『アンジェリーナ/佐野元春』 [佐野元春]
こんばんは。
今日は何の日?
今日は佐野元春さんの54才の誕生日です。
ROCK 54。
♪シャラララララ ララ…(「二人のバースデイ」です、念の為。)
そして今年はデヴュー30周年のアニヴァーサリーイヤー。
1980年、3月21日にエピックソニーから『アンジェリーナ』のシングルでデヴューされました。
と、云う訳で記念すべきデヴューシングルを取りあげましょう。
初めて元春のアルバムを買ったのは1988年、ライヴアルバムの『HEARTLAND』でした。
前年の横浜スタジアムでのライヴを収録した内容。
当時の代表曲を網羅した、卓越した演奏とライヴの熱気に彩られた素晴しいライヴ盤。
今でもよく聴きます。
そのオープニングを飾る曲が『アンジェリーナ』。
初めて聴いた時から魅了されるキャッチーでコンパクトなロックンロール。
仕事がはけて、車に乗って夜の街へドライヴする高揚感。
車窓から映る風景を活写した歌詞。
ユニークな言葉遊びを忍ばせながら颯爽と都会の夜の空気を見事に表現しています。
メロディへの歌詞の軽快な乗せ方、韻の踏み方、とてもスタイリッシュですね。
サビの『♪今夜も愛を探して』というセンテンスは短いですが、夜ごと恋に溺れる若者たちの不安定で刹那的な心境を捕らえています。ポップな世界観の中に一抹の切なさをとけ込ませているのが好きです。
ライヴ盤の次に聴いたのがデヴューアルバム『BACK TO THE STREET』か『NO DAMAGE』のどちらかなのですが、パワフルな演奏のライヴ版の後に聴いたオリジナルバージョンは当初の印象は些か拍子抜けするようなチープな感じがしました。テンポも若干遅いし、サウンドに厚みが感じられなかったのが理由でした。でも聴き返していくうちにオリジナルバージョンのアレンジも大好きになりました。
エンジンの駆動音のようなイントロのシンセサイザー、そしてキリリと鳴り出すピアノ、そして軽快にブロウするサックス。ソロ演奏はありませんが、エレキギターのオブリガードも効果的。リズムもシャープな8ビート。
そしてエンディング、ドラマティックかつミステリアスなブレイクに再びエンジンのうなりのようなシンセの残響音がこだまする展開が素晴しいですね。
時の試練に耐えうるアレンジは大村雅朗氏によるもの。
名曲な3分56秒の世界。
この映像は大変貴重なデヴュー当時のもの。
伊藤銀次さんをバンマスに迎えた初期のハートランドのエネルギッシュな演奏。元春も若い!23か24才くらいですよね。Bスプリングスティーン&Eストリートバンド風のアーバンなサウンドを意識した感じですよね。
シュガーベイブの『DOWN TOWN』(1975)も若い世代による都会の夜の風景を描いた作品ですね。夜の街と云ってもお酒の似合う煤けたバーが並ぶネオン街ではなく、流行のロックやR&Bが流れるような活気に満ちたクラブやライヴハウスやカフェがイメージされます。
『♪ダウンタウンに繰り出そう』と『♪今夜も愛を探して』は表現方法は違いますけれど深いところで通じ合うメッセージを感じます。どちらも日本のポップミュージックのスタンダードですね。
歌詞もメロディもサウンドも寸分の隙もなく一体となってます。
B面は『さよならベイブ』。
タイトルはボブ ディランっぽいですが、スウィートなラヴソング。
屈託の無い無邪気な感じが微笑ましいですよね。
もうこういう作風は聴けませんが。
コーダで聴こえてくる女性のスキャットは誰によるものなのか今だ謎です。
シングルリリースの一ヶ月後にリリースされたデヴューアルバム『BACK TO THE STREET』。
まさしく80年代のロックの幕開けともいえる内容でした。
近年、紙ジャケで再発されてよく聴き返すようになりましたがやっぱり良いですよね。
楽曲も粒ぞろいだし、ヴァラエティに富んでいるし、テクニックは未熟かもしれませんが、可能性に満ちていますし、完璧なデヴューアルバムですよね。
『THE SUN TOUR』では「BACK TO THE STREET」が、『SWEET SOUL BLUE BEAT TOUR』では「GOOD TIMES BAD TIMES」が演奏されたり近年のライヴで以外と取りあげられる曲数が増えて嬉しいですね。
それからモノクロのジャケットも雰囲気があって好きです。シングルはカラーですが、どちらも今はなき、横浜にあった雑貨屋さん「赤い靴」の前で撮影されたそうです。行ってみたかったです。
そういえば『アンジェリーナ』シングル盤のジャケットは二種類あるそうですね。
今回アップした画像の方が一般的ですが。僕は持っていません。
三月には東京と大阪でアニバーサリーの記念イベントがあるそうです。
残念ながら参加出来そうにありませんが。
ツアーには是非行きたいと思います。
『アンジェリーナ』《06・5H-31》〈作詞・作曲:佐野元春/編曲:大村雅朗〉(03’56’’)【1980】
THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004/佐野
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
- 発売日: 2009/08/19
- メディア: CD
今年は元春の記念すべきアニバーサリーイヤー、このデビュー曲を取り上げない訳にはいきませんよね!
ちょうど、このカフェボヘミアの頃からエディ・コクラン風のリズムを取り入れたアレンジになり、現在までずっと続いてますよね。たしかにこのアレンジで聴いた後、オリジナルバージョンを聴くと物足りなさを感じますが、20周年盤にリミックスして収録された際は重厚感が増した感じで大好きです。元春独特の詩の世界はこのデビュー曲ですでに完成されてますね。
最初にリリースされた当初の幻のシングルジャケットの写真はやっぱり失敗。一般的なこのジャケ写のほうが曲の持つ疾走感が表れていてピッタリだと思います。
「さよならベイブ」は隠れた名曲だと思います。元春はきっとアレンジに納得してないと思うので、是非今度のツアーでのバンドサウンドで披露してもらいたいなあ・・終盤の女性のスキャットは誰なのか僕にも分かりません。謎ですね。
「ファイティング’80s」の映像、もっともっと観たいです!
by いとぞう (2010-03-13 20:40)
どうも。お世話になっております。
『アンジェリーナ』と『DOWN TOWN』を並べるとは面白いですね。
曲調が全く違う2曲の関連性の指摘は素晴らしいと思います。
ところで『アンジェリーナ』を聞くと、ぼくがどうしても連想してしまうVTRがあります。もし爆笑問題をすごくキライでなければ、笑えると思うので気が向いた時にでも、もしよろしければ見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=qCzWUXjqdXw
by 坂井哲也 (2010-03-13 22:04)
>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
「コヨーテ」ツアーでも演奏されましたね。
ハートランド、ホーボーキングバンド、そしてコヨーテバンド。
それぞれの演奏の「アンジェリーナ」も味わいがあっていいものです。
20周年版のミックスは少しやり過ぎたきらいはありますが、ライヴに負けないオリジナルバージョンの良さを再認識させてくれましたね。
by 都市色 (2010-03-15 01:53)
>タケルさん、はじめまして。
NICEありがとうございました!
by 都市色 (2010-03-15 01:54)
>坂井さん、こんばんは。
コメント&NICEありがとうございます!
爆笑問題、僕も好きですよ。
元春フリークですよね、彼らも。
田中さんの映像、初めて見ましたが、大笑いさせてもらいました。
誰もが佐野元春になれる訳じゃない、いや、凡人にはなれっこ無い!と云うコトを身を挺して田中さんは教えてくれました。
このVTRを教えて下さってありがとうございました。
by 都市色 (2010-03-15 02:00)
>うっちさん、こんばんは。
NICEありがとうございました!
by 都市色 (2010-03-21 05:50)