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『珈琲不演唱/高田 渡』 [邦楽ロック/70年代]

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こんばんは。
chocolat & akitoのライヴを観に行ったあと、新宿発の高速バスに乗って京都へ向かいました。
京都へは翌日の早朝に到着しました。
駅から地下鉄で四条へ降りて,その足で歩いて訪れたのが,堺町三条のイノダコーヒでした。
と,云う訳でこのシングルを。
高田 渡さんの「珈琲不演唱(コーヒーブルース)」です。
(メジャーレーベルからの)ファーストアルバム、「ごあいさつ」からのシングルカット。
シングルのB面ですが、この際こっちをタイトルにしましょう。
朴訥とした高田翁の歌声。
ギターを弾きながら、
しみじみと語っているようで、淡々と歌っているような、不思議な歌唱。
掴みどころのない雰囲気。そこがこの曲の味わいを深めてる気がします。
シンプルなメロディを、コーヒーを味わうように耳を傾けます。



歌詞に地名も店名も紹介されているので物凄いプロモーションになったことでしょう。
僕も「行かなくちゃ!」と思って行ってしまったのですから。
好きな女の子に会いに行った訳ではありません。
僕がイノダで飲んだコーヒーは「アラビアの真珠」という甘いヤツでした。
なかなか美味しかったです。
京都の朝のひとときを、窓際のテーブル越しからお店の中庭を見ながら過ごしました。
お店には日曜日の朝からお客さんが多かったです。

この曲で思い出すのが、山下達郎さんがときどきライヴでこの曲をギターで弾き語りされるのです。
高田渡さんのマネで。勿論、軽い余興ノリなのですが、面白いです。

紹介が遅れましたが、
A面は「自転車に乗って」。
真心ブラザーズのカヴァーの方を先に知りました。
若者は本末転倒するものです。
はっぴいえんどの演奏をバックに、のらりくらりと飄々と朗らかに唄を響かせています。
草野球チームで和気あいあいと合唱してるような楽しさがあります。
アルバムバージョンにはヴァースと云うか口上が入ってますね。
この曲も驚く程、メロディも歌詞もシンプル。
このフトコロの大きな余白の大きな唄に音楽ファンはいつの間にか魅入られてしまうのでしょう。
70年代初頭、まだ二十代の前半だった高田翁の老成した味わいの音楽。
懐かし過ぎて新しい。
それからこの曲、何となくビートルズの「When I'm sixty-four」に似てませんか?
アルバムバージョンの口上はヴォードヴィル調とも云えなくも無く。
老成つながりってことで。

「コーヒー」も「自転車」も身近に有り、どちらの歌詞にも「少し」とか「ちょいと」とか、軽いフレーズが入ってるのが印象的です。
あらゆる事象をどんどんシンプルに、抽象的に、軽く表現して行くことの美しさ。
研ぎ澄まされたメロディと歌詞の視点。
歌詞すらも過去の詩人の言葉を借りて巧みにメロディを着せる軽やかさ。
高田 渡さんという唯一無二のパーソナリティが歌えばそこに似て非なる作品が。
口幅ったく云えばアート。
五十六歳で亡くなったのが早過ぎます。
「ごあいさつ」「系図」素晴しいアルバムですね。

十代の頃はフォークソングとか苦手でしたが、最近は70年代のフォークを好んで聴いています。
何でも聴く訳ではありませんが。

『珈琲不演唱』《BS-1383》〈作詞・作曲:高田 渡/編曲:早川義夫〉(02'17'')【1971】


ファーストアルバム ごあいさつ(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ディウレコード
  • 発売日: 2007/05/25
  • メディア: CD



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びっけ

『珈琲不演唱』は知らなかったのですが、『自転車に乗って』は大好きな曲です。
フワフワしているような心地よさがあって、歌から情景が見えてくるような歌ですよね。
私にとって、自転車を漕いでいる時のテーマソングの一つです。(笑)
by びっけ (2010-07-24 23:37) 

都市色

>びっけさん、こんばんは。
コメント&niceありがとうございます!
僕も自転車に乗りながら、気分が良いと鼻唄まじりに歌っちゃいます。

♪ちょいと そこ〜ま〜で〜

と云う軽さが、何ともいいですね。
by 都市色 (2010-07-27 00:05) 

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