『夢で逢えたら／森丘祥子』

こんばんは。
高橋ひろさんの夢見心地なポップスに続くのはやっぱりこんな曲が良いでしょう。
『夢で逢えたら』。
2年前の3／20の記事でもこの曲を取りあげています。
そのときは吉田美奈子さんの歌でしたが、今年は森丘祥子さんによる歌を。
ウララカでムーディな春の夜に響きます。
かつて森丘祥子さんは三人組アイドルグループのセブンティーンクラブのメンバーでしたね。
工藤静香さんもそうでした。
この曲のアレンジは小西康陽さん。
小西さんのレディメイドV.I.Cのサイト内のコラムで最近、この作品を手掛けた当時のことを軽く触れられていたのも記事にした理由です。
この曲はワインのCMソングとしてもオンエアされました。
僕は覚えています。



大滝さんによる原曲は勿論スペクターサウンド風のアレンジですが、小西さんは打ち込みの同期モノでスペクターサウンドに挑戦しています。
これまでも小西さんはピチカートのシングル「アクション ペインティング」や須藤薫さんのアルバムでウォール オブ サウンドにチャレンジしてきましたが、それらは生楽器によるものでした。
打ち込みというのが90年代のピチカートらしいですね。
プログラミングもピチカートでお馴染みの坂元俊介氏が担当してます。
デジタルサウンドによる「夢で逢えたら」も結果的に素晴しい内容で気に入っています。
迫力のあるドラムのリズムとキラキラしたシンセの音色がロマンティックです。
原曲の良さを活かしたアレンジと90年代ならではの音色がマッチしてます。
曲の導入部から「語り」のパートを入れるあたりが小西さんらしいですね。
そして森丘さんの少し鼻にかかった甘い歌声もキュートで、楽曲のムードにピッタリ。
甘いワインの様に酔ってしまいそうです。ポッ。
バックコーラスで野宮真貴さんも参加。
素敵なカヴァーに仕上ってます。

さて、
今年の3・21のナイアガラ記念日には、大滝さんがソニーに残した楽曲提供作品を大滝さん自身がコンパイルした『大瀧詠一 Song Book Ⅰ』がリリースされますが、
その他に、大滝さんのファーストソロアルバム『大瀧詠一』の楽曲を様々なミュージシャンがカヴァーした『オムニバス１〜大瀧詠一ファーストアルバムカバー集 1980〜2010』、
さらに、過去にカヴァーされた大滝作品を音楽評論家の湯浅学＆鈴木啓之両氏がコンパイルした『大瀧詠一 Cover Book Ⅰ〜大瀧詠一カバー集（1982〜2004）〜』もリリースされるそうです。
財布のひもがゆるみっぱなし。
と、云う訳でこの企画モノに肖っての今回の記事であります。
森丘祥子さんのカヴァーヴァージョンは残念ながら今回の三枚のコンピには収録されていません、パート2があったら収録されて欲しいトコロであります。
その代わりにではないけれど、『大瀧詠一 Cover Book Ⅰ』にはピチカートによる「指切り」が、『オムニバス１』にはTOKYO'S COOLEST COMBOによる「五月雨」が収録されてるのが嬉しいです。小西さんは結構大滝さんのカヴァー作品が多いのです。

さてシングルのお話に戻って。
カップリングは『REAL ME』 。
作詞が岩里祐穂さん、作曲が熊谷幸子さんによるこちらはオリジナルソング。
等身大の20代の女性をテーマにしたラヴソング。
しなやかでスウィートなメロディが魅力的なガールポップって感じでなかなか良いです。
イントロが何となくYMOを思い出しました。

このシングルのリリース後、彼女は小西さんがサウンドプロデュースを手掛けた『夢で逢えたら』というタイトルのアルバムを発表します。
全曲70〜80年代のシティポップスの名曲のカヴァーで占められています。
「夢で逢えたら」を始め、「突然のおくりもの」「恋のブギウギトレイン」「愛がなくちゃね」「ソバカスのある少女」「ユーメイドリーム」などなど。ポップスファンには堪らない選曲。
なんとあの「RYDEEN」も歌詞が付けられて歌モノとなってカヴァーされてます。作詞は小西さん。
でもこのアルバムの白眉は何と云っても「TWINKLE CHRISTMAS」というアルバムの中で一番無名な曲。
この曲はEPOさんが80年代中期にとあるデパートのクリスマス商戦時期のキャンペーンソング用に書き下ろした作品で小西さんがアレンジを担当しました。アルバムでは宮田繁男さんがアレンジし直してますが、この曲が実に名曲。他のアルバム収録曲の有名にも勝るとも劣らない名曲。
ロジャー ニコルズの「DON'T TAKE YOUR TIME」に影響を受けたようなセンスの良いメロディには大いに胸を掻きむしられました。宮田氏のアレンジも的を得ていて最高のクリスマスソングに仕上っています。田島貴男さんもコーラスでこっそり参加。
この曲を聴く為に買っても損は無いです。

