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『Baby Baby /石川さゆり with 奥田民生』 [邦楽ロック/00年代]

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こんにちは。
前回の記事で石川さゆりさんのことに触れましたが、
まりやさんの「ウィスキー〜」と同時期にシングルがリリースされました。
それが何と奥田民生さんとのコラボ作。
奇しくも再びポップス系のシングルとなりました。
と、云う訳でタイトルは「Baby Baby」。
「ウィスキー〜」がアダルトなラヴソングなら「Baby Baby」はもっとポップな感じのラヴソング。
60年代のモータウンサウンドを下敷きにしたようなウキウキするような響き。
シャッフルビートに乗って明朗なホーンとストリングスが奏でられます。
うつみようこさんとLeyonaさんのソウルシスターなコーラスもいい雰囲気。
軽快な感じですが、Jポップ的な前のめるするようなビートではなくゆったりとしたテンポが、石川さゆりさんのファン層が聴いても安心して聴けると思います。
スカパラのホーンの響きもどこか哀愁を帯びてます。
民生さん独特のシンプルにシンプルを重ねたような言葉とメロディ。
そのシンプルは簡素で味気ないものではなく、過不足無い究極の「うた」。
聴けば聴く程味わいが増します。
演奏もコーラスと上モノ以外は民生さんの「ひとりカンタービレ」状態。
表面的にモータウン調のサウンドを纏いながらも、民生節がエンボス加工のようにじんわり浮かび出てきます。
そして石川さゆりさんの朗らかで恋する乙女のようなまっさらな歌唱。
大人になっても初々しい恋心を胸に秘めている女性の様なイメージ。
サビでのしなやかなこぶしの抑揚の効かせ方が技ありです。

この曲で興味深いのは歌詞に、
〝まだ触れてはだめ ふたをして 楽しまなきゃ たっぷりと〟
という一節があるのですが、
これは「ウィスキーが、お好きでしょ」の
〝気まぐれな星占いが ふたりをめぐり逢わせ 消えた恋とじこめた 蓋を開けさせたの〟
という一節に呼応してるのではないでしょうか。
恋の始まりを、高まりをじっくり楽しむのが恋を長続きさせる秘訣なのでしょうか。

カップリング曲は「スロウサーフィン」。
スロウなサーフィン?
一転してブルーな音像に引き込まれる不思議な曲。
ミディアムテンポのエンドレスな淡々としたグルーヴ。
シンセの電子音が深い海の中にいるような耳鳴りのように感じます。
海の中を「僕」と「君」のふたりだけで潜って彷徨っている。
前曲ではコーラス隊に回っていた民生さんがさゆりさんのヴォーカルに影のように寄り添って歌います。涼しげなさゆりさんのヴォーカルもかっこいい。
民生さんのメロウな旋律が深海の中でゆらめいて光ります。
この曲も聴けば聴く程ハマります。

このユニークなコラボレーションは、くるり主宰の京都での野外フェスに石川さゆりさんが参加して、そのイベントに民生さんも参加されていて、意気投合したことがきっかけだそうです。
まったりとマイルドな大人の音楽。

このシングルにはDVDは付いてなくて、10月20日の発売後に間もなく買ったのですが、
なんと孫六、PV映像その他を収録したDVD付きのシングルが12月に出るじゃないですか。
何で後から出すのでしょうか。
初回限定盤シングルを出す昨今の風潮に真っ向から対抗するリリース方法にギャフン。
恐るべし、演歌のテイチク、こぶしde ねっと。
スローライフに根ざした音楽活動なり。

さゆりさんは今年の紅白に出場が決定しました。
出来ればこの曲を歌って欲しいのですが、無理でしょうね。
吉岡治さんお亡くなりになりましたので追悼の歌になると思われます。
このコラボの行方はどうなのでしょう、きまぐれな民生さんなので予断を許しません。
12月には「僕らの音楽」に出るようです。

『Baby Baby』《TECA-12244》〈作詞/作曲/編曲:奥田民生〉(04’22’’)【2010】


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