『Tシャツに口紅/ラッツ&スター』 [邦楽ロック/80年代]
こんばんは。
御好評につき、大瀧詠一作品でもう一曲。
ラッツ&スターで『Tシャツに口紅』。
ソウル歌謡の名曲。
ムーディで甘くほろ苦いバラード。
ラッツも今年でデヴュー30周年ですね。
お目出度うございます!!!
初めてお茶の間のテレビを通じてオールディーズや黒人コーラスグループのサウンドを知ったのは彼らの音楽からでした。
『Tシャツに口紅』は『め組の人』の次のシングル。
タイトルはコニー フランシスの『カラーに口紅』のモジリでしょう。
黄昏どきの波止場でのうら若い男と女の別れ。
カップルのシリアスで主観的なシーンと彼らを取り巻く波止場の夕闇や大海原や鴎、そして犬という自然界の営みたちの大らかで客観的な視点の対比が面白いですね。
松本さんの描写が見事です。
♪これ以上君を
不幸に 俺 出来ないよ
ポツリと呟けば
不幸の意味を知ってる?のなんて
ふと顔を上げて
なじるように言ったね
「不幸の意味を知ってるの?」
という台詞にドキッとしますね。
男の弱さ(ポツリと呟く)と女の強さ(なじるように)も上手く対比されてますね。
若き恋人同士の迷いや情熱をたくみに表現する、抑揚の効いたマーチンの歌唱も非の打ち所がありません。う〜ん、味わい深いです。
このカップルはこの歌の後どうなるのでしょう?
僕は別れないでやり直すと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=WqZmwl8YTNA
この曲はクレイジーケンバンドもカヴァーしてますね。
B面は『星空のサーカス』。
B面も松本&大瀧コンビ。
一転してアップテンポのコミカルでハッピーなドゥーワップソング。
バスヴォーカルの佐藤善雄さんによるユニークな唄い出しから始まります。
コーラスグループとしての彼らの魅力が堪能出来る曲。
歌の内容は『Tシャツ〜』のカップルがまだ付き合い始めて間もない頃の世界って感じですね。
シングルバージョンのエンディングは田代マサシさんのクシャミで終ります。
「大瀧詠一 SONG BOOK」では「ウッフン♡」ですね。アルバムバージョンは「口笛」。
こういうお遊びが大瀧さんらしくて好きです。
《宿霧十軒》名義でのアレンジ。
この曲は後にゴスペラッツでもナイアガラへのトリビュートも込めて再演されますね。
アレンジは村松邦男氏。
前回の太田裕美さんのシングルと云い、松本 隆&大瀧詠一という作曲家コンビとしての素晴しさを改めて認識します。
松本さんは筒美京平さんや、細野晴臣さんとのコンビ作に比べて、大瀧さんとのコラボレーションは数が少ないですけれど、それだけに貴重で名曲が多いですね。
作詞家と作曲家の只ならぬ才能の火花が散る緊張感も感じます。
一番好きなソングライターコンビかも。
いつか、いつか!
このコンビで作品を出して欲しいです。
楽曲提供でも良いので。
お願い!
『Tシャツに口紅』《07-5H-169》〈作詞:松本 隆/作曲:大瀧詠一/編曲:井上 鑑〉(04'36'')【1983】
大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)-
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: SMR
- 発売日: 2010/03/21
- メディア: CD
ここもコメントせずにはいられない・・・(笑
ラッツもよく聴いてました♪
ゴスペラッツのアルバムも悩んで結局「星空のサーカス」のために買っちゃいましたし(笑
細かいですが、
不幸に 俺 できないよと ポツリと
ですね♪
父はアルバムを持ってて、私はソングブックⅠをずっと聴いてたので、口笛とウッフンはイメージがあるんですが、クシャミバージョンが聴いてみたいです(笑
by サクラギ (2010-03-23 08:53)
お久しぶりです。
大瀧さんのシリーズが続いていて嬉しいです。
毎回楽しく拝見させて頂いております。
都市色さんに触発されてチョット調べてみました。
よく、松本さんと細野さんの対談。
あるいは、大瀧さんと細野さんの対談。
これは何年かに一度くらいは実現したりするのですが
松本さんと大瀧さんの対談ってあんまり無いような気が。
そんな中、1985年に放送された小倉エージさんを交えた
ラジオ番組のテープが出てきたのでちょっとご紹介。
松本「大瀧さんとやるとパロディっぽくならないで
叙情的になるんだよね。僕が入ると。
大瀧さんひとりだとパロディっぽくなるんだけど。
細野さんとやると何故かパロディっぽくなるんだよね(笑)
この人間関係って不思議じゃありません?」
こんなやり取り(笑)をしながら番組の終盤にこんな話を。
「フィヨルドの少女」を最後に
松本-大瀧コンビが「一旦休止」状態になる事について。
大瀧「無くなるって事は絶対ないと思います。
松本-大瀧コンビは不滅だと思います」
松本「一生続くんじゃないですか?」
大瀧「良いものが出来る自信はあるんだけど、
君は天然色みたいな、これだ!って音がぶつけられる態勢を
つくりたいんですよ」
そう言って番組は終わって行くんですが
第二期ナイアガラはすべてにおいて
「これだ!」って音に松本さんの詞が乗っていたと思います。
あくまでも現在は「一旦休止」状態なので
いつかはコンビ復活を!と願わずにいられません。
それにしても、松本-大瀧コンビは音楽のみならず
トークでも良いコンビなんですよ(笑)。
by リゼ・スタンスフィールド (2010-03-24 02:27)
ラッツ&スターは本当に大瀧さんをリスペクトされてますよね。彼らの節目・節目に大瀧さんの作品がある、という感じ。決して大ヒットした曲という訳ではないけど、長く歌い継がれる名曲ばかりで、大事にしている気持ちが伝わってきます。僕は「星空のサーカス」が特に大好きです!
松本・大瀧コンビで新曲出してほしいですね。しょこたんに是非!!
by いとぞう (2010-03-24 21:24)
>サクラギさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
熱心なナイアガラーな親子なのですね。
楽しいコミュニケーションが出来ますね。
ラッツ&スターのボックスも出たんですよね。
気になります。
歌詞の間違いのご指摘ありがとうございます。
慎んで訂正させて頂きます。
寝ぼけて書いてるのが明白です。
誤字脱字の多いブログなのでこれからも突っ込んで下さい。
宜しくお願いします。
by 都市色 (2010-03-25 04:09)
>ゆうのすけさん、
niceありがとうございます。
by 都市色 (2010-03-25 04:11)
>リゼさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
85年当時の貴重な対談、教えて下さってありがとうございます!
興味深いお話。
そうですよね。
細野さんとのコンビではコミカルな仕上がりで、大滝さんとはストーリィ性のある深い内容が多いですよね。
「イエローサブマリン音頭」を除いて。
〝松本−大滝コンビは不滅〟良い言葉です。
これからの希望として胸に刻みたいです。
by 都市色 (2010-03-25 04:22)
>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
大滝さんもラッツも.ブレイクする前から熱い交流があったからこそ、長い間結ばれているのでしょうね。
ラッツもいつの日かメンバー全員で再集結して欲しいです。
そのときには松本−大滝コンビの新曲で!
あっ、しょこたんもいいですよね。
by 都市色 (2010-03-25 04:26)