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『AN APPLE A DAY / bice』 [ウィスパーヴォイス]

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こんばんは。
今回も魅惑のウィスパーヴォイスを取りあげたいと思います。
ウィスパー日本代表はビーチェ(bice)さん。
惜しくも今年の7月に急逝されました。
亡くなる数日までブログを更新されてたのに…。
運命のひとひねり。
余りに突然過ぎて…、悲しいです。
僕と同世代の誇るべき素晴しい音楽家。
逝ける方を偲んで。

彼女は十代の頃から作曲活動を始め、90年代前半に本名でデヴューし、数枚のアルバムとシングルをリリース。
98年に〝bice〟という名前で再DEBUT。
シングルとミニアルバムをリリース後、2001年に“bice”としての待望のフルアルバムをリリース。
今回紹介するのはその先行シングルとなる「AN APPLE A DAY」 。
インディ系ギターポップファンのハートを鷲掴みなポップンロール。
ノーナリーヴスの奥田健介(ギター)、小松茂(ドラム)、両氏のサポートもバッチリ。
勢いだけのロックではなく、彼女のユニークなメロディメイカーぶりも遺憾なく発揮されてます。
フックラインのときめくような高揚感が溜まりません!
マシュマロの様なウィスパーの魅力を損なわないアレンジメントも良いです。
彼女のウィスパーは甘く気怠いですが、カマトトぶった感じではなくクールでしなやかなのです。
インディペンデントでどこか強さを秘めてると云うか。



この曲は後に、小西康陽さんが選曲したコンピレーション「BOSSA NOVA 1991」(2007)にも収録されました。
その才能に惚れ込んだ小西さんはレディメイド配給による、8年ぶりとなる彼女の新作をリリースすることに成功します。
6年も彼女の新作が出なかった事実にも驚いてしまいます。
小西さん以外は彼女のアルバムを出そうと思わなかった訳で。
刀の持ち腐れと言うか、音楽シーンは彼女の才能を過小評価し過ぎました。
残念です。

シングルの二曲目は「光の中へ」。
アルバム未収録なのですが、これが実に名曲なのです。
シンセサイザーを巧みに使用したシンフォニックなサウンドが実に壮麗です。
アコースティックなサウンドと華麗なる共鳴。
ドリーミーで儚いメロディ展開に胸を締め付けられます。
ミスティでせつないウィスパーも溜め息が出る程素敵…。
ゾンビーズが大好きなビーチェさんのソングライティングのキレが冴え渡ります。
ソフトロック、ズバッとど真ん中!
アレンジャーとしての才能も素晴らしいですね。
もう何度でも言います、名曲。
シングルオンリーなのが信じられない程素晴しい。
逆にこのシングルの価値を大いに高めてるのですが。

三曲目は「AN APPLE A DAY」の初期バージョンである「I WANNA TAKE YOU HOME」 の杉浦英治氏によるリミックス。
題して「I WANNA TAKE YOU HOME(SUGIURUMN HOUSE MISSION MIX)」。
名リミキサー、SUGIURUMNお得意の四つ打ちハウスでフロア向けにミラクルに、アッパーに、開放されています。

ビーチェさんの作品はレディメイドでの「かなえられない恋のために」以外は現在廃盤です。
これは実に由々しき事です。
徳間ジャパンさん、是非アルバムを再発してください。
彼女の素晴しい音楽は、美しい作品はこれからもずっと生き続けるべきです。
「かなえられない恋のために」も素晴しいアルバムなので、聴かれてない方は御一聴のほどを。

ビーチェさん、どうぞ安らかに。
そして彼女の音楽よ、永遠に。

『AN APPLE A DAY』《TKCA-72110》〈作詞・作曲・編曲:bice〉(03'29'')【2001】


かなえられない恋のために

かなえられない恋のために

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)
  • 発売日: 2008/07/23
  • メディア: CD



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