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『ヨコワケ ハンサム ワールド/クレイジーケンバンド』 [CKB]

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こんにちは。
前回に引き続いて、小西康陽さんのリミックス作品に関連したモノを。
彼の数多くのリミックス作品の中で僕が最も好きなのはクレイジーケンバンドの「葉山ツイスト」の《the readymade ye ye track》。
その楽曲が収録されている12インチシングル『ヨコワケ ハンサム ワールド』をご紹介。

CKBが1998年にデヴューアルバム「パンチ!パンチ!パンチ!」、翌年に「GOLD FISH BOWL」を快調にリリース後、さらに彼らの名前を売り出すきっかけとなった傑作12インチです。
そのリミックスを手掛けたのが小西康陽、そして須永辰緒という名だたるリミックス番長。
クラブ界の顔役の息のかかった12インチのリミックス作品を出すことによりCKBは一躍全国各地の巷のクラブDJ達の噂の的になりました。

A面の一曲目は上記の「葉山ツイスト the readymade ye ye track」。
葉山の海岸沿いのお店で開かれる仲間たちによるパーティへ向かうまでの道中を活写したツイスト歌謡。
冒頭はのっさんによるお馴染みのアイキャッチ、
そして轟くティンパニのリズム。
小西さんのリミックスは原曲のもつロックンロールの軽快さはそのままに、よりデラックスに、ムーディに、ケレン味タップリ仕上げてます。
そして剣さんのソングライティングのモチーフを解読するようにフランスギャルの「Laisse Tomber Les Filles」のコード進行と絡めながら、サウンドを展開させている辺りに小西さんのオリジナルソングへの咀嚼力が光ります。フレンチポップスと歌謡曲とロックンロールの何の違和感のないハイブリッド感が堪りませぬ。
この楽曲のキモといえるフレーズ〝昭和にワープだ〟も念を押すように連呼されてます。
オリジナルに比肩するような出来の最高のリミックス。
まさにイイネ!ったらイイネ!
勿論、「ATTRACTIONS !」にも収録されてまが、この曲の次にシーナ&ロケッツの「レモンティー」のリミックスに続くのですがその繋ぎのカッコ良さには感動します。

12インチの話に戻って、
二曲目と三曲目はリミックス作品ではありません。
まずは「金魚鉢」。
のっさんのペンによるラウンジ感ただようエキゾチックギターインスト。
CKBのサウンドの要といえるのっさんのメロウなソングライティングとギターワークが堪能出来ます。
中西圭一さんのフルートのソロも心地好いです。
2ndアルバム「GOLD FISH BOWL」収録曲。

三曲目は「空っぽの街角」。
デヴューアルバム「パンチ!パンチ!パンチ!」収録。
この曲はとっても大好きです。名曲ですね。
ミュートしたエレキギターのカッティングの枯れたような響きのイントロに導かれ、
やるせなくメロウでニヒルなアーバンソウルが展開されます。
バンドのダイナミックな一発録りにシビれます。
のっさんのアイズレーブラザーズマナーのギターソロもカッコいい。
この12インチに入っているバージョンはアルバムバージョンよりも演奏時間が長くエディットされていますが、この曲の怒濤の演奏、やがてリズムが走り出してアルバムの一曲目に収められている「PUNCH! PUNCH! PUNCH! 」へとメドレーのように繋がって行きます。
ふりだしに戻るのです。
つまりこのアルバムは一曲目と最後の曲がループしています。
アルバムバージョンの「PUNCH! PUNCH! PUNCH! 」はフェイドインから始まります。

B面一曲目は「長者町ブルース」の須永辰緒氏によるリミックス《AUDIOMUSICA N° 10》。
原曲のイメージを基調によりスムースでグルーヴィでジャジーな味付けがさすが。
横山 剣と云う素晴しい表現者が描く横浜の街はこれまで蔑ろにされてきたようなアンダーグラウンドで猥雑でワイルドでエキゾチックな世界を発見させてくれます。

B面の二曲目と三曲目もリミックスではないオリジナルソングから。
二曲目は「インターナショナル プレイガール」。
昭和30〜40年代に一世を風靡した様々な国内外のスパイ/アクション映画への憧憬を込めた楽曲。
洗練されたメロディとファンキーなサウンドの爽快感。
2ndアルバム「GOLD FISH BOWL」収録曲。

三曲目は「イカ釣り船」。
ノヴェルティな超絶ギターインスト。
のっさんの一世一代の名演名曲。
ガレージ、サーフィン、プログレ、ハードロック、ラテンロック、などなど世界中のギターサウンドを暴飲暴食しながらもそれらを見事に消化、排泄してしまう、のっさんの旺盛な音楽の胃袋。
縺れた糸がさらに縺れていくようなコミカルなメロディの面白さにも注目。
ベースの洞口信也さんとドラムの廣石恵一さんとのスリーピースだけの演奏ながら濃厚で複雑なサウンドに舌を巻きます。
この演奏は全ロックファン必聴なり。
「パンチ!パンチ!パンチ!」収録。

この12インチを聴いてるだけでもCKBのスゴさが判ります。
剣さんのキャッチフレーズである〝東洋一のサウンドマシーン〟は伊達じゃありません。
そしてこのレコードのジャケットもナイスです。
デザインは信藤三雄さん。
信藤さんのデザインはあまりお金がかかってなくてもカッコいいものが多いですね。

さて、この12インチのタイトルである「ヨコワケ ハンサム ワールド」とは以前に定期的に開かれていたCKBによる恒例のファン感謝イベントの名前でもあったのですが、今年の夏に開かれるホテルでのオープンなディナーショウ形式のライヴにて、久々にこの「ヨコワケ ハンサム ワールド」という名が冠されます。
参加してみたいなぁ。

『葉山ツイスト』《DJ21-1999》〈作詞・作曲:横山 剣/編曲:小西康陽〉(04'26'')【1999】


ATTRACTIONS! KONISHI YASUHARU Remixes 1996-2010

ATTRACTIONS! KONISHI YASUHARU Remixes 1996-2010

  • アーティスト: 小西康陽,小西康陽,coba,山下毅雄,高中正義
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2010/03/03
  • メディア: CD



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