話が逸れちゃいましたが、次回も大滝さん関連のシングルを取りあげる予定です。
この次もモアベターよ♡

『夢で逢えたら』《WPDL-4221》〈作詞・作曲：大瀧詠一／編曲：小西康陽〉（04’05’’）【1991】

コメント 10

こんにちは。キリンのDANCEのCMは私も覚えていますよ。初めて観たとき
には、TVの前でひっくり返っちゃいました。私は「夢で逢えたら」のカバーを
聴くときは、フルートの旋律がどのようになっているかを注目して聴きます
が、小西バーションはアレンジが原曲に忠実ですね。森丘さんにはもう
1枚の「夢で逢えたら」のシングル(WLDL-4290)がありますね。これに
入っている「夢で逢えたら(REMIX)」は伴奏楽器の登場タイミングが変えら
れていて、小西さんは「夢で逢えたら、もう一度」をやりたかったのでは
ないかなと思っています。
by taka (2010-03-19 17:10) 

このＣＭ、僕もよく覚えてます！この時歌ってたのが森丘祥子さんだったんですね。打ち込みによるスペクターサウンド、実に興味深いです。
色んなバージョンがあるけど、何度聴いても「夢で逢えたら」は名曲ですね。

３／２１の大瀧さんのリリースラッシュ、すごく楽しみです。
３作品全部買います！
by いとぞう (2010-03-19 18:10) 

＞takaさん、こんにちは。
コメントありがとうございます！
もう一枚、同タイトルのシングルが出てるとは知りませんでした。
教えて下さってありがとうございます。
フルートのフレーズはこの曲では重要ですよね。
リミックスがカップリングでしたか。
アルバムに入っているのと同じかも知れません。
仰る通り、シリア ポール版も意識しているでしょうね。
by 都市色 (2010-03-20 15:24) 

＞いとぞうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます！
大瀧さん自身は隠居してもサウンドやメロディは時代を超えて新鮮に受け継がれているのがスゴいですね。
来年はいよいよ「ロンバケ」30周年記念盤でしょうか。
by 都市色 (2010-03-20 15:27) 

このシングルは持ってませんが、アルバムは中古で激安にて入手しました。

今日、一日早くナイアガラへのお布施を済ませてきました。（笑）
どれから聴こうかな。
by うっち (2010-03-20 22:28) 

＞うっちさん、こんばんは。
コメント＆NICEありがとうございます。
連休に相応しい賑やかな三枚のコンピレーションですよね。
by 都市色 (2010-03-21 05:55) 

おじゃましま～す。
このCM覚えてます！小西さんだったとは！！！
まだ中１で、大滝仙人のことは好きでも、ピチカートは知らなかったもので・・・（恥
昨日２１時前、アマゾンで注文してた三枚が届いたので、これからゆっくり聞くつもりです♪
最後のハートで眉間の傷も～の節が頭で流れました（笑



by サクラギ (2010-03-22 09:37) 

＞サクラギさん、こんばんは。
はじめまして。
コメントありがとうございます！
中一から大瀧ファンとはスゴいですね。
当時は僕は高校生でした。
僕の周りには大滝さんやピチカートを聴いてる人なんていませんでした。


by 都市色 (2010-03-23 03:51) 

ご挨拶もしてませんでした・・・（笑

おはようございます☆
父が車でよく聴いてたんですよ。だから、小学校の低学年くらいの時に「あの日車で～競争したのさ」とか「野球の切符口実にして～」とか歌ってました（笑
お金が無かったので、CDは中学生になってから、CD選書（１５００円の廉価版）で少しずつ揃えて。。。
ピチカートは高２で出会いました。広島に住んでたので、その前に「ウィズワンダーランド」というファッションビルのCMで目にはしてたんですけどね（笑
私のまわりにもナイアガラーは今まで一人もいません・・・（笑
by サクラギ (2010-03-23 08:36) 

＞サクラギさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
お父様の影響で大滝さんの音楽が幼い頃から流れていたのですね。
良いですねー。
CD選書は僕もお世話になりました。
広島でピチカートの曲がCMに使用されてると聞いたことがありました。
僕もピチカートは高校2年頃ですね。
「月面軟着陸」にはブっ飛びました。
by 都市色 (2010-03-25 04:01)