【1992】
> xml_xslさん、NICEありがとうございます!
by 都市色 (2010-02-15 05:28)