SSブログ

『ガラスのジェネレーション/佐野元春』 [佐野元春]

sc00017a2e.jpg

『もう一曲いこう!』(元春)

と云う訳で、2ndシングル『ガラスのジェネレーション』を。
ティーンエイジャーの為のパワーポップ。
『アンジェリーナ』から半年後の秋のシングル。この曲も30年前の作品という訳です。
これを初めて聴いたのは15才でしたから、まさにストライクにハートを射抜かれました。
多感な頃にこの曲に出会えたのは幸福でした。
イントロのハモンドオルガンの弾けるようなキュートな音色とアップテンポのリズムからワクワクします。
無邪気に叩かれるピアノの鍵盤の音もキラキラしてますね。
シンフォニックなストリングスの舞い。
ドリーミィなメロディ。
情熱的な元春のヴォーカル。
アレンジには盟友、伊藤銀次さんの貢献も欠かせません。

http://www.youtube.com/watch?v=RGXqCrDoYHE

歌詞の内容は理想主義に充ちた、傷つくことを恐れない若さのエクスプロージョン。
揺るぎないイノセンス。
三十代半ばの僕には眩しい歌詞です。
この曲もサリンジャーからの影響が伺えますね。
大人達の見え透いたインチキを尻目に「♪きれいな恋を」「♪つまらない大人にはなりたくない」と唄う。
♪ガラスのジェネレーション
 さよならレヴォリューション

「さよならレヴォリューション」は新しい80年代による激動の70年代への決別なのでしょうか。
この曲がリリースされた後でジョン レノンが亡くなるもの何か因縁めいてます。
楽曲全体に希望に満ち足りてますが、

♪君はどうにも変わらない
 悲しいけれど

というフレーズがあって、リアルな現実のアクセントがこの曲の歌詞を引き締めている気がして、
此処が僕はこの曲で一番好きなラインです。

そういえば、『ガラスの〜』はライヴバージョンのシングルを取りあげていましたね。
しっとりとしたバラードでした。
1987年の横浜スタジアムでのライヴでのこの演奏は何か終りのような、青春時代との惜別のような響きを感じました。実際これ以降、しばらくこの曲はライヴで封印されました。
次にライヴで唄われたのは7年後のハートランドの解散のときでした。同じく横浜スタジアムで。
その後、2006年には『SINGLES』というタイトルの、エピック時代に残した全てのシングルのA面曲を網羅したアンソロジー盤にはオリジナルバージョンの『ガラスの〜』のボーカルトラックにホーボーキングの演奏をミックスしたバージョンも聴くことが出来ます。

B面は『IT'S ALRIGHT』。
これも大変ユニークな曲で、元春のトリッキーなソングライティングにシビれます。
ジャジーでクレイジーなビートの効いた演奏がカッコ良過ぎ。
元春が捲し立てる、全く意味のないさまざまな単語や言葉の羅列がリスナーにユーモラスでコミカルなイメージを喚起させます。
のちにヒップホップをサウンドに取り入れることになりますが、それを予見させなくもないような。

2ndアルバム『HEART BEAT』も大好きなアルバムで一曲の駄曲もありません。
このアルバムの空気感、都会の真夜中の喧騒と静寂が大好きです。
都会の夜の恋人たちや孤独な若者たちの様々な物語、そして彼らの喜怒哀楽がサウンドに散りばめられています。そして物語はラストの「ハートビート(小さなカサノバの街のナイチンゲールのバラッド)」で夜明けを迎えます。
聴いていると僕もそのストーリィの中の主人公みたいに真夜中をロマンティックに彷徨っている気がするのです。

『ガラスのジェネレーション』《07・5H-53》〈作詞・作曲:佐野元春/編曲:佐野元春、伊藤銀次〉(03’30’’)【1980】


THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004/佐野

THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004/佐野

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
  • 発売日: 2009/08/19
  • メディア: CD




Heart Beat

Heart Beat

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 1992/08/29
  • メディア: CD



nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 3

いとぞう

数ある元春のシングルレコードのジャケットで一番好きなのが、この「ガラスのジェネレーション」です。
そして、あまりにも有名なフレーズ”つまらない大人にはなりたくない”は僕の座右の銘みたいなものです。自分はどうしようもないヤツだけど、つまらない大人にはなってないんじゃないかな・・なんてね。
銀次さんのアレンジも光ってますよね。個人的にはハートランド解散の横浜スタジアムで聴いた、オリジナルに近いアレンジでの演奏が強く印象に残ってます。

「It’s Alright」は意味は分からないけど、とにかく理屈抜きにカッコイイ!シビれます。

アルバム「Heart Beat」は初期の名盤ですね。真夜中から夜明け頃にかけて街を彷徨い歩く時、こんなにピッタリなアルバムはありません。
by いとぞう (2010-03-15 16:12) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
このシングルのジャケットも良いですね。
ガラスに顔を臥せているのが何かセンチメンタルです。
「Land ho!」ではオリジナルのアレンジで初めて聴けて良かったですよね!銀次さんも出てきたし。
「ハートビート」全体の夜更けの都会のイメージ、ホント美しくて好きです。良いですよね。
ラストのタイトル曲の前の「インタールード」もドラマティックなんですよね。
by 都市色 (2010-03-16 23:02) 

都市色

>うっちさん、こんばんは。
NICEありがとうございました!
by 都市色 (2010-03-21 05:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